領収書とはお金の受け渡しがあったことを証明する書類で「証憑書類」の一種です。
主に手書き・印字の領収書とオンラインで送付される電子領収書があります。
領収書は経費計上のために必要なほか、税法で決められた期間は保管しておく義務があります。
仕事での取引や、経費で買い物をした際に手にする領収書ですが、いざ発行する立場になったとき、どのように作成すべきかわからないという方も多いかもしれません。
領収書は金銭のやりとりがあった相手に発行する大切な書類です。
手書きで発行した領収書に間違いやミスがあると、その後の信頼問題に発展してしまう可能性も。
そこで今回は、手書きの領収書について詳しく解説します。
領収書の基本的な役割から、手書き領収書の作成方法、押さえておきたいポイントも紹介していますので、是非参考にしてください。
領収書とは
領収書とは、商品を購入した際や、サービスを受けたときに支払をした証明として発行される書類です。
購入した商品の返品や交換の際に提出することはもちろん、個人事業主・法人であれば、税の申告や、会計業務に必要不可欠な書類です。
また、領収書があることで、二重請求をしてしまったり重複して支払う過払いを防ぐことができ、発行側・受け取り側の双方にとって意味のある書類になります。
領収書の役割は?
個人事業主や、社会人になったばかりの方は、「なんとなく必要そうだから領収書をもらうものの、実際その使用用途や役割を理解していない」という方もいるのではないでしょうか?
前述の通り、領収書は支払ったこと・お金を受け取ったことを証明する書類です。
税金の申告をする際、どのくらいの経費がかかったのかを領収書をもとに計算します。
各自が自由に、「接待に○○円かかった。」「○○円分の代金を受け取った。」と申告してしまうと、実際に支払った金額とのずれが生じたり、過剰申告が起きたりしかねません。
そこで、領収書を支払証として提出し、経費を計算、最終的に確定申告を行います。
申告したものの、あいまいな点や不備があると税務調査が入ることもあり、その際には領収書の提出を求められます。
そのため、5年〜10年間は領収書を保管しておく義務があります。
有効な領収書とは?
正式な領収書として認められるには、きちんとした情報の記載が求められます。
少なくとも以下の4点が必ず記載されていなければいけません。
- 「取引を行った日付」
- 「宛名」
- 「支払金額」
- 「商品・サービス名」
自分が領収書を作成するときはもちろんですが、領収書を受け取った際にも、上記がすべて記載されているか確認するようにしましょう。
メモ書きも代用可能
領収書に記載すべき情報を説明しましたが、上記4点が含まれていれば、手書きのメモでも問題ないとされています。
商品を購入したものの、領収書を作成する書類がなかったり、出先で取引を行う等、領収証を発行できないときもあるかもしれません。
そのような場合は、名刺の裏に「日付・宛名・金額・商品名」を手書きすることで、領収書として認められます。
後日、正式に領収書を発行する際は、最初に発行したメモ書きの領収書は引き取るか、その場で破棄するようにしましょう。
レシートも代用できる
レシートは領収書にならないので、手間がかかるけどわざわざ領収書をもらってる人も多いのではないでしょうか?。
実はレシートも領収書と同じ役割を果たします。
領収書をもらう際、「宛名を上様」「商品名を品代」とする人もいるでしょう。
小売業や、飲食店では略称可のため問題はありません。
ただし対企業の場合は、内容が不明確なため「証憑書類」として提出できない恐れもあります。
その点、レシートには税務上確認したい内容がすべて含まれています。
そのため、むしろレシートのほうが信ぴょう性が高い書類とも言えるのです。
その他、公共料金支払の際の「受領済」とスタンプが押されたものや「相済」「代済」と記載のあるレシートやメモも領収書として認められます。
レシートの文字消えに注意!
レシートは領収書の代用になると紹介しましたが、レシートを保管する際、気を付けなければいけないのが、文字が消えてしまうことです。
レシートは一般的に感熱紙を使用しています。
感熱紙には熱摩擦による化学反応によって文字を印刷しているため、手書きの領収書のようにインクを使っていません。
そのため、時間が経つと文字が消えてしまうということが起きるのです。
またレシートやお金を受け取ったあと、アルコール消毒をする人も多いでしょう。
アルコールがレシートに付着すると、真っ黒になり文字が見えなくなってしまいます。
ハンドクリーム等、油分が多いものも同様です。
一度読めなくなったレシートは復活させることができませんので、レシートを領収書として保管する際は以下に注意しましょう。
- 紙の封筒に入れて保管する
- 高温多湿な場所は避ける
- アルコール・油分が付いた手で触らない
領収証との違いはほぼなし
領収書と似た書類に、「領収証」があります。
領収書が欲しかったのに、領収証が発行されて戸惑う事もあるかもしれません。
どちらも商品を購入したりサービスを受けたりした際に金銭取引があったことを証明する書類で、差異はありません。
国税庁のカテゴリー分けでも領収書と領収証は「受取証書」として区分されており、どちらも有効な書類として取り扱われています。
領収書を紛失した場合
「経費精算のために領収書をとっておいたのに、うっかり紛失してしまった。」
「間違えて捨ててしまった。」ということは誰にでも起こりうることです。
領収書をなくした場合は、再発行が可能なのか不安になります。
結論からいうと、基本的には再発行できません。
領収書は金銭取引があったことを証明する書類ですが、何枚も存在してしまうと経費の水増し請求にも繋がる恐れがあるからです。
ただし、支払先によって条件付きで再発行も可能です。
再発行という印やメモ書き付きの領収書や、領収書同等の書類である「支払証明書」を発行し対応してくれる場合もあります。
ただ、法律で領収書再発行義務はないため、再発行可否についてはそれぞれの裁量となっています。
再発行不可と言われたら、残念ながら領収証の再取得は諦めるほかありませんが、金銭取引を証明するための手段として、以下の方法もあります。
- 通帳の取引履歴
- クレジットカードの購入履歴
- 出金・入金伝票を作成しておく
上記は領収書と同等の扱いにはなりませんが、履歴から支払先に照会をして支払の証明としてくれる場合もあります。
高額な領収書や重要な領収書は「すぐに保管しておく」「電子領収書を発行してもらう」「スキャンしてデータとして取り込んでおく」等、あらかじめ紛失に備えることも大切です。
領収書を手書きで作成する方法を徹底解説
領収書がどのような用途・役割であるのかを解説しましたが、ここからは手書きで領収書を作成することになった場合のポイントを解説します。
領収書作成の準備
手書きで領収書を作成する場合は、書き込む元となる用紙が必要になります。
領収書に使用する用紙には、主に3種類があります
- 冊子になっている領収書を購入する
- 白紙の紙に手書きする
- エクセル等のテンプレートを印刷する
それぞれ解説します。
冊子になっている領収書を購入する
手書きで領収書を作成する場合は、既に冊子になっている領収書を購入しておき、必要に応じて手書きするのが手軽で簡単な方法です。
「領収証」として販売されていることが多く、複写式、切り取り控え付き、控えなし等、様々な種類があります。
領収証には「日付・取引相手名・金額・商品名」を書き込む欄が印字済みなので、記入漏れの不安も軽減されます。
100円均一や文房具屋さんで気軽に購入できるので、事前に準備しておくのもいいでしょう。
白紙の紙に手書きする
前述したとおり、領収書が手元にない場合は、白紙や名刺の裏に「日付・金額・取引相手名・商品名」を手書きすることで、領収書として使えます。
普段あまり領収書を作成する機会がなかったり、領収書をたまたま持ち合わせていなかったときにも発行可能です。
税法的には、情報がすべて記載されていれば、書式問わず領収書とみなされます。
ただ会社によっては説明が必要だったり、認めてもらえない場合もあるので注意が必要です。
エクセル等のテンプレートを印刷する
エクセルやグーグルスプレッドシート等で、領収書を作成し、印刷して領収書を作成する方法もあります。
自分で1から領収書を作成できないという人がいるかもしれません。
そのような場合でも、無料でダウンロードできるたくさんの領収書テンプレートがありますので、自分に適した領収書を作成することができます。
また、領収書を発行するのが特定の取引先の場合は、自分の会社名や取引先名を入力した領収書をあらかじめ作成・印刷しておくことで、金額や日付を手書きするのみで領収書が完成します。
取引先名は略さず記載しなければいけませんので、字を書くのが苦手な人にもおすすめです。
領収書に手書きする際の注意点
それでは実際に手書きで領収書を作成する場合は、どのような点に注意したらいいでしょうか?
領収書には、必要事項である「日付・宛名・金額・商品名」を記載する際、注意しておかなければならないポイントがいくつかあります。
また5万円以上の取引の場合は収入印紙を貼り付ける必要もありますので、あわせて確認しましょう。
正確な宛名を記載
企業宛てに手書きの領収書を作成する場合は、注意しなければならないのが株式会社の書き方です。
領収書では(株)ではなく、株式会社と記載する必要があります。
まえ株・あと株なのかを確認することに加え、会社名等も誤字・脱字がないようしっかりと確認して記載するようにしましょう。
金額はしっかり明確に記載
手書きの領収書は手軽に作成できる一方、人的ミスや、改ざんにも注意しなければいけません。
特に気を付けなければいけないのが、以下の二点です。
- はっきり間違いなく読める数字を書く
- あとから改ざんされないように工夫する
領収書においてもっとも重要な箇所である金額は誰が見てもはっきり読める文字で記載しなければいけません。
「1と7」や「0と6」等、意識せずに手書きをすると、他人からは判別しづらいことも。
見間違うことのないはっきりとした数字で金額を書き込みましょう。
また、金額を書くときは、あとから数字を改ざんされないよう、三桁毎に点を打つことや、前後に記号を記載するのもポイントのひとつです。
(例)¥100,000- ¥100,000*
商品名はできるだけ詳細に
領収書の但し書きにあたる商品名やサービス名は、「お品代」の一言ではなく、「飲食代」「インターネットサービス利用料」「書籍代」等、詳細を記載するのが基本です。
詳細を記載することは義務ではありませんが、すべて「お品代」だと、のちの経費精算や税申告の際に、どのような使い道で代金を支払ったのか説明ができなくなる恐れがあるからです。
取引先からの要望がない限りは詳細な商品名を記載するのがいいでしょう。
5万円以上の取引には収入印紙が必要
税別5万円を超える取引の場合は、発行する領収書には収入印紙を貼付ける必要があります。
いわゆる印紙税で、領収書を発行する側が負担をしなければいけません。
収入印紙は郵便局や役所、コンビニエンスストア等で購入することができます。
なお、収入印紙の金額は、以下になります。
- 5万円未満 不要
- 5万円以上100万円以下 200円
- 100万円を超え200万円以下 400円
- 200万円を超え300万円以下 600円
- 300万円を超え500万円以下 1,000円
収入印紙を貼付した際には、二次使用防止や剥がれてしまった際にも貼付済であることが証明できるよう割り印をしておきましょう。
領収書は電子化もできる
ここまで領収書の作成方法について解説しました
手書き領収書には、多数のルール・注意点があるため、「手間がかかる・領収書の保管が大変そう・紛失したらどうしよう。」と不安になる人もいるかもしれません。
そんな人には、すべての手続きをオンラインで行う電子領収書の導入もおすすめです。
忙しい現代人の負担を軽減するための様々なツールが導入されており、電子領収書を用いての取引も当たり前の時代が到来しています。
そもそも電子領収書とはどういうものなのか、メリットはあるのか詳しく解説していきます。
封筒・紙・収入印紙不要のため手間・コスト削減
通常、領収書を送付する形で発行した場合は、領収書のほかに封筒、切手、5万円以上の取引の場合は収入印紙も必要です。
取引先が多ければ多いほど、領収書発行作業に手間とコストがかかります。
そこで、領収書を電子化すると、封筒、切手、収入印紙代が不要になります。
(印紙税は紙で発行した領収書のみに課税のため電子領収書では不要)
また、手書き領収書の作成作業にかかっていた手間やコストも大幅に削減されます。
実際に、すべての会計業務をオンライン化するサービスを提供する株式会社Oneplatでは、98%のコスト削減を実現しています。
領収書保管スペース不要・紛失の心配不要
領収書は税法で5年〜10年の保管が義務付けられています。
期間は業務形態により異なり、それぞれ以下になります。
- 法人7年
- 法人(赤字年度がある場合)10年
- 個人事業主白色申告 5年
- 個人事業主青色申告 7年
このように、領収書は5年〜10年もの間、保管しなければいけません。
領収書の保管スペースが必要なのはもちろんですが、紛失しないようにどこにどの領収書があるのかわかるよう、ファイリングも必須になるでしょう。
また、会計業務をするにあたり、領収書だけではなく以下の書類の保管も必要となります。
- 請求書
- 買掛帳
- 売掛帳
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
- 入出金伝票
- 見積書
これだけの書類を紙ベースで保管すると、膨大な量なだけに場所もとられます。
そこで、電子会計システムのoneplatを導入すると、領収書に加え、上記すべての書類をクラウド上で保管が可能、さらに検索機能ですぐに必要な書類を取り出すことが可能になります。
記載ミス・記載漏れがなくなる
領収書を手書きで作成する場合は、手書きで記載することからどうしても記載漏れや、書き間違い等の人的ミスが起きる可能性が高くなります。
金銭の証明にもなる領収書を間違えたまま発行してしまうと、信頼関係が崩れてしまうことにもなりかねません。
電子領収書では、あらかじめ登録している会社や金額を元に領収書の作成が可能なので、ヒューマンエラーが起きにくいというメリットがあります。
また、電子領収書は手書き領収書に比べて見やすく、宛名や金額が明確なため、発行側・受け取り側の双方が確認しやすいというメリットもあります。
インボイス制度に対応
現在、日本では8%と10%の異なる税率が存在するため、領収書の作成が煩雑になったり、経費精算が困難になる等、企業の負担が増える傾向にあります。
インボイス制度はその打開策として2023年10月より導入されます。
出典:国税庁インボイス制度
インボイス制度が導入されると、課税事業者は税務署に申請を行い、適格請求書発行事業者として登録、その後オンライン上でインボイスの発行が可能になります。
また、発行・受け取りした電子インボイスについても電子帳簿保存法に基づき保存が義務付けられています。
インボイス制度について、既に理解をして準備をはじめている人もいれば、初耳でなんのことかわからないという人もいるのではないでしょうか?
oneplatなら、すべての会計業務をオンラインで行うことができ、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。
また、導入にあたって不明点があれば、oneplatのサポートサービスを受けることも可能です。
インボイス制度の導入に伴い、企業それぞれの登録・準備が必要になります。
導入直前に慌てることのないよう、余裕をもって備えましょう。
電子領収書の導入は簡単?
領収書を手書きで作成する時代から、領収書をオンライン化する時代に移り変わっています。
「まだまだ手書きの領収書が楽だ」と思っている人も、今後インボイス制度の導入で電子領収書を視野に入れる必要が出てくるかもしれません。
電子領収書と聞くと、「導入するのに知識が必要なのではないか。操作は難しいのではないか」と思うかもしれません。
実は電子領収書の導入はスマートフォンひとつでもできてしまうのです。
特にoneplatの納品書・請求書クラウドサービスなら、アプリを使用するのと同じ感覚で領収書の管理や会計業務を行うことができます。
データはクラウド上で保管するので、スマートフォンの容量を気にする必要もありませんし、スマートフォンだけではなく、タブレットやパソコン等、自分が使いやすい機器に導入することが可能です。
導入方法がわからないときにもoneplatの無料導入サポートサービスがあるので、いつでも質問することが可能です。
手書き領収書からoneplatの電子領収書の時代へ
今回の記事では、手書き領収書の書き方から電子領収書についても解説しました。
多様化する現代では、コロナ渦にくわえ、働き方改革でリモートワークが主流になったり、テクノロジーの進歩でオンライン化が進む等様々な変化があります。
oneplatのサービスではそんな時代のニーズを捉え、会計業務の負担を削減するサービスを提供しています。
手書きの領収書では、間違いなく記載するのに注意が必要だったり、作業に時間がかかったり、コスト面や保管場所の問題がありました。
oneplatの電子領収書なら手書き領収書にありがちだったすべての悩みを解決できます。
導入に不安がある場合も丁寧なサポートがあるので安心です。
oneplatでは資料請求やお問い合せにも随時対応していますので、手書き領収書の作成に負担を感じたときには、是非導入を検討してみてください。