請求書を再発行するには?再発行を依頼するケースや注意点を解説!

経理作業や会計業務において、非常に重要な書類である「請求書」。

しかし、発行枚数が多くなることから、紛失等によって請求書の再発行を依頼しなければならないケースも、度々あるかもしれません。

この記事では、請求書の再発行を依頼する場合の依頼方法や再発行してもらう上でのリスク等について解説していきます。

請求書の再発行を依頼する際の対応方法

まずは、そもそも請求書の再発行を依頼する必要があるケースは、どういったものがあるのかみていきましょう。

請求書を紛失した場合

請求書を取引先や消費者が紛失してしまった場合は、再発行が必要です。

請求書は取引の証拠となる証憑書類のひとつに該当するため、非公式な書類や口頭で伝える等の手段は取れません。
また、自社内で請求書を紛失してしまうこともあるでしょう。書
類のプリントアウトや郵送等の過程で紛失することは、しばしば起こります。

たとえば、役所が請求書を紛失したことで謝罪したというニュースを聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
請求書の数が膨大な企業は、こうした問題は他人事ではありません。

また、支店から本社にいったん請求書を集める等業務プロセスが複雑な場合も、紛失リスクは高まるでしょう。

再発行を依頼する際には取引先の「二重請求」への配慮が必要です。

取引先の企業から記載内容の情報を聴取されたら、丁寧に答えるようにしましょう。

また、再発行の理由を取引先に伝えることも忘れずに行いましょう。

お願いする理由によっては取引先の対応や処理方法が変わってくるので、正直に伝えるようにしましょう。

請求書の支払い方法を変更する場合

自社が何らかの理由で代金を支払えない場合は、法的な対処が必要になることがあります。

例えば、民法第415条の「債務不履行」というケースですが、これは「契約時は代金を一括払いできる資金があったが、それが一時的に減少し、支払えなくなり、期日までに完済できない」という状態です。

債務不履行の内容には、

  1. 支払可能であるにも関わらず支払わない「履行遅滞」
  2. 支払うことができない「履行不能」
  3. 状況によっては完済可能となる「不完全履行」

の3種類があります。

支払日に一時的に資金がショートした場合は、3の状態に該当し、それが解消されると1の状態に移行します。

1になった場合は、すぐに支払うことが出来る状態であるため、直ちに支払わなければ「強制履行」として裁判所が不動産を差し押さえたり、「損害賠償請求」として取引先が遅延賠償金を請求したりといった、法的に紛争を解決する手段が持ち込まれることになるかもしれません。

支払う側に違法行為があったり損害賠償請求されても仕方がないという理由があったりする場合は、ただちに法的な手段で訴えられることも十分に考えられます。

こういったトラブルを防ぐために覚書や念書等をあらかじめ交わしておいて、事態が悪化しないようにしましょう!

請求書の記載内容に誤りがあった場合

自社が請求書の記載内容に誤りがあることに気づき、内容の変更が必要な場合は、取引先に早急に連絡するようにしましょう。

取引先から新たな請求書が送付されたらそれに準ずるようにしましょう。

「従来の請求書を無効にする・破棄する」という旨が伝えられることがほとんどですので、そちらの指示に従うようにしましょう。

請求書の再発行を依頼する際の日付の書き方

請求書の再発行をする側、依頼する側双方にとって「日付」の管理は意外と大事になってきます。

そこで、ここでは再発行の際の日付の記載についての注意点等を解説します!

請求書の再発行をした場合の日付

請求書を再発行する際には、注意すべきポイントがあります。

請求書の発行日を、前回の発行日とするのか、再発行日とするのか、迷う方が多いと思いますが、基本的には前回発行した請求書の発行日をそのまま使用します。

その際、必ず「再発行」の文字を目立つように記載し、二重請求でないことを示しましょう。

自社(再発行を依頼した側)は、これらの点をきちんと確認するようにしましょう!

支払期日を過ぎてから再発行をした場合の日付

一般的に支払期日を過ぎて請求書を再発行する場合も、支払期日は変更しません。

ただし、契約時に「延滞利息」に関わる内容が明記されている場合は、取引先が延滞利息に関わる文言を明記した上で支払期日を変更してくることもあります。

支払期日の延長期限は「2週間~1か月程度」が通例だとされています。

自社(再発行を依頼する側)は、請求書が再発行される前に理由をしっかりと伝えましょう。

仮に資金繰りの悪化等が理由である場合は、取引先も自社への対応を考えなければいけなくなるからです。

支払期限が延長されることが決定したら、期日の設定に注意します。

たとえば、「下請代金支払遅延等防止法」には、給付の受領日(役務の提供日)から60日以内のできるだけ短い期間内に、支払期日を定めることが記述されていますが、先ほども述べたように支払期日の延長期限は、「2週間~1か月程度」とされているので、その期間内に完済できるようにしておくのがよいでしょう。

請求書の再発行を依頼する際の注意点・リスク

請求書は、一種の契約書類です。

再発行する側には、もちろんリスクも伴います。

ここでは、そのリスクを理解し、トラブルを生まないためには何に注意し、どのように対処すればよいかを解説します。

税法上の保管義務を履行できない

請求書は法人税法や所得税法、消費税法といった法律で、法人の場合は7年間、個人事業主の場合は5年間の保管が義務付けられています。

(個人事業主で消費税を納税している場合は7年間)

ちなみに、保管年数は請求書の発行年月日から起算するのではなく、確定申告期限日の翌日から起算した年数となります。


請求書を紛失したまま放置しておくと、これら法律の保管義務を履行できないことになりますので注意しましょう。

仕入税額控除が適用できない恐れがある

仕入税額控除とは、売上にかかった消費税から仕入にかかった消費税を控除することをいいます。

この仕入税額控除を受ける要件のひとつとして、請求書の7年間保管があります。

つまり、請求書を紛失するということは、この仕入税額控除を受けることができないということになってしまうのです。

そのため、多く消費税を納税しなくてはいけなくなり、売上にも影響を及ぼしてしまうことになります。


請求書の紛失に気づいた場合は、速やかに再発行の依頼をした方が良いでしょう。

税務調査で指摘を受ける可能性がある

請求書は、代金を支払うためだけにあるのではありません。
仕入や売上等取引があった事実を証明する大切な証憑類の役割も果たしているのです。

そのため、税務調査で取引内容について説明を求められた際に、通常あるべき請求書が手元にないことにより、調査官に不信感を抱かせる恐れがあります。
もし、調査官の求めに応じた説明ができないと、追加課税のリスクが生じる可能性だってあるのです。


そうならないためにも、請求書の管理は徹底して行った方が良いと言えます。

延滞利息が発生する場合がある

先ほどもお話ししたように請求書の紛失に気づかずに支払期日が過ぎてしまうと、契約内容によっては延滞利息や手数料が発生することがありますので注意が必要です。

また、支払が滞ることによって取引先に不信感を与えてしまい、今後の取引に影響が及ぶ可能性もあります。


そうなる前に、請求書の紛失に気づくのがベストですが、もし督促状がきてから請求書の紛失に気づいた場合は、先方に事情を説明して早急に請求書を再発行してもらうのが良いでしょう。

請求書の再発行を依頼する際の文面

請求書の再発行を依頼する際、文章を書くにあたって注意してほしい点は

  1. 「きちんと理由を伝える」
  2. 「先方の記載ミスでも丁重に依頼する」

の二つです。

自社の過失によって再発行を依頼する場合は、理由を正直に伝えるのは、なかなか難しいですが、その理由によっては先方の対応も変わってくるので、しっかりと理由を伝えた上で謝罪をするのが礼儀です。

また、請求書を受け取った際に、記載内容にミスがあることに気づくかもしれません。

しかし、相手方を責めたり、ミスを指摘したりしないようにしましょう。

万が一自社のミスである可能性もありますし、良好な信頼関係を継続する上でも丁寧な対応は不可欠です。

では、以下に実際にどのような文面を取引先に送ればよいかを、パターン別に「自社のミス」と「先方のミス」という形でご紹介します。

請求書を紛失した(自社のミス)場合

請求書の紛失等自社に過失があり、メールで再発行を依頼する際の文例は次のとおりです。

件名:請求書の再発行のお願い

株式会社〇〇
経理部 〇〇様

株式会社〇〇の〇〇と申します。
平素より大変お世話になっております。

この度、貴社よりお送りいただいた請求書番号(No.*******)の請求書につきまして、再発行をお願いしたくご連絡させていただきました。

お送りいただいた請求書は、〇月〇日に確かに受理いたしました。
その後、私の不手際により、お送りいただいた請求書を(再発行理由)してしまいました。
(再発行理由)に関しては、私の〇〇が原因でございます。
今後は、再発防止のために改善策を徹底して参る所存です。

お忙しい中、多大なご迷惑をおかけし大変申し訳ありませんが、請求書を再発行いただきますようよろしくお願い申し上げます。

著名

自社のミスにより請求書の再発行を依頼する文章を書くときのポイントは、自身の非を認める旨と謝罪を明記し、可能であれば再発防止をする旨を記載することです。

メールを作成する際は、誠実な印象を与えられるように努めましょう。

請求書の記載内容に誤りがあった(先方のミス)場合

先方が記載した請求書の内容が誤っている可能性があり、メールで請求書の再発行を依頼する際の文例は次のとおりです。

件名:請求書の再発行のご依頼

株式会社〇〇
経理部 〇〇様

株式会社〇〇の〇〇と申します。
日頃は格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。

この度は、請求書番号(No.*******)の請求書をご送付いただきありがとうございました。
お送りいただいた請求書は、〇月〇日に確かに受理いたしましたので、ご報告申し上げます。

早速、請求書の内容を確認させていただいたところ、以下の通り誤算がございました。

ご請求金額の記載について
誤:〇〇,〇〇〇円
正:〇〇,〇〇〇円

おそらく、〇〇が原因となり、〇,〇〇〇円の誤算が生じたのではないかと拝察いたします。
お忙しい中、お手数をおかけしますが、貴社にて一度お調べいただきますようお願い申し上げます。
なお、当社でも、詳細について引き続き調査いたします。
万が一、ご請求金額に変更がある場合は、取り急ぎ訂正した請求書をご送付ください。

上記につきまして、何卒よろしくお願い申し上げます。

著名

先方のミスにより請求書の再発行を依頼する文章を書くときのポイントは、丁寧な文面で記載ミスの内容を分かりやすく記載することです。

また、先方に調査を依頼する旨を記載することも大切ですが、自社でも調査するという旨を明記することで、印象良く再発行を依頼できるでしょう。

まとめ

「請求書の再発行」について、主に「再発行を依頼する側」の立場で解説してきました。

請求書の再発行が必要になるケースで最も多いのは、やはり「請求書を紛失してしまう」ケースでしょう。

特に紙ベースで大量の請求書を取り扱っている場合は、一度受領したはずの請求書を紛失してしまうというミスは起こるべくして起きているとも考えられます。

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oneplus編集部

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