「請求書に印鑑は必要?」
「印鑑はどこに押せばいいの?」
「請求書を電子化してみたいけど、なんだか難しそう…」
こういった疑問やお悩みを抱えていませんか?
請求書には、押印してあるものを目にすることが多いかと思いますが、実は法的には定められていません。しかし、多くの書類の押印にはメリットがあるのです。昨今、リモートワークが推奨される中、この押印文化による「ハンコ出社」が問題視されました。
納品書や請求書等の書類を電子化することで、書類の印刷・プリントアウト・押印・スキャン・封筒に入れて送付といった一連の作業工程を大幅に削減できます。つまり、書類の電子化によりハンコ出社が不要となれば、社員の働き方も多様化します。
今回は、請求書のビジネスマナーと、電子化するメリットや効率よく電子化する方法について解説します。
請求書に印鑑は必要?
法律上、請求書に印鑑は必要ありません。
経済産業省のホームページのQ&Aによると、『書面への押印は必要な要件とされていない』とあります。押印なしでも、当事者同士が良ければ契約は成立するのです。
しかし、印鑑のない請求書を受付ない企業や役所は存在するため、取引先の社内規定を確認し、その規定に従う必要があります。
請求書に印鑑が必要な理由
請求書に印鑑がなくても法律違反にはなりませんが、押印によりビジネスをスムーズに行えるのはたしかです。印鑑が必要な理由は以下の通りです。
- 信頼性の向上
- トラブル回避
- ビジネス慣習
ひとつずつ、解説します。
信頼性の向上
押印ありの請求書は押印なしの請求書に比べ、信頼性が高いと言えます。押印により、第三者によるなりすましや偽造が行われたものではないと確認ができれば、契約をスムーズにすすめることができます。
押印には、会社が発行した正式な書類であると証明する効果があると言えますね。
トラブル回避
請求書の発行は、「言った」「言わない」といったトラブル回避に重宝します。また、請求書に押印することで、不正や改ざんのリスクが抑えられます。
請求書を偽造した場合は、以下の罰則が課せられます。
- 押印なしの請求書→「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」
- 押印ありの請求書→「3か月以上5年以下の懲役」
刑法一五九条によると、押印がある請求書を偽造すると罰則が重いことがわかります。押印は不正防止に繋がります。
ビジネス慣習
日本の企業では長年、押印のある書類が正式であると認識されてきました。現在でも社内規定で押印を必要とする企業や役所が存在します。 そのため、基本的には請求書への押印は必須と解釈しておいたほうがよいでしょう。
請求書にはどんな印鑑を押すべき?
請求書にはどんな印鑑を押すべきなのでしょうか。法人と個人では異なるため、それぞれ解説します。
- 法人の場合
- 個人の場合
法人の場合は角印が一般的
法人の場合は角印が一般的です。印鑑の種類については、次の見出しで詳しく解説します。
※角印とは、印影が四角い印鑑のこと
個人の場合は認印で問題なし
個人事業主やフリーランスの場合は、普段から用いている認印で問題はありません。信頼性を高めるために事業用の印鑑を作ってみるのもよいでしょう。
印鑑の種類
印鑑の種類については、以下の通りです。
実印、銀行印、角印は、法人設立や開業時に使用されることが多く、会社の印鑑の3点セットもしくは、認印を含めた4点セットにて販売されています。
- 実印
- 銀行印
- 角印
- 認印
ひとつずつ、解説していきます。
実印
会社の登記時に利用する印鑑で、会社が正式に作成した重要書類(契約書・手続き申請書類)に押されることが多く、代表者印ともよばれています。法人は、本店所在地の法務局に届け出し、印鑑登録を行います。原則として、1社につき1本となります。
最も重要な印鑑であるため、複雑かつ細かい印影にこだわる企業も多いです。
- 【実印・代表者印を使う場面】
・代表者変更時
・法人所有の不動産売却時
・連帯保証契約の締結時
・企業買収等、重要な契約の締結時
銀行印
銀行印(ぎんこういん)とは、その名の通り、銀行口座を開設する際に使用する印鑑のことです。摩耗による消耗や紛失のリスクの軽減のために実印と分けるのが一般的です。
また、大きさは認印(みとめいん)よりも大きく、実印より小さめに作ることが一般的です。これは、重要な印鑑ほど大きく作るという長年の習慣によります。
- 【銀行印を使う場面】
・預金支払時
・手形の振出時
・小切手発行時
・そのほか会社が直接金銭を動かす時
角印
角印(かくいん)とは、印影の形が四角い印鑑のことです。角印には、法人名のみが彫られていることが一般的で、届け出は必要ありませんが、請求書や見積書等によく使われる印鑑です。
- 【角印を使う場面】
・見積書、請求書、注文書、領収書等の一般的な文書
認印
前述した角印も認印として使用されますが、見積書や請求書等、より重要度の高い書類にて利用されます。そのため、郵便物の受け取りや書類の確認等で使用する印鑑として、別途認印を持つことでセキュリティが向上します。
- 【認印を使う場面】
・荷物や郵便物の受け取り
・書類の確認
請求書の押印で注意するポイント
請求書の押印で注意するポイントは以下の通りです。
- 社名の右側に重ねる
- 印影をキレイに残す
- 訂正印は使用しない
ひとつずつ、解説します。
社名の右側に重ねる
印影のコピーや請求書の偽造防止のため、社名や住所の印字の右側に被さるように押印します。捺印欄がある場合はその位置の中央に押すのが一般的です。
印影をキレイに残す
印影が欠けていたり、かすれていたりすると、取引先に良い印象を与えられませんよね。押印時は、捺印マットを使用しましょう。焦らず、印鑑の上下を確認し、角全体が紙に当たるようにセットします。
この時、印鑑がズレないようにしっかり持ち、上下・左右・「の」の字を描くように力を加えると、印影をキレイに残すことができます。
訂正印は使用しない
請求書に訂正や修正が必要な場合は、請求書を一度破棄し、再発行しましょう。一般的な書類では、二重線に訂正印で修正を行うことがありますが、請求書は会社の顔と捉え、ミスのないものを作成しましょう。
請求書の電子化とは
「請求書の電子化」とは、WEB上で請求書を作成し、PDF等のデータで発行することです。電子化した請求書は、取引先にメール添付して送付できます。請求書の電子化について、掘り下げると以下の通りです。
- PDF形式の請求書は法的に有効
- 電子化した請求書に印鑑は必要?
- 知っておくべき2つの法律
ひとつずつ、解説します。
PDF形式の請求書は法的に有効
PDF形式の請求書は法的に有効です。PDF形式にすることで、簡単には内容を修正できなくなり、偽造防止となります。WordやExcelといった修正可能なフォーマットでの発行には注意が必要です。
電子化した請求書に印鑑は必要?
法律上、紙媒体の請求書に印鑑は不要とされています。電子化した請求書にも、法的には印鑑は不要ですが、印鑑があることで信頼性が確保でき、請求書の偽造防止に繋がります。
電子化した請求書をプリントアウトし、印鑑を押し、スキャンで取り込みメール添付するとなると、手間が多くなってしまいます。そこで、活躍してくれるのが電子印鑑です。
※電子印鑑とは
その名の通り、PDF等の電子文書にパソコン上で押印できる印鑑データのことです。電子印鑑の作成においては、無料のものから有料のものまでサービス展開しているため、会社に合った方法での導入を検討してみてください。
知っておくべき2つの法律
請求書を電子化するにあたって、知っておくべき法律は以下の2つです。
- 電子帳簿保存法(1988年)
- e―文書法(2005年)
電子帳簿保存法とは、1988年に施行された財務省と国税庁が管轄する法律です。時代の変化とともに改正され、2022年1月にも大きな改正がありました。e-文書法とは、2005年に施行された法律です。
電子帳簿保存法と、e-文書法では対象とする文書が異なります。請求書に関する部分を抜粋すると表の通りで、請求書の電子化は要件を満たせば可能とされています。
電子帳簿保存法 (1998年7月施行) ※国税庁が管轄する法律 | 帳簿や決算書、請求書等の国税関係帳簿・書類を、一定の要件を満たせば電子化して保存することを認める |
e-文書法 (2005年4月施行)※以下の2つの法律をさす ①民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律 ②民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に神田もらえたらいいよね関する法律 | 企業活動で使用する一般的な文書は、ほぼ電子化可能。(契約書、見積書、注文書、納品書、請求書は電子化可) |
厚労省ホームページ
電子化した書類の保存についてはいくつか要件があるため、上記のホームページにて詳細を確認してください。法人の帳簿や書類は、7~10年の保存が義務付けられていますが、要件を満たせば紙媒体でなくデータでの保存が認められています。
紙媒体の書類の保存には、場所の確保であったり、欲しいデータの取り出しに手間がかかったりと管理に労力がかかりますが、データであれば保管場所が不要かつ検索にも時間がかかりません。
また、ペーパーレス化により事務用品のコストカットも図れます。これを機に、請求書の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。
請求書を電子化するメリット
請求書を電子化するメリットは以下の通りです。
- 発行にかかるコストと作業工数の削減
- セキュリティ向上
- 請求書の管理が容易
- 請求書発行当日に送付可
ひとつずつ、解説します。
発行にかかるコストと手作業工程の削減
電子請求書を発行する方法として、メール添付とサーバーへのアップロードの2点が挙げられます。紙媒体でのやり取りがなくなれば、コピー用紙・インク・封筒・切手が不要になります。
請求書の枚数に応じてかさむ費用であり、不要となれば大幅なコスト削減を図ることができるでしょう。
また、紙媒体の請求書を取引先へ送付する際、印刷や押印だけでなく、封筒の宛名書きや挨拶文の準備、切手の貼り付けからポスト投函まで手作業工程が多くあります。
請求書の電子化により、メール添付やサーバーへのアップロードにて業務が完了するため、手作業工程を削減できます。
セキュリティ対策の向上
電子化した請求書を、クラウドシステムを利用してサーバーにアップロードすることで、メールに添付して送るよりもセキュリティが強化されます。
メール添付の場合は、ヒューマンエラーにより、請求書を違う取引先へ誤送信してしまう可能性があります。しかし、サーバーへのアップロードであれば、万が一誤送信してしまっても削除できるため情報漏洩の心配がありません。
請求書の管理が容易
紙媒体で管理していると、ファイリングしていたとしても、いざ請求書を確認したいとき、見つけるまでに手間と時間がかかってしまいます。
電子化した請求書は、データとして保存することができるため、フォルダ分け等で整理しておけば、必要な請求書をすぐに取り出せます。取引先からの依頼にも、素早く対応できますね。
請求書発行当日でも送付可
請求書を電子化することで、発行当日に取引先に送付が可能となります。紙媒体の請求書では、郵送によるタイムラグが発生するため、スピード感に欠けてしまいます。
取引先へタイムリーに請求書を届けられることから、請求書の電子化はビジネスをスムーズに行う一助となると言えます。
請求書を電子化するデメリット
請求書を電子化するデメリットは以下の通りです。
- 導入コストがかかる
- 紙媒体での発行を求められる可能性がある
ひとつずつ、解説します。
導入コストがかかる
請求書の電子化を行うには、請求書発行システムの導入をする必要があり、導入コストと運用コストがかかります。請求書の電子化にはメリットが多々ありますが、社員が同じようにシステムを使用できるよう環境整備が必須です。
新たなシステムの整備には時間も労力も必要です。しかし、請求書の電子化がすすめば、ペーパーレス化にて請求書送付時の手作業工程が減り、結果的に人件費を削減できる可能性があります。
紙媒体での発行を求められることがある
請求書の電子化は、発行する側にも受け取る側にも、それぞれメリットがあります。しかし、取引先が電子化に対応していない場合は、従来通り紙媒体での請求書の発行が求められることになります。
電子化した請求書と、紙媒体の請求書が混在すると、管理する上で手間に感じるかもしれません。しかし、取引先に電子取引のメリットを説明しつつ、少しずつ電子化をすすめていくことで、請求業務の負担軽減を確実に図れます。
請求書を効率よく電子化する方法
請求書の電子化を検討する上で、具体的に何をどうすればいいのかわかりませんよね。請求書の電子化には、システムの導入が必要になります。納品書・請求書クラウドサービス oneplatを利用すれば、効率よく請求書を電子化することができます。
納品書・請求書クラウドサービスoneplatとは?
サービス内容としては、oneplatが企業と企業の間に入り、納品書や請求書といった書類データをクラウド上で一元管理してくれるというものです。
oneplatでは、購入者が承認した納品書を請求書へ自動変換してくれるため、納品書と請求書の突合の時間をカットできる上に、請求内容のミスを防ぐことができます。クラウド管理のため、書類の保管場所も必要ありません。
oneplatは、初期導入費用0円・月額料金11,000円(税込)で利用できます。お支払いは、月末締め翌月末日で、お申し込みの翌営業日からご利用可能です。
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請求書を電子化するならoneplat!
今回の記事では、請求書の押印に関する常識と、請求書の電子化について解説しました。今後は法律改正により、ますますペーパーレス化が進むことが予測されます。
請求書の電子化は、取引先との円滑なやり取りの一助となるだけでなく、事務用品のコスト削減や経理作業負担の軽減等、長い目で見てメリットは大きいと言えます。業務の効率化は、従業員を守ることにも繋がります。
まずは、oneplatの資料請求からはじめてみてはいかがでしょうか。