企業における社員教育の必要性・種類・プランの立て方・方法を解説

業務を行う上で必要な知識やスキルを教える社員教育は、企業が成長する上で欠かせないものです。

また、コンプライアンスやマナーについても教えることで、企業のブランドを保ち、情報の流出やコンプライアンス違反といったリスクを防ぐことができるでしょう。

社員教育は、新入社員に対してだけでなく全社員に対して日々行っていくことが重要です。
今回は内容やポイントについて詳しくご説明します。

企業の成長に欠かせない「社員教育」とは?

「社員教育」とは業務遂行に必要な知識やスキルの提供を行うこと

社員教育とは、会社が社員に対して業務を行う上で必要な知識やスキルの教育です。
社員が集まっての研修だけでなく、業務をしながら学ぶOJTやe-ラーニングも含まれ、様々な場面で行われます。

会社の理念やビジョンといった会社に関する知識やマインドセットを教えるものに加え、営業やITといった専門的なスキルを教えることも多いです。

社員に教育を行うことで、企業の人材の質をあげて、営業や管理の質を高められるでしょう。

社員教育はなぜ必要なのか?

会社には背景の異なる人材が集まるため、教育により一定の水準まで能力や生産性を引き上げることが重要です。特に今後、日本では労働人口の縮小が予想されるため、生産性の向上が求められています。

企業理念やビジョンを共有・浸透させるため

企業の理念やビジョンを共有することで、社員の行動に統一感が生まれ、同じ方向を見て働けるようになります。また、社員ひとりひとりの行動が取引先・客先の評価にも影響を与えるため、ブランド力の向上にも繋がるでしょう。

企業理念やビジョンは新入社員や中途入社社員の研修で共有されることが多いですが、社内に浸透させるためにはその後も継続的に共有していく必要があります。朝礼・定例会議・管理職研修等、折に触れて共有すると良いでしょう。

個々のスキルアップを図り生産性を向上させるため

社員の能力や生産性は、企業の売上の金額やサービスの質に直結するため、個々のスキルアップを図り生産性を向上させていく必要があります。
例えば、営業の場合は営業方法や商品知識についての教育、人事部門の場合は労務管理や人材マネジメントに関する教育が考えられるでしょう。

一般的なスキルに加え、自社でのルールやシステムの使い方についても教えると良いでしょう。

情報管理やコンプライアンスを徹底してリスクを減らすため

社内教育は様々なリスク削減にも役立ちます。

セキュリティ対策の取り方やデータの取り扱いについて社内で統一のルールを作り、社員に教育することで、情報流失のリスクに備えられるでしょう。
また、コンプライアンスやビジネスマナーについても教育することで、重要な違反や信頼をなくすような行為を防げるでしょう。

情報流出やコンプライアンス違反は、場合によっては企業の存続にも関わるような重大な問題となりかねないため、注意が必要です。

社員教育をしない会社にはどのような弊害が生じるのか?

企業の業績が下がってしまう

まず企業の業績が下がってしまう可能性が大きいです。

社内教育では、職種ごとの専門知識に加え、その社内独自のルールやシステムの使い方についても教える場となっています。そのため、社員がこれらを理解できていないと、業績が下がってしまう可能性が大きいです。

また、マナーがなっていないことで、客先や取引先に不信感を与えてしまい、業績の低下に繋がるリスクも大きいでしょう。

業績を保つ上では、一定の予算をかけて社内教育を行うことが重要です。

社員のモチベーションが低下していく

新入社員は、入社時にはモチベーションが高いですが、一定の期間が経つに連れて慣れや疲れからモチベーションが落ちてしまうこともあります。
また、日々の目の前の業務をこなすことに夢中になり、自己投資する意欲をなくしてしまうこともあります。

定期的に社内教育の機会を作り、改めて会社の理念やビジョンに触れたり、知識を新しく学ぶ機会を作ることで、社員のモチベーションを高く保てるでしょう。

社員教育は社員の状況に見合った種類がある

新入社員研修|基本スキルを身につける

新入社員に対しては、企業の業務にスムーズに取り組みはじめられるよう、基礎的な内容から着実に教えていくことが大切です。

例えば次のような内容が考えられるでしょう。

  • 企業の理念・ミッション・行動指針
    …新しく入ってきた社員に対しては、企業の理念やミッションを伝えることで職場に馴染みやすくなるでしょう。
  • ビジネスマナー
    …電話応対・名刺交換といった基礎的な動作を教育し、企業のブランドイメージを保てるよう働きかけます。ロールプレイングも有効でしょう。
  • 個人目標の設定
    …個人目標の立て方やPDCAの回し方を教えます。

中堅社員研修|新人の育成やリーダーシップを学ぶ

中堅社員とは、一般的には3年目以上から管理職になるまでの社員を示します。

例えば次のような内容が考えられます。

  • キャリアデザインやライフデザイン
    …仕事に慣れるにつれ、今後の自身のキャリアをどのように発展させていくか悩む社員もでてきます。また、家庭やプライベートとの両立に悩む社員も多く、ロールモデルを見せたり振り返りの機会を作ることが重要になるでしょう。
  • 課題解決
    …管理職の一歩手前となり、難易度の高い課題にチームで取り組む機会も増えます。
    課題の整理の仕方や解決の仕方、周りからの協力の取り付け方を広く学習していくことが重要です。

管理職研修|マネジメント等役職に見合ったスキルの習得

課長や部長といった管理職についても、役職に見合ったスキルの習得が求められます。

  • マネジメント
    …マネジメント職では、業務・部下・予算といったリソースを日々管理することが求められます。管理の方法を学ぶことで、より効率的で生産性の高いチーム運営ができるようになるでしょう。
  • リーダーシップ
    …日々リーダーシップをとってチームを動かしていく必要があるため、メンバーや他チームを率いる方法を学ぶことも大切です。自分以外の管理職がどのようにリーダーシップをとっているか互いに学び合うのも有用でしょう。

研修サービスや組織開発コンサルティングについてはこちら|顧客との共創・協働を大切にして研修を提供するアーティエンス

社員教育プランを立てるプロセスを見てみよう

ステップ1.組織全体から教育が必要な課題を抽出する

まずは組織全体から教育が必要な課題を抽出します。
全体としては、理念がきちんと浸透しているかやチーム運営のレベル等を見ると良いでしょう。

また、全体だけでなく部署ごとの課題を見るのも大切です。
例えば営業部については、今後売上をあげる上で、新規営業の方法・既存の営業先とのやりとり・単価アップ等、どの部分を見直すと良いか考えます。
また、管理部については、業務に時間がかかっている部分を見直し、システム・スキル等どこが課題になっているか見直すようにしましょう。

ステップ2.課題からテーマを選びスケジュールを定める

ステップ1で課題を選んだ後には、どの課題から優先的に取り掛かるかを決め、テーマを決定します。
全部一気に取り掛かってしまうと消化不良となったり研修担当者が忙しくなり過ぎてしまったりするため、優先順位を見極めることが重要です。

優先順位をつけると同時に、いつまでに解決していきたい課題かスケジュールも決めると良いでしょう。
課題の大きさによっては、1回の研修ではカバーしきれず、数回にわたって段階を踏みながら研修していくと良いケースもあります。

ステップ3.研修方法を選択する

研修方法には、現場で学ぶOJTと机上で学ぶOff-JTの大きく2つがあります。
どちらの方が身につけやすいかは、内容によって異なるため上手く組み合わせることが重要です。

また、内容によって研修の頻度も異なります。
理念やビジョンといった浸透に時間がかかるものについては定期的な研修に入れると良いでしょう。一方、新卒社員や管理職になる社員等、変化の中にある社員に対しては、ある程度集中的に研修を行うべきです。

ステップ4.定期的にフォローアップする

一度学んだだけだと忘れやすいため、定期的にフォローアップして復習の機会を設けることで記憶を定着させることができます。フォローアップは一度だけでなく複数回行うことで、内容を覚えやすくなるでしょう。

フォローアップの方法としては、学んだことを一度業務で実践した上で、再度集まったりフィードバックシートを提出して振り返る方法があります。学んだことを業務で実践することで、次の課題も見えやすくなるでしょう。

社員教育は大きく2つの方法がある

1.OJT:現場で実践的に学ぶ

OJTはOn The Job Trainingと呼ばれ、業務を行いながら実践的に学ぶ方法です。
現場の上司や前任者が教育者となり、簡単な業務から徐々に難しい業務へと移行します。

学びの機会が多く、職場に貢献しつつ実践的に学べるというメリットがあります。
また、職場では多くの人と関わる機会があるため、仕事の進め方を広く学べるでしょう。

一方で、部署によっては教育する時間がなかったり無計画に行われてしまう可能性もあります。OJTの仕方や進め方を現場に教えていくことが重要です。

2.Off-JT:机上で理論的に学ぶ

Off–JTでは、業務から離れた場で論理的に学びます。
普段の業務では忙しくて整理できなかった課題についても、時間を取って別の場所で論理的に学ぶことで解決しやすくなるでしょう。また、現在直接業務に関係ない内容も学べます。

①e-ラーニング

e−ラーニングは、インターネットを使って、パソコンやスマートフォンで勉強する方法です。営業・管理といった専門知識について導入されることが多く、外部の機関の研修を使うこともあります。

インターネットにさえ繋がればどこからでも勉強できるため、利便性が高いのが特徴です。また、教材の転用も容易で教育コストも削減しやすく、受講者が興味に応じて様々な研修内容を見ることができます。

一方で、受講者側にITのリテラシーが必要なことや、受講者側が自ら時間をとって研修に取り組む必要があることに注意が必要です。

②グループ研修

グループ研修は、社員をひとつの場所に集めて研修を行う方法です。
社内で行うこともあれば、外部の会議室や合宿所で行って気分転換も兼ねるケースもあります。また、一堂に集まることで交流も促進しやすく、企業への帰属意識を高めるのにも役立つでしょう。

その場に集まることで、質疑応答もすぐにできるというメリットもあります。
一方で、物理的に集まるのにお金がかかることに注意が必要です。また、研修参加者は一時的に業務から離れることになるため、現場の理解も得られるようにしましょう。

③自習

自習とは、教材を配布・推薦し、受講者側での独学を促す方法です。
自社の方針やルールをまとめた教材を配るケースがあります。また、資格取得を促したり、参考図書を推薦することも含まれます。

基本的には受講者が自ら時間をとって行うものになるため、モチベーション高く取り組めるよう後押しをすると良いでしょう。
必ず学んで欲しい内容については、フィードバックシートを集めたり、資格取得に期限を設けるといった工夫が必要です。

まとめ

企業が経営をしていく上で、社員のスキルを高めることは重要な課題です。
社員教育をすることで、理念やビジョンを浸透させるとともに、営業や管理のスキルを高めることができるでしょう。

教育の方法には、業務の中で学ぶ以外にも集合研修やe−ラーニングといった様々な方法があります。内容によっても最適な方法が異なるため、都度合う方法を考えると良いでしょう。

この記事を読んだ方で「受け取る」納品書や請求書を「電子化」することに興味がある方はいませんか?

oneplatは、納品書や請求書をデータで受け取れるサービスです。

会社組織の財務・経理部門や、支店・店舗・工場などの、 管理業務における下記の課題解決にoneplatは大きく貢献できます。

  • 会計/販売管理システムとの連携で仕訳入力が不要に
  • 取りまとめたデータを自動で取り込み
  • 総合振込データの作成や仕訳の消込も自動入力

導入後は複雑なデータ入力業務に時間を奪われることなく、本来の業務へ時間とコストを割くことが可能です。

このウェブサイトでは、他にもコスト削減・業務効率化に役立つ資料を無料で配布しておりますので、 是非、この機会に一度資料ダウンロードしてみてください。

oneplus編集部

この記事の執筆者

最短5分

財務・経理部門における
DXのお問い合わせやご相談についてはこちら

お役立ち資料はこちら