請求書をPDFで送付するのは法的に問題ない?PDFの作成方法や注意点を解説

紙の請求書を送付するとき、押印や封入の作業、そして取引先への発送等に労力やコストがかかります。

そこでPDFの請求書で送付すると、作成や発送等にかかる経費や労力も削減可能です。

しかしPDFの請求書を送付するには、一定の条件を満たさなければなりません。

ここでは、請求書をPDFで送付するときの注意点ややり方を解説します。

目次

PDFで発行された請求書は法律上有効

PDFで請求書を発行すれば、印刷や封入、郵送といった手間を省けるため、業務の効率化やコスト削減につながります。ただし、PDFで発行した請求書を法律上有効なものとして扱うためには、「電子帳簿保存法」で定められた条件を満たさなければなりません。

具体的には、「真実性の確保」と「可視性の確保」という2つのポイントが求められます。

真実性の確保とは、データが信頼できるものであることを示す仕組みを整えることです。例えば、タイムスタンプを付与すれば、データの作成日時や改変の有無を証明できます。

一方、可視性の確保とは、保存された請求書をすぐに確認できる状態にしておくことを意味します。例えば「日付」「取引金額」「取引先名」で検索できるようにし、必要なときに閲覧・出力できることが求められます。

さらに、PDFの請求書をスキャンして保存する場合には、画質にも注意が必要です。電子帳簿保存法では「解像度200dpi以上」「赤・緑・青それぞれ256階調以上」といった基準が定められています。

スキャナーの設定は事前に確認し、適切な画質で保存するようにしましょう。

【関連記事】電子化した請求書と納品書の保存期間は?電子帳簿保存法の概要

請求書をPDFにするメリット4つ・紙の請求書との違いは?  

ここでは請求書を紙ではなく、PDFで発行した際のメリットについてご紹介します。主なメリットは以下です。

  • PDFのほうが請求書送付にかかる時間が短い
  • 発行にかかるコストを削減できる
  • 受取側は請求書を紛失するリスクが軽減される
  • 受取側は保管スペースを確保する必要がない

順番に詳しく説明します。

1.PDFのほうが請求書送付にかかる時間が短い 

請求書を紙で発行し取引先に作成するときは、印刷の準備、また取引先の要望に応じて押印が必要です。

また発送するときは、郵送の事務処理が必要で、それらの作業に時間を要します。

請求書をPDFにすると発行に時間がかかりません。また、電子メールやクラウドサービス等で送付できるため、取引先に届くまでの時間が短いことがメリットです。

2.発行にかかるコストを削減できる 

紙の請求書を発行するには、コピー用紙やプリンター、押印のための印鑑や朱肉、封筒や切手、会社によっては後納郵便での発送準備や支払処理等が必要です。

これらには消耗品や通信運搬費等の経費がかかります。

また、請求書発行を人手に頼るため人件費も必要です。

請求書をPDFにすると発行にかかるコストを削減できることがメリットです。

3.【受取側】請求書を紛失するリスクが軽減される 

紙の請求書を受け取ると、実務では保管の不備により紛失しがちです。

特に仕入先が多いと請求書の数も多くなり、紛失にすら気づかないことがあります。

PDFの請求書はデータとしてパソコンでやり取りをし、パソコンやクラウドに保存が必要です。

このように請求書をデータにより保存でき、紛失のリスクを軽減できることがメリットと言えます。

4.【受取側】保管スペースを確保する必要がない

請求書は法律により保存期間が定められています。

法人税法では請求書を7年間保存しなければなりません。紙の請求書を受け取ると保管スペースが必要です。

実務では年度別に段ボールに箱詰めし、書庫や倉庫に所定の年数保管します。

PDFの請求書はデータのため、書庫等の保管スペースを確保する必要のないことがメリットです。

請求書PDFに記載すべき項目は?

基本的には紙の請求書と変わらない

請求書をPDFで発行するとき、電子帳簿保存法に記載すべき項目は紙の請求書と基本的に変わりません。

取引先との物品やサービスと金銭等が明確であればよく、その内容には日付や商品名、数量や納品日等が記載されている必要があります。

さらに、請求書単位で取引先とのやりとりが特定できるように、請求書番号を付しておくとよいでしょう。

【関連記事】請求書の書き方を項目別に紹介!受領後の流れやトラブル対処法も解説

2023年10月開始のインボイス制度にも注目

請求書をPDFで発行するにあたり、2023年10月よりスタートした適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応にも注意が必要です。

消費税額は、物品の販売やサービスの提供等課税売上に関わる消費税から、物品の購入や事務所の家賃等課税仕入等に関わる消費税を減算し決定します。

この仕入等に関わる消費税額を差し引くことを仕入税額控除といい、インボイス制度では適格請求書の保存が必要です。

適格請求書については、請求書の発行先と受取側にも関係し、従来の請求書に加え、原則として登録番号、適用税率、消費税額を記載します。

インボイス制度は複雑な内容ですので、しっかり理解する必要があります。詳しくは以下の記事もご確認ください。
【関連記事】インボイス制度開始のメリット・デメリット|電子インボイスも解説

請求書をPDFで作成する4つの方法

請求書をPDFで発行する方法は主に4つあります。それぞれの特徴と手順をわかりやすくご紹介します。

手書きの請求書をPDFにする方法

紙で請求書を作成している場合は、スキャナーや複合機を使ってPDF化します。

請求書をコピー機にセットし、操作パネルから「スキャン」を選択します。保存形式を「PDF」に設定すると、データ化された請求書をパソコンに保存することも、そのままメールで送信することも可能です。

特別なシステムは不要で手軽に取り組めますが、毎回スキャン作業が必要になるため、業務量が多い場合は効率面でやや不向きかもしれません。

ExcelやWordで作成した請求書をPDFにする方法

ExcelやWordを使っている場合は、とてもシンプルです。

請求書を作成したら、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選び、保存形式として「PDF」を指定するだけです。

ただし、請求書を一件ずつ処理する必要があるため、大量発行には向いていないという課題もあります。

会計システムを使ってPDFを発行する方法

会計システムには請求書の作成機能があり、必要事項を入力するだけで自動的にフォーマットに反映されます。そのままPDF形式で保存でき、メール送信もワンクリックで完了します。データはシステム内で一括管理されるため、過去の請求書の検索や集計、会計処理との連携もスムーズです。

クラウド請求書サービスを利用する方法

取引件数が多い場合や請求書の発行頻度が高い企業には、クラウド型の請求書発行サービスがおすすめです。Web上で請求書や納品書を作成し、PDF化・メール送信まで一括で対応可能です。

さらに、請求書の開封状況を確認できる機能や、自動リマインド、入金管理といった便利な機能も充実しています。経理業務全体の効率化を目指すなら、クラウド請求書サービスを検討するのが良いでしょう。

例えば、納品書・請求書の一括発行クラウドサービス「oneplat(ワンプラット)」であれば低コストで利用でき、手厚いサポート体制により迅速な業務効率化を実現することが可能です。

納品書・請求書の一括発行クラウドサービス「oneplat」

請求書をPDFで送る時は電子印鑑を活用しよう

紙の請求書を発行する際は押印をするのが一般的です。

ここでは、そもそも請求書に押印が必要なのか、その目的について等ご説明します。

また、請求書をPDFで発送するときは電子印鑑も活用できるので合わせてご参考にしてみてください。

そもそも請求書に押印の義務はない

請求書を発行するとき、押印について法律の規定はありません。

しかし取引先が会社印や社長印、そして担当者の押印等を求めることがあります。

特に官公庁や公益法人への請求書では押印を求められることがあり、その場合は押印した請求書を発送しないと送金してもらえません。

このように請求書に押印の義務はありませんが、取引の商慣習によっては相手に合わせて押印する必要があります。

【関連記事】請求書の押印は不要?義務や根拠は?適した印鑑や押す位置も解説

それでも押印するのは信頼性を高めるため

そもそも請求書に押印する法的な義務はありませんが、請求書に押印する目的は、請求書が本来の請求元から発行された証憑であることを証明するためです。

わが国の商慣習では請求元が正しいかの判断基準のひとつとして、請求書に押印があるかが求められてきました。

請求書に押印することで取引先からの信頼性を高めることができ、継続した取引に繋ぐことが可能です。

電子印鑑を使えばPDFの請求書でも押印できる

PDFの請求書に押印するにはどのような方法があるのでしょうか。

紙の請求書に押印しスキャニングしたデータを保存することも可能ですが、その処理には手間が必要です。

そこで「電子印鑑」を利用し押印する方法をご紹介します。

「電子印鑑」とは表計算ソフト等で作成した請求書にデータの印鑑を押印できるものです。

パソコンにより押印ができるのでスキャニングの手間を省け容易に処理ができます。

【関連記事】請求書への押印は電子印鑑で対応可能?有効性や作り方を解説

PDF化した請求書を電子メールで送る際の注意点

ここからはメールで請求書を送る際の注意点をご紹介します。

PDF化することのメリットだけではなく、注意点もしっかりおさえてトラブルを回避しましょう。

送付先の会社がPDF化された請求書を認めているか確認する 

PDF化した請求書を送付する際の注意点は、取引先が電子化した請求書での支払を認めているか確認することが大切です。

そもそも取引先がPDF化した請求書でのやりとりを認めていなければ、支払処理の手続きを行えません。

もし、データによる請求書の支払処理を認めていない取引先へPDF化した請求書を送ると、紙の請求書を再発行する手続きが発生し、取引先への請求書到着が遅延してしまいます。

ファイル名は分かりやすいもので送付する

PDFで発行された請求書を電子メールで送る際、分かりやすいファイル名にすることに注意が必要です。

取引先の請求書の窓口には多くの電子メールが届くため、担当者はその内容確認に時間を費やしています。

もしファイル名が分かりにくいと、担当者が請求書を見逃してしまうかもしれません。

さらに取引先でファイル名を訂正することになれば、その作業コストも相手にかかってしまいます。

タイムスタンプ付きのものがベスト

PDF化した請求書を受け取った取引先は、それが間違いなく原本であり修正等なく正しい内容であるかを確認しなければなりません。

その証明の方法として、請求書に「タイムスタンプ」を利用する方法があります。

「タイムスタンプ」は請求書が原本であることを証明する技術で、取引先は「タイムスタンプ」により発行された請求書を正式な証憑として受け取ることが可能です。

PDFファイルには必ずパスワードをかける

PDF化した請求書を電子メールで送付する際、情報漏洩のセキュリティリスクが発生します。

請求書には会社の機密事項が記載されているため、その情報が他社に読み取られると、業務上大きな損失を与えかねません。

そのため電子メールで請求書のPDFファイルを送付するときは、必ずパスワードをかけることが必要です。

電子メールではパスワードをかけたPDFを1度送付し、その後に別電子メールでパスワードを送付しましょう。

請求書を送付していることを電子メールの件名に明記する

PDF化した請求書を電子メールで送付する際、請求書を送付していることを電子メールの件名に必ず明記します。

件名があいまいなまま取引先の窓口へ電子メールを送信すると、その電子メールが請求書を添付したものと気づかず、取引先で別の部署に転送され混乱を招く可能性があるからです。

件名に請求書であることがきちんと記載してあれば、取引先でも請求処理を円滑に進めることができます。

送付先のアドレスはいつも以上に確認する

PDF化した請求書を電子メールで送付する際、送付先のアドレスに間違いがないか、いつも以上に確認しなければなりません。

請求書には会社の機密事項が記載してあり、他社に届くと情報を漏洩してしまうからです。

特にパソコンで自動入力補助の機能を利用していると、入力した文字の候補から誤った取引先を選ぶ可能性があります。

そのため送付先のアドレスは入力したときと、送付する前に再度確認することが大切です。

請求書PDFを電子メールで送る際の例文を紹介

ここでは月締の請求書のPDFを電子メールで送付する際の例文を紹介しますので参考にしてみてください。

  • パスワードをかけた請求書を送付するとき

    件名:「◯月分請求書のご送付について」

    ◯◯株式会社
    ◯◯様

    いつもお世話になっております。
    〇〇社の〇〇です。
    〇〇月分の請求書をご送付させて頂きます。

    なお添付ファイルにはパスワードをかけております。
    パスワードにつきましては改めてご連絡いたします。

    (以下連絡先を記載)

  • 請求書のパスワードを連絡するとき

    件名:「◯月分請求書のご送付について」

    ◯◯株式会社
    ◯◯様

    いつもお世話になっております。
    〇〇社の〇〇です。

    〇〇月分の請求書のパスワードをご連絡いたします。
    ××××××××
    お手数をおかけしますが請求書の内容をご確認ください。
    何かご不明な点等ございましたら、ご連絡頂けますと幸いです。
    よろしくお願いいたします。

    (以下連絡先を記載)

発行する請求書の電子化にはoneplatがおすすめ

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また会計システムや販売管理システムと連携させることで仕訳は自動入力されます。請求書のデータは承認済みのデータと確実に一致するため請求内容は常に正しくなり、今まで起こっていたような打ち込みミスは起こりません。

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まとめ

請求書をPDFで送付するのは法的に問題ないことをここではお伝えしました。

ただし電子メールで請求書を送付するときは取引先の承認をえなければならず、もし押印を求められれば電子印鑑を利用します。

ここでは電子メールを送付する際の注意点や文例等をお伝えしましたので参考にしてください。

なお電子メールでのやりとりでは情報漏洩の対策をする必要があり、パスワードをかけてやりとりするとそのリスク軽減に繋がります。請求書の電子化には、ご紹介しましたoneplatがおすすめですので、請求業務の効率化を図りたいとお考えのご担当者様は、是非一度導入を検討してみてください。

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oneplus編集部

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