DXの次にくるのはVX?目的や必要なデジタル技術についても解説

DX

2021年にデジタル庁も発足し、日本も企業のDXが加速しています。そんな中でDXの次に注目されているのがVXなどの新しいトランスフォーメーションの枠組みです。この記事では新たな概念であるVXやSXなどについて意味を確認し、VXを支えるデジタル技術についても解説いたします。

DXの次にくるトランスフォーメーションとは?

企業、行政のDXが進む中で、ポストDXともいうべき、新しい概念も次々と登場しています。DX がよりよい生活を実現するための一つの方策と考えるならば、社会課題を解決するためにあらゆる分野でトランスフォーメーション(変容)が求められているのも必然と言えます。ここでは、注目すべき新たなトランスフォーメーションの概念について紹介します。

VX(バーチャル・トランスフォーメーション)
VXとは、Virtual Transformationの略で、現実世界と仮想空間を融合させて社会の変容を起こす取り組みのことを言います。
VXの実現には、VRやARなどといったXR(クロスリアリティ)の技術を要します。例えば、メタバース(巨大仮想現実空間)の構築などがそうです。XRの技術を使った仮想空間で、会議を開いたり、商品の販売やサービスの提供をしたり、遠隔からの研修が行えます。DXを進める上でもキーとなる概念で、VXによって時間や身体、場所にとらわれない生活や経済活動がより可能になります。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)

SXとは、企業がサステナビリティを重視した経営の在り方に転換させることを言います。稼ぐ力とESG(環境・社会・ガバナンス)の両立を目指し、経営の仕方や投資家との対話を中長期的な戦略に転換させることを目指す概念です。
この概念が注目された背景には、2019年に経産省が「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」を設置したことにあります。世界の気候変動やパンデミックなど、グローバル経済の不確実性が増す中で、企業がレジリエンス(困難を乗り越える力)を持ち、中長期的に価値創造を生み出す経営に転換させることが危急の課題となっています。

GX(グリーン・トランスフォーメーション)

GXとは、地球環境を守るためのカーボンニュートラルに取り組む経済活動や社会システムの転換のことを言います。
GXが注目されるようになった背景には、2020年に政府が発表した「2050年カーボンニュートラル」があります。これは2015年に採択されたパリ協定に対する日本の取り組みで、2050年までに完全なカーボンニュートラルを実現するために策定されたものです。経済活動を行う企業が取り組むべき課題として、脱炭素を目指し、地球環境に貢献する経営戦略が求められるようになっています。具体的には、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換、二酸化炭素の排出を削減するようなサプライチェーンの見直し、AIを活用した電力の最適化などがあげられます。

VXに活用される5つのデジタル技術

DXの次に注目されるトランスフォーメーションのなかで、とくにVXが注目されています。VXとは、Virtual Transformationの略で、現実世界と仮想空間を融合させて社会の変容を起こす取り組みのことを言います。
ここではVXを理解するうえで重要となるデジタル技術について押さえておきましょう。すでにサービスの提供を行っている企業も現れているので、実際の事例なども参考にしながら見ていきます。

①XR(クロスリアリティ)

XRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)を総称した言葉です。架空のモノや情報を仮想世界において融合することで、知覚・体験ができる技術を言います。
メタバース(巨大仮想現実空間)がその例で、METAが提供しているWorkroomsは3Dで作られた仮想空間で会議を行えます。参加者はアバターとしてその場に表れ、ホワイトボードも使いながら会議を行えます。
VRグローブは手にはめることでものに触れるような感覚を感じられるものです。視覚や聴覚だけでなく触覚も体験できるようになり、より現実世界と仮想世界が融合するような技術です。

②AI(人工知能)

学習や推論、判断など、人間の知能の働きを人工的に再現させるAIは、DXにおいてメインツールとなるデジタル技術です。VXにおいてもAI技術が駆使され、様々なサービスを可能にしています。
例えば、カメラにAIが内蔵されたARグラスなどがあります。AIの超認知機能を使ったVRによって知覚を操作することが可能で、映像で味覚操作ができるという実験結果もでています。

③デジタルツイン

デジタルツインとは、IoTなどで現実空間から収集したデータを利用して仮想空間に双子のように同じ環境を再現させることを言います。その仮想空間でAIによって分析をしたり、シミュレーションを行ったりすることで、現場のコスト削減、管理の最適化などが行えます。製造業を中心に導入が進んでおり、今後様々な分野での活用が期待されています。例えば災害のシミュレーションなどもできるので防災システムとして都市部を中心に導入が進められています。

④5G

5Gは、高速大容量で遅延が少なく、複数同時接続できるインターネット通信サービスです。
5GによってIoT機器の活用の拡大が進み、自動運転などのデバイスのコントロールなども可能になります。VXの促進には欠かせない通信インフラであり、VRやARを用いる時にリアルタイムでデータを送信し情報を受け取る役割を担っています。例えば、ARグラスやスマホをかざすことで現場の映像を瞬時に電子化しインターネットに送り状況に応じた情報を表示させたり遠隔で指示を行ったりできます。

⑤量子コンピュータ

量子コンピュータは、量子の特性を利用して超高速で最適解を導き出すことができる新しいコンピュータです。従来のコンピュータの数億倍ものスピードで計算できるので、大きな社会変化がおきると期待されており、QX(Quantum Transformation :Quantumとは量子のこと)という概念も生まれています。
量子コンピュータの開発はカナダの企業、AmazonやIBMなどアメリカの企業が先行して行っており、日本ではソフトウェアの開発を中心に商用利用が少しずつ始まっています。

VXが生み出す新しい社会

VXによって仮想空間と現実空間との融合が生まれ、時間や場所に捉われないような企業活動がますます可能になります。では、このようなVXによるビジネスの変革が、社会にどのような変化を生むことになるのでしょうか。また、どのようなことが期待されているのでしょうか。

ムーンショット計画の実現を推進する

国が押し進めているムーンショット計画の実現には、VR、AIといったデジタル技術の革新が重要なカギになります。
ムーンショット計画とは、内閣府を中心に進められている大胆な開発計画です。2050年を目標に、身体、脳、空間や時間という制約から人々が解放され、もっと自由に社会活動が行えるような基盤をつくることを目指しています。これらは超高齢化社会や環境問題、多様化といった課題を解決するために計画されたもので、そのためにはVR、AIなどのデジタル技術が重要となっています。

メタバースの構築によるビジネスの変革

仮想空間で自分の分身のアバターを参加させコミュニケーションをとるメタバースは、企業で活用されつつあります。
会議だけでなく研修や講義、バーチャルで映し出された会社の中を回るといったことも行われており、活用が広がっています。
他にもメタバースはイベント会場、販売、ショッピングモール、マッチングサービスなどのプラットフォームにもなりえるため、新たな市場として多くの企業が参入してくる可能性があります。

チャットボットとの融合

AIを駆使したチャットボットとVRなどのXR技術を使うことで、テキストだけのチャットだけでなく、音声に対応した、よりコミュニケーション性の高い活用が可能になります。
例えばメタバースにおいてチャットボットは人間の姿をしており、話しかけることで対話をするように顧客のニーズに応えてくれます。販売や教育、介護など様々な分野での活用が期待されています。

まとめ:VXのビジネスへの活用は始まったばかり

DXの次に押さえるべきトランスフォーメーションとして、VXについて詳しく紹介しました。
VXはまだ始まったばかりで、まだまだ娯楽の領域を脱していない部分もあり、ビジネスへの活用はこれからと言えます。SXやGXなどといった概念も、まったく関係がないというより、重なり合っている部分が多い概念です。DXを進めつつVXなど新たな概念にも着目してデジタル分野の動向をチェックし、ビジネスチャンスをつかんでいきましょう。

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