企業の円滑な運営には、顧客の存在が必要不可欠です。
しかし、多くの顧客の管理は難しく、手間がかかります。
本記事では、企業が顧客管理を効率化できるCRMについて解説します。顧客の適正管理を行い、企業の成長を目指しましょう。
顧客関係管理ツール「CRM」とは?
CRMは「Customer Relationship Management」の略称で、顧客関係管理を意味します。
顧客管理という概念自体は、商いが出現した江戸時代等、古くから浸透しています。しかし、ツールとしてのCRMについては具体的な機能を把握していない方が多い傾向にあります。そのため、ここではまずCRMの概要を解説します。
CRMで優良顧客の育成をしよう
CRMは顧客の連絡先や購入履歴等の基本情報から、商談等の各種取引における一連の流れをまとめて管理できます。また、メールやSNSでのやり取りまで管理に含まれるため、顧客とのやり取りをもれなく把握できます。
顧客情報の把握は、信頼関係に直結するため、長期にわたり付き合っていく優良顧客の獲得にCRMは役立ちます。
CRMを導入するメリット
ここからはCRM導入のメリットを紹介します。顧客との信頼関係構築に必要なCRMは起業にとって3つのメリットをもたらします。
部署と部署の間の情報共有が容易に
通常、企業内で顧客情報を共有する際は、チャットやメール等でコミュニケーションを取ります。しかし、その場合は伝達ミスが起こる可能性があります。
しかし、CRMを活用すると、顧客情報がシステム内で一元化されています。そのため、誰が見ても同じ情報を確認できます。連絡ミスや漏れを防ぐことで、顧客に対して一律の対応が可能になり、信頼アップに繋がります。
また、企業内では人事異動が頻繁に起こります。異動の際は引き継ぎが必要ですが、CRMを活用すれば、顧客にまつわる情報はあらかじめ共有済みのため不要です。
顧客体験の満足度を向上させる戦略を立てられる
CRMは、1顧客の情報だけでなく、すべての顧客情報を網羅して確認できます。そのため、顧客全体が「自社に何を求めているか」を分析し、把握できます。さらに、全体からひとりひとりに目を向けることで「この顧客は独自にこれを求めている」と分析でき、新たな戦略を立てられます。
その結果、きめ細やかなサービスに繋がり、顧客満足度の向上に貢献します。
業務の自動化により効率化が図れる
いわゆる「誰にでもできる仕事」を自動化することで、付加価値の高い業務に時間をかけられます。ルーティン業務は必要性が高い仕事であるものの、時間や手間がかかる業務が多いです。しかし、それらを自動化してCRMに任せることで、顧客へのアプローチ法を再検討したり、新たな戦略を立てたり、時間を有効活用できます。
このように、CRMは「自分にしかできない仕事」を進めるために、重要な役割を果たします。
CRMで自動化できる業務
ここからはCRMで自動化できる5つの業務について解説します。
CRMでは、リマインドメールやステップメールの送信等、定期業務の自動化が可能です。さらに、一元化された顧客情報を活用して、再アプローチも目指せます。
アポイントメントリマインダー
顧客と商談打ち合わせの予約を入れた際は、予定日が近づくとリマインドメールを送信します。しかし、自分で送信する際は、日程の確認や文面の作成等、手間がかかります。
CRMのアポイントメントリマインダー機能を使えば、商談日が近づくと自動でリマインドメールを送信します。そのため、メール作成の時間を商談資料の作成や、リサーチに活用できます。
コールバックリクエスト
製品の取り扱い等で、顧客と頻繁に連絡を取り合う企業におすすめの機能が「コールバックリクエスト」です。顧客が自社に連絡した際に担当者が在席しておらず「ただいま席を外しております」「戻り次第、こちらからかけ直します」というお決まりのやり取りは非常に手間がかかります。また、タイミングが合わない場合はこのやり取りを何度も行うことになります。
しかし、CRMでコールバックリクエスト機能を活用すれば、「顧客が○時にかけてほしい」という希望を叶えられます。そのため、関係性が出来上がった顧客はもちろん、見込み顧客からの信頼アップが期待できます。
定期請求書
長期にわたり安定した契約の顧客には、定期請求書機能の活用がおすすめです。
定期請求書を使えば、毎月の請求書の複製や同じ情報を記載する手間が省けます。そのため、請求書の宛名ミスや送付漏れを予防できます。
顧客の再活性化
過去にやり取りがあったものの、現在は取引がない顧客に対して、再アプローチをかける機能もCRMには備わっています。
人はまったく新しい環境よりも、一度経験したことのある環境や商品を好みます。そのため、CRM上のデータを元に、再アプローチを行うことは効率的な働きかけです。
定期業務
上記の他にも、日々ルーティンワークとして行う業務もCRM機能を活用できます。
具体的には、メールの配信や営業日報の管理等があります。
「CRM」と混同されやすい「MA」と「SFC」
ここでは補足として、CRMと混同されやすいツールについて解説します。
MAとSFCついて、CRMと比較していきましょう。
マーケティングオートメーション「MA」
MAは、ビジネスにおけるマーケティング活動を仕組み化し、ツールとして利用することを指します。これまでは人力で行っていたマーケティングをスピーディーに進められるため、多くの企業が導入しています。
MAは顧客との関係維持よりも「顧客の獲得」に重点を置いている点がCRMとの大きな違いです。
営業支援ツール「SFC」
SFCは「Sales Force Automation」の略称で、営業支援システムを指します。具体的な機能として、商談の管理があります。商談の進捗状況や成立状況等を一括で確認できます。
こちらもCRMと比べると、やはり顧客の獲得プロセスに重点を置いている特徴があります。特にSFCは、商談のステップにおいて活用機会が多くなります。
「CRM」「MA」「SFC」を組み合わせる
ビジネスにおいては、CRMはとMAやSFCを組み合わせた活用が効果的です。顧客の獲得や商談の成立を目指す際はMAやSFCを活用する。そして、関係性が確立したあとは信頼関係を継続して築くためにCRMを活用する。
このように3つのツールを使い分けていきましょう。
まとめ:CRMで顧客管理を自動化しよう
今回は顧客管理の効率化ができるCRMについて解説しました。
CRMで自社の顧客を自動管理することで、営業担当者の負担を軽減できます。さらに管理データを確認することで、きめ細やかな対応ができ、優良顧客の獲得に繋がる可能性が高まります。
今回の記事を参考に、是非自社でのCRMツール導入を検討しましょう。