BIツールという名称は聞いたことがあるけど、詳細についてわかっていない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、下記内容を紹介していきます。
- 経理部門にBIツールが必要である3つの理由とは?
- 経理部門にBIツールを導入することで得られる6つのメリットとは?
- 実際にあった成功事例
- 導入する際の注意点
本記事を参考に「BIツール」に関しての理解を深めましょう。
BIツールとはデータを分析しスピード感ある意思決定を促すシステム
BIツールとは、企業内に眠っている膨大な量のデータ分析を行い、経営の意思決定をスピーディーに行うことを手助けするシステムのことです。部署ごとに様々なシステムを使っていても、それぞれのシステムにアクセスし、必要なデータの抽出&分析を行ってくれます。グラフ等の可視化したデータ提供も行ってくれるので、高度な経営判断に利用したい企業に導入されることが多いでしょう。
BIツールにできることは、主に下記3つです。
- データの収集と蓄積
複数店舗を運営している場合は、それぞれの販売数や売上だけでなく時間帯別の販売実績等も収集。また、複数部署があっても同時にデータ収集が可能。 - データの集計と加工
「販売員別」「地域別」「天気別」等の様々な観点からデータを集計、加工。 - 収集・分析したデータの可視化
表やグラフの作成を行い、ひと目でわかるように可視化。
BIツールが今後の経理部門に重要と考えられる3つの理由
経営に関わる会計データの正確性と迅速さが求められるから
経理部門は、経営に関する様々な数値を取り扱う部署です。今まではエクセル等を手作業で作成することが多く、経営陣に数値分析資料の作成を求められても時間を要していました。
しかし、現在では経営環境が目まぐるしく変化するため、重要な経営判断を行う上でもスピード感を求められるようになってきています。BIツールは短時間で正確な情報収集&分析を行えるため、意思決定の判断に欠かせない要素のひとつとして求められているのです。
今後の経理部門には経費の削減だけではなく適正化が求められるから
企業が存続していくためには利益を残していくことが重要で、そのために経理部門には「経費の削減案」を求められることが多かったのです。
しかし、デジタル化が進む現在では、さらにもう一歩進んで「経営判断に貢献するデータ収集」を望まれるように変化してきました。「どこにお金を使うのが経営にとって効果的なのか」等の意思決定に役立つ数値データを、いかに素早く収集し分析できるかが求められています。
他部署の情報も横断的に活用できるから
経理部門にある情報だけで経営判断を行えるかと言ったら、そのようなことはありません。ほかの部署にある情報も重要な要素のひとつですし、企業外部のデータを活用する場面も出てくるのではないでしょうか。
BIツールは、こうした膨大なデータを収集して分析することが可能です。手作業で行うよりも圧倒的に短時間で、そして正確な資料作成を行ってくれるでしょう。
BIツールを経理部門に導入して得られる6つのメリット
1.決算処理の効率化
経理部門は「伝票」「請求書」「経費精算」等、日々お金に関する数多くの書類作成に関わっています。BIツールを活用することで、決算処理に必要な情報に一気にアクセスし、データ抽出を行うことが可能です。また、決算処理だけでなく、その後の報告書・分析資料の作成等まで素早く行えるでしょう。
2.管理会計業務の精度とスピードの向上
多店舗展開をしている場合は、「店舗ごと」「地域別ごと」等の様々なケースで事業計画の作成を行えるでしょう。
また、計画後の予算実績管理はもちろん収支分析も高精度で可能です。経営に重要な経費の構成比や、前年同月比等のレポート作成も行えます。
BIツールが社内データをリアルタイムで横断的に収集・分析するので、常に最新のデータでモニタリングを行えるでしょう。
3.高精度な経費分析の実現
予算に対する実績だけでなく、月次でどのような推移を辿っているか等も瞬時に確認できます。もしイレギュラーな数値があった場合は、素早い対応が可能になるでしょう。経費削減だけではなく経営に役立つデータ提供等、多角的な視点で高精度な分析を行えるので、スピーディーに経営に活かせます。
4.正確な原価計算によるコスト管理
稼働率や廃棄率の数値を時系列で確認できるので、より正確なコスト管理を行うことができます。標準コストを定めておけば、差異を分析することで問題のある工程を探りあてることもできるでしょう。また、過去のデータと比較することで、より良いコスト計画作成に繋げていくことが可能です。
5.報告書作成の自動化
必要な報告書作成のボタンをクリックするだけで、瞬時に作成できてしまいます。今まで行っていたエクセルでのデータ収集や資料作成から、一気に解放されるでしょう。
数字の羅列だけではなく表やグラフへの加工も可能なので、出力した報告書をそのまま経営会議の資料として活用できます。
6.ステークホルダーとのコミュニケーション向上
BIツールを活用して作成した報告書等は、社内だけではなく外部のステークホルダー用としても利用できます。もし必要なデータを求められた場合は、短時間でお渡しすることが可能です。信頼関係の構築はもちろん、資料を介したコミュニケーションの向上にも役立つでしょう。
BIツールを経理部門に導入した企業の成功事例
某情報・通信企業の成功事例1
【導入前の課題】
- 社内で2つのツールを活用していたので、会計データを利用する際もツールを使い分ける必要があった。
- どちらのツールも横断的なデータ収集が不可能だったので、会社全体のデータ確認や分析ができていなかった。
- 都度システム変更を行っていたものの、コストがかかるばかりで業務の効率化には繋がっていなかった。
- 外部のステークホルダーから要望があっても、期待通りのアウトプットを行うことができなかった。
【BIツール導入後の変化】
- ツールを一元化したことにより、覚えるべき操作方法もひとつになって効率がUPした。
- 以前はツールによって出力される帳票がバラバラだったが、社内で統一した帳票を活用することができるようになった。
- ツールの開発の一部を内製化することで、ステークホルダーからの要望に迅速に対応できるようになった。
- 会社全体のデータを収集・分析できるようになり、経営に活かせる付加価値の高い情報を活用できるようになった。
某情報・通信企業の成功事例2
【導入前の課題】
- 自社システムの中にある会計データが入っていたが、管理会計に関する業務や採算管理に用いるために、自社システムから毎回会計データをダウンロードしてエクセルに加工していた。
【BIツール導入後の変化】
- 月次決算の完了後すぐに数値分析をスタートできるようになったし、データの収集・加工にかかる時間を大幅に削減できるようになった。
- 経営陣への分析報告までの期間が、導入前の半分の日数(2週間→1週間)で行えるようになった。
- 進行しているプロジェクトの損益状況が、日次で把握できるようになった。
- 今後の経営を予測できるようになり、悪い見通しでも早めの対応が可能になった。
- リーダー格の社員が誰でも経営データにアクセスできるようになったので、日々の業務ですぐに実行できるようになった。
某機械総合メーカーの成功事例
【導入前の課題】
- 海外にグループ企業があるが、本社からは会計管理ができなかったので、全社の経営状況を把握するのに時間がかかり過ぎていた。
- 使用している会計システムでは、「製品別」「部門別」等の売上やコストデータを抽出するのに膨大な時間がかかっていた。
- 会計データを見ながら手作業で経営会議に使う資料を作成していたが、転記ミスの可能性がどうしてもあった。
【BIツール導入後の変化】
- 海外のグループ企業の会計データも管理、連携できるようになり、グループ全体の経営状況をスピーディーに分析、可視化できるようになった。
- 「製品ごと」「部門ごと」の売上やコストを簡単にチェックできるようになった。
- 社員が自らデータにアクセスできるので、目標達成への意識が高まってきた。
- 導入前は1週間要していた経営会議資料の作成が、たった1日でできるようになった。
BIツールを経理部門に活用する時の注意点
導入するメリットを理解し自社の利用目的を明確にする
BIツールは、どの企業も必ず導入しなければいけないものではありません。当然導入にはコストがかかりますし、そもそも導入する必要がない場合もあります。
まずは「導入した場合は、自社にどのようなメリットが存在するのか」をチェックしましょう。そしてメリットがあれば、それを参考に利用目的・達成したい目標を明確にします。BIツールを活用することで目標達成が可能なようであれば、導入を前向きに検討して良いのではないでしょうか。
「誰が・どの機能を」使うのか見定める
先ほどの利用目的にも繋がりますが、「あると便利そう」「あれば活用するかも」等の理由で導入はしないほうが良いでしょう。結局、うまく活用できないまま終わってしまう可能性が高いからです。
「会社の中の誰が」「どのように使うのか」を導入前に見定めます。その点をハッキリさせることで、BIツールのどの機能が必要なのか見えてくるのではないでしょうか。社員が誰でも使うようにしたければ、操作方法等の使いやすさが重要になるかもしれません。一方、とにかく経営に活かせる情報が欲しいのであれば、分析機能を重視した方が良いでしょう。
将来を見据えてライセンス契約のタイプを決める
BIツールの契約には、主に2つのライセンス契約のタイプがあります。
- ユーザーライセンス型
ツールを使用する人数によって金額が変わるタイプ - サーバーライセンス型
サーバー数によって金額が変わるタイプ。使用する人数とは無関係
もし現在の人数が少ないからといって、安直に前者の契約にしてしまうのは避けたほうが良いでしょう。今まで紹介してきた目的等を再確認し、もし利用する人数を増やす可能性があるのであれば、最終的には後者の契約が安くなるかもしれないからです。
将来を見据えて、契約するタイプを決めていきましょう。
「oneplat」とBIツールを併用することで効率化が加速する
BIツールの導入を考えているのであれば、併用することで会計業務の効率化をさらに進めることができるサービスとして「oneplat」がオススメです。
oneplatでできることの一部を下記に挙げます。
- 納品書・請求書をデータでやり取りできペーパーレス化が可能
- 経理作業もリモートワーク化できるようになるため、通勤交通費やオフィス賃料等のコスト削減に繋がる
- 使用している販売管理システム・会計システムとの連携が可能なので、手入力を行う必要がなくなる
- 総合振込データ作成も自動入力
- 納品情報をリアルタイムで管理
このように納品情報をリアルタイムで管理できるため、日次決算が簡単に行えるようになったり、これまで手作業で行っていた業務の多くを自動化できたりするので、経理業務の効率化を実現できるでしょう。
さらにoneplatの良いところは、仕入先への説明や交渉の代行も無料で行ってくれるところです。新規ツールの導入ではクライアントへの事前共有・同意が必要ですが、煩わしい部分でもあるでしょう。しかしoneplatが代行してくれるため、より簡単に導入を進めることができます。
こうした業務効率化により、本来行うべき付加価値の高い業務に時間を費やすことが可能になるかもしれません。
まとめ
経理部門にBIツールを導入することで得られるメリットや、実際の成功事例等をお伝えしてきました。まとめると以下です。
- 決算処理だけではなく、管理会計業務のスピード向上に繋がる。
- 経営に活かすことのできるあらゆる情報を瞬時に可視化できるので、状況に即した意思決定をスピーディーに行うことができる。
- BIツールと併用することでさらに効率化が促されるサービスが存在する。
経理作業効率化のためにも、BIツールとoneplatの導入を検討してみてはいかがでしょうか。