「経理のクラウド化って何?」
「どんなメリットやデメリットがあるの?」
「経理・会計のクラウド化は何からはじめたらいい?」
経理ご担当の方で、このようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、経理のクラウド化の概要やメリット・デメリット、クラウド化を進めるときのポイント等についてわかりやすく解説します。
本記事を読めば、経理のクラウド化について理解が深まり、自社でクラウドサービスを取り入れるべきか、どんなサービスが適しているのかがわかるようになります。是非最後までお読みください。
経理・会計業務の「クラウド化」とは? 企業に注目される背景
経理・会計業務のクラウド化とは、ネットワーク上のサーバー経由で会計ソフトやシステムを使い業務を行うことです。
これまではパソコンにソフトをインストールして利用する方法が一般的でした。しかしIT技術の革新とネットワーク環境の整備により、近年ではクラウド経由でソフトを利用する動きが広がっています。
クラウド化することで社内でしかアクセスできなかったデータが「いつでも」「どこでも」アクセスできるようになったのです。多くの方はその利便性を実感したことがあるのではないでしょうか。
クラウド化が企業に注目されるようになった背景には、以下のような要因が考えられます。
- IT技術の革新でこれまでできなかったことができるようになり、安価な料金でソフトやシステムを利用できるようになった
- 新型コロナウイルスの影響により、テレワークが普及した
- 2019年4月にスタートした「働き方改革関連法」により、ITを活用した業務効率化を図る企業が増えた
経理・会計業務のクラウド化が可能なシステムの種類
①会計システム
会計システムは、日々の取引の記録や会計帳簿の作成等、経理業務の核となるようなシステムです。会計システムでは以下のことが可能になります。
- 伝票入力
- 損益計算書、貸借対照表等の決算書類の作成
- 売掛金、買掛金の管理
- 自動仕訳
- 予算実績管理 等
クラウド化することで、伝票や書類を手書きしていた時間と手間を省くことができるだけでなく、自動で決算書類の作成や売掛金の管理等ができるようになります。業務の効率化を図ることが可能となるでしょう。
②経費精算システム
経費精算システムは、経費の精算をする際の申請書の作成や承認者による承認、仕訳処理等の業務をクラウド上で行えるようにするシステムです。以下のような処理がシステムで可能となります。
- 経費の精算
- 交通費の精算
- 出張費の精算
- 交際費の精算 等
システムを導入することで、経理担当者だけでなく経費申請をする従業員の事務処理の負担を減らすことができるようになります。また、申請書類の申請にかかる手間と時間も削減することができます。
③請求書発行システム
請求書発行システムは、請求書の作成から送付までをクラウド上で行えるようにするシステムです。これまで手書きやエクセルで作成していた請求書をオンライン化することで、以下のようなメリットが生まれます。
- 請求書作成業務の効率化
- 発送作業の負担軽減
- 記入漏れや誤請求、誤送付の防止
- ペーパーレス化の促進 等
2023年10月1日からは、インボイス制度(適格請求書保存方式)が開始されます。そのため、適格請求書を発行する際にも、こうした請求書発行システムがあれば安心と言えるでしょう。
④請求書受領システム
請求書受領システムとは、請求書の受け取りから支払いまでをクラウド上で行うシステムのことです。システムにもよりますが、以下のようなメリットがあります。
- 開封作業やファイリング等の事務作業の削減
- 請求書処理のスピード向上
- 自動仕分けによる業務の効率化
- ペーパーレス化の促進 等
また、2022年1月からの改正電子帳簿保存法にも対応できることは、経理担当者にとって大きな利点となります。
経理・会計業務をクラウド化することで企業が得られるメリット
経理・会計業務をクラウド化することで企業が得られるメリットを5つ紹介していきます。
作業の簡素化によって業務の属人化を防げる
ひとつ目は、クラウド化すると作業が簡素化されて業務の属人化を防げるという点です。
職場でもこのような経験をしたことはありませんか? 業務を進める中で、よくわからないけど使っているエクセルデータがあったり、Aさんしか処理方法がわからない業務があったり。
クラウドサービスの場合は、経理初心者にもわかりやすく設計されているので、簡単な入力やシンプルな操作で業務を進めることができます。業務を円滑に進めることが可能となるでしょう。
場所・時間を問わずデータを確認できる
2つ目は、いつでもどこでもデータを確認できるということです。
データがクラウド上にあることで、社内だけでなく社外でもデータを見ることができます。退勤後に確認したいデータがあった場合でも、わざわざ会社に戻ることなく自宅にいながらデータを確認できることは大きなメリットと言えます。
またネット環境さえ整っていれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでもデータにアクセスできます。移動時間やスキマ時間を有効に活用することができるようになるでしょう。
金融口座や明細書等のデータと連携できる
3つ目は、金融口座や明細書等のデータと連携ができるということです。
クラウド化することで、銀行口座の入出金やクレジットカードの利用履歴が自動で取り込まれるようになります。通帳を見ながら入出金のデータをエクセルデータや専用のシステム等に入力する必要がなくなります。
セキュリティリスクが改善される
4つ目のメリットは、セキュリティリスクが改善されるということです。
たびたびニュース等で、個人情報の紛失や情報漏洩の問題がとりあげられることがあります。その原因のひとつは、社内でしか情報を扱えないという不便性によるものです。社外へ情報を持ち出そうとして資料やデータの入ったUSBを紛失したり、社内にPCを置いたままにして盗難被害にあってしまったり。
クラウド化すれば、そうした問題を根本的に解決することが可能となります。
企業の生産性が向上する
5つ目のメリットとして、企業の生産性が向上することが挙げられます。
クラウド化による生産性向上の例は、以下のようなものです。
- テレワークによる従業員の時間効率化と通勤費の縮小
- 書類探し、印刷、破棄といったムダな手間と時間の削減
- 移動時間やスキマ時間の有効活用
- システムの簡易性・利便性による業務負担の軽減
- システムの自動アップデートにより、税率や法律改正があった場合でも柔軟に対応
- 火災や地震等の災害があっても、データが守られ、復旧にかける人員と予算が不要
経理・会計業務をクラウド化することで生じ得るデメリットとは
クラウド化のメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。主に4つのデメリットがあることも押さえておきましょう。
業務プロセスが変化する
ひとつ目のデメリットは、これまで慣れ親しんでいた業務のやり方が変化してしまうということです。
クラウド化することの利点は頭でわかってはいても、今までのやり方を急に変えるということは心理的にもハードルが高いかと思います。長年勤めている従業員やパソコンを利用することに慣れていない従業員からは、反発を招く可能性もあるでしょう。
導入する際には、従業員への十分な説明と手厚いフォローが必要となります。
インターネット環境が必要になる
2つ目は、インターネットを使える環境が必要になるということです。
クラウド化するためにはインターネットに繋がっていることが必須です。それに加えて、ネットワークの環境や機器が整っているかを確認する必要があります。
高価なシステムやスペックの高いパソコンを用意したとしても、インターネット回線の速度が遅かったり、ルーターやハブの性能が悪かったり、Wi-Fiの電波がしっかりと届かなかったりした場合は、思うように業務効率を上げることができません。逆にストレスを抱えることになってしまうでしょう。
自動連携・取り込みができない場合がある
3つ目は、金融機関によっては自動連係や取り込みができない場合があるということです。
利用するシステムと金融機関によりますが、データの連携がうまくいかず手作業でデータを入力することになり、結局、手間と時間がかかってしまう場合があります。
一旦、元になるデータをCSVデータで出力して、システムに取り込むことで連携がうまくいくこともありますが、その操作をすることに煩わしさを感じる方もいるでしょう。
長期的にコストがかかる
4つ目のデメリットは必然的なことではあるのですが、長期的にコストがかかってくるということです。
クラウド型のサービスであれば、一般的には月額定額で支払いをすることになります。いくら月額定額で一括払いではないとはいえ、資金に余裕のない企業やまだ立ち上げたばかりの企業にとっては、システム導入にかかってくる費用が負担に感じる場面があるでしょう。
企業が経理・会計のクラウド化を進める際のポイント
自社でクラウド化を進める際のポイントを3つ紹介します。
自社に必要な機能が備わっているか
まずは、自社に必要な機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
そのためには、自社が現在困っていること、改善したいことをはっきりとさせることが先決です。システムを導入したはいいが、余計な業務が増えてしまったり、操作自体が難しかったり、自社の運用に合わなかったりしてしまうと、時間とお金がムダになってしまいます。
システムの担当者から十分な説明を受けることはもちろんですが、実際にデモ等を行ってから、自社で運用できるのかどうかじっくりと判断しましょう。
サポートが充実しているか
次にポイントとなるのは、サポートが充実しているかどうかという点です。
いくらシステムが良いものだとしても、サポート体制がしっかりしていないと不満に感じることもあるでしょう。
サポート体制については、以下のような項目を確認しておくとよいでしょう。
- 土日祝日は対応してくれるのか
- 24時間対応してくれるのか
- 直接、訪問してくれるのか
- 最寄りの事業所はどこにあり、訪問まで約何分かかるのか
- どこまで無料でサポートが受けられ、どこから有料なのか
- 電話だけでなく、オンラインやチャット等でも対応してくれるのか
操作性に問題がないか・使いやすいか
最後に、操作性に問題がないか、誰が使っても使いやすいかを確かめることがポイントです。
基本的にはどのクラウドサービスも、操作に関しては初心者でも使えるように設計されているはずです。ただ、多少なりともサービスごとに操作のクセがあったり、画面の見やすさだったり、利用する人との相性というものもあります。
したがって、実際にクラウドサービスを利用する人が、デモや無料期間を利用して使ってみることが重要です。
経理・会計のクラウド化をスムーズに進めるためのコツ
経理・会計のクラウド化を導入することが決まり、実際にスタートさせるにあたり、経理・会計のクラウド化をスムーズに進めるための2つのコツをここで学んでおきましょう。
- クラウド化する目的を明らかにし、従業員へ周知を徹底する
なぜクラウド化が必要なのか、クラウド化することで何を実現したいのか。こうしたことを明らかにせず、ただシステムを利用するよう言われただけでは従業員は積極的に協力しようとは思わないでしょう。全従業員へ周知を徹底し、システムの利用がいかに従業員のためになるのかを伝えることが重要です。 - 研修とフォローの実施
口頭でいくら説明をしても、やはり実際に使ってみることが上達への近道です。操作に慣れてもらうためにも、全体での研修を定期的に設けたり、個別研修を行う等して従業員がシステムを利用する機会を増やしましょう。そして、わからないことがあれば、マニュアルを用意したり、相談窓口を設けたり、社内のグループウェアを利用して質問に応えたりする等フォロー体制を整えましょう。
受け取る納品書・請求書の処理に関わる業務の手間やコストを削減できる「oneplat」
経理・会計業務のクラウドサービスを導入したいとは考えているものの、どのサービスを自社で利用したら良いのか判断に迷ってしまうという担当者も多いはずです。
そこで判断基準として、確かな実績のあるサービスを選ぶというのが自然であり安心できる選択ではないでしょうか。本記事では「業務コスト削減サービスについての調査」※でNo.1を獲得した「oneplat」というサービスを紹介します。
※株式会社ショッパーズアイ(本社:東京都新宿区、代表取締役:小野塚 浩二)が2021年8月に調査を実施
「oneplat」には、以下の5つの特徴があります。
- 納品書を取引先がデータで入力するので、入力作業が一切不要
- 受け取った納品データを、販売管理システムへ連携・自動入力してくれるので手入力が不要
- 請求書は承認した納品書を変換して作成されるので、突合作業が不要
- 明細ごとに仕訳を自動取り込みできるので、仕訳が不要
- 改正電子帳簿保存法対応で、紙の納品書・請求書の保存が不要
また、すべての機能がパソコンやスマートフォンで簡単に操作できるので、リモートワークにもスムーズに対応できるようになっています。
「oneplat」を導入することで、納品書・請求書の処理にかかる手間やコストを削減することができ、財務・経理部門の経費削減・業務効率化・DXの実現が可能となるでしょう。
まとめ
今回取り上げた経理のクラウド化について、ポイントをおさらいしておきましょう。
- 経理のクラウド化とは、オンラインで会計ソフト等を使い業務を行うこと
- 経理向けのクラウドシステムは4種類。会計・経費精算・請求書発行・請求書受領
- 経理のクラウド化はデメリットもあるが、業務効率化を図ることが可能
- 「oneplat」は確かな実績があり、納品書・請求書の処理を効率化できる
経理・会計業務をクラウド化することは、業務の効率化や担当者の負担軽減等、企業にとって大きなメリットとなります。是非、本記事を参考にして自社にあったサービスを選んでいただき、業務効率をアップさせていただければ幸いです。