棚卸は必要?役割や棚卸ししない場合におこる問題を解説!

小売業や製造業、バックオフィスの消耗品等で月末や決算前に棚卸を行います。しかし、棚卸は煩雑な業務のため「できればやりたくないな」と感じる方もいるでしょう。

また、従業員の中にも「棚卸は自分には深く関係しないから適当に済ませよう」という意識の方がいる可能性もあります。その場合は企業にとって好ましくない影響を与えることになります。

本記事では、企業における棚卸の重要性をわかりやすく解説します。責任者に方だけでなく、従業員に棚卸の重要性を周知する参考材料にもなるでしょう。

結論:棚卸は必要

結論から言うと、棚卸は必ず行いましょう。棚卸を行わなかった場合は、最終的に経営状態にまで悪影響をおよぼします。

棚卸は会社の経営状態や今後に関わる重要な業務

棚卸を行う意味合いは「会社の資産状況を明確にするため」です。製造業における部品や製造した商品、小売業における商品はすべて企業が持つ資産です。そのため、企業は「今、自社がどれくらいの資産を持っているか」を把握するためには、商品の在庫状態の確認が必要です。

しかし、棚卸をしなければ正確な資産状況がわからず、経営がどんぶり勘定になってしまいます。そして気が付けば「もう資産が残りわずか」という状態になる可能性もあります。
そのため、棚卸は必ず実施する必要があります。

棚卸ししない場合に起こる問題は3つ

ここでは棚卸をしない場合に懸念される問題を掘り下げていきましょう。起こりうる問題は「在庫を把握できない」「資金繰りに影響」「品質低下」が考えられます。

①在庫の状態が把握できない

ひとつ目は社内の在庫状況を把握できない点です。多くの企業が月末や半期に一度等、決められた日に棚卸を実施し、店舗や社内の在庫を確認しています。

在庫を正確に数えることで、在庫の数量と金額がわかります。その結果「在庫を持ちすぎているから抑えよう」「この商品はもう少し仕入れても良い」という在庫の適正化が図れます。

しかし、定期的に棚卸を実施しない場合は、在庫の状況を知る機会がなくなります。その結果、「あの商品どれだけあったかな」「〇〇さんなら知っているはず。聞いてみよう」と、正確な在庫状況をすぐに判断できず、過剰在庫や販売機会を逃す可能性に繋がります。

②会社資金繰りに影響をおよぼす

棚卸ししない場合には、在庫状況の把握ができず、過剰在庫になる可能性があります。また、販売機会があるにもかかわらず在庫を持っておらず、売上を逃すことも考えられます。
その結果、無駄な在庫による損失や、売上を獲得できないことに繋がり、最終的に会社の資金繰りにまで影響が出る可能性があります。

③提供する品質の低下に繋がる

特に小売業の場合は、販売する商品を在庫として保管しています。そのため、棚卸ししない状態で在庫を必要以上に持ちすぎている場合は、賞味期限切れによるロスや長期間保管による品質低下を招きます。

また、アパレル用品であれば、その年の流行品の場合は売り切ってしまわなければ在庫として残り続ける確率が高くなります。さらに、翌年に販売するとしても商品が劣化していたり、需要が少なく値下げしたりするとロスに繋がる確率が高くなります。

しかし、棚卸を実施することで「いま本当に必要な在庫量」を随時判断できます。

「棚卸は面倒」と感じる理由は?

ここでは「棚卸が面倒」「やりたくない」と感じる理由について考えてみましょう。原因を特定できれば、棚卸に対する意識や実施方法の改善に繋がります。

①人員が不足している

もっとも大きな要因として挙げられるものが「人手や時間が足りない」です。特に中小企業の場合は、業務に最低限必要な人員しかおらずイレギュラーな棚卸に割く人員を確保できないという問題に悩みます。

その結果、棚卸ししないままどんぶり勘定で決算書を作成するケースが多いでしょう。しかし、この場合は粉飾決算として問題が発生する可能性が高いでしょう。

②棚卸作業が煩雑

棚卸を苦痛に感じる原因として「作業が単純なのに商品が多くて疲れる」という点も挙げられます。この理由は比較的勤続年数が浅い従業員やパート等の雇用形態で働く従業員が感じやすい不満としてよく聞かれます。

特に小売店の場合は棚卸の数を数えることは、誰にでもできる作業のため、パートやアルバイトの従業員に任せることが多いでしょう。しかし作業内容が煩雑なため「こんなにたくさんある商品を数えるのか」「入力も大変だな」と疲労を感じてついつい雑に作業してしまうというケースも多くあります。

③必要性を感じていない

棚卸を実施する理由を深く知らない従業員にとっても棚卸は「しなくても良いのでは」と思われる可能性があります。

先述した通り、棚卸は経営状況を把握したり経営方針を定めるために欠かせない作業です。しかし、必要性を感じていない従業員にとっては「言われたからやるだけ」という認識になってしまいます。

その結果、棚卸が雑になったり、そもそも棚卸ししないという状態になってしまいます。
棚卸を確実に実施するためには、作業方法の見直し以外にも「自分事」と思わせる意識改革も必要です。

効率的な棚卸はシステムの導入が効果的

ここからは棚卸の抱える問題を解決できる「システム導入」について紹介します。人力での棚卸は、どれだけ工夫してもミスや漏れが起こります。しかし、システムを適切に導入することで効率的かつ正確な棚卸が可能です。
具体的には「正確」「費用の削減」「在庫を随時把握できる」という効果が期待できます。

人力よりも「正確」

棚卸にシステムを導入すると、自動で商品を認識したり、数量を把握できるようになります。そのため、人力で数えていた際に起こるカウントミスを防止できます。

人力よりも「費用削減」

システムの導入には数万円から数十万円の費用がかかるため「お金がかかりすぎる」と考える企業も多く存在します。しかし、長期的な目で見ると「高い」とは言い切れません。

これまで人手不足で残業して行っていた棚卸も、ハンディターミナル等を導入することで時間を短縮して実施できます。また、従業員の負担も減るためほかの作業に集中することができます。

最初は導入コストがかかりますが、長期的に見ると人件費や従業員のモチベーション等多くの項目で費用対効果が見込める点がシステム導入の特徴です。

人力よりもリアルタイムで在庫を把握できる

在庫管理システムを導入することで、リアルタイムの在庫状況を把握できるようになります。在庫の入出庫状況も把握できるため「あの商品どれぐらいあるかな」と現場に確認しにいく手間も省けます。

どんな方法がある?

棚卸を効率化する代表的な方法としては下記が挙げられます。

①Excelによる在庫管理
②在庫管理システム(ハンディターミナル)の利用
③バーコードやQRコード、RFIDの活用

Excelはすでに部分的にでも導入している企業が多いでしょう。しかし、在庫管理システムやRFIDの活用は知識がないと不安を感じます。
「システムを導入したいけど何から手をつければいいかわからない」という場合は、システム販売会社に相談してみる方法がおすすめです。

まとめ:棚卸しをしないと経営に問題が生じる可能性もあるため実施しよう

今回は「棚卸しないでもよい」と考える企業や従業員の意識を変えるために必要な、棚卸に関する情報を紹介しました。

棚卸はただ在庫を確認するだけでなく、企業の経営状態に直結する重要な作業です。そのため、決められたタイミングで適切に実施することが大切です。

しかし、担当者がどれだけ工夫をしてもすべての従業員に伝わらないこともあります。その場合は、システムを導入して効率化を図ることも大切です。煩雑な業務を減らすことで従業員の棚卸への姿勢が正される可能性もあります。

是非一度、システム導入を検討してみましょう。

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