明細書と領収書の違いとは?書き方のコツや注意点も合わせて解説

明細書や領収書を作成して会計・財務業務を進める際には、それぞれの違いとなるポイントや用途、役割等をしっかりと押さえておくことが重要です。

いずれも費用の支払いにおいてやり取りされる重要な書類ですが、似たような場面で使うからこそ混同してしまうことも珍しくありません。実際にこれから会計や経理関連の業務に従事する人の場合は、慣れていないからこそ違いや書き方がわからず困ってしまうことも多いでしょう。

そこで今回は、明細書と領収書の違いは何なのかチェックしたうえで、書くときの注意事項や書き方のルール等も紹介していきます。

明細書と領収書の違いとは

何らかの費用の支払いがあった際に必要な書類といえば、明細書と領収書が挙げられます。これらは同じような場面で使われる書類なので、人によっては違いがわからず困ってしまうこともあります。

しかし実際のところ明細書と領収書には大きな違いがあり、同様の扱いはトラブルのもとになります。取引先に迷惑をかけ、結果として何らかの損失に繋がる恐れもあるため、会計や経理業務を進める際には、両者の異なる点はしっかりと把握しておきましょう。

まず明細書は、ある支払いの内訳や詳細を書き記した書類になります。合計金額のみでは何の支払いなのか把握できないことも多いため、トラブルやミスを防ぐ理由で明細書は書かれるようになっています。

一方で領収書は、ビジネス等においてある支払いをしてもらった側が、支払ってくれた側に対して、その金額受領を証明する役割で発行するものになります。よって、明細書を書くのは主に支払いをする側になり、領収書を書くのは支払いを受けた側になるのが特徴です。

このように目的や内容が大きく異なるのが、領収書と明細書それぞれの特徴になります。

明細書の目的と用途

明細書はなぜ書かなければならないのか、目的や理由についてもう少し詳しく掘り下げてみましょう。

基本的に明細書は発行が義務付けられていないパターンも多いのですが、あえて用意するのは、トラブルを未然に防ぐためです。

支払いの合計金額を算出するために、加算したり減算したりしなければならない項目が多いと、特に手作業で計算している場合は、ミスが頻発します。例えば外注先として個人事業主に対して複数の仕事を依頼している企業は、ひと月分まとめて報酬金を支払うとき、基本的に明細をまとめなければ支払いの合計金額はお互いに把握しづらくなります。

明細書をあらかじめ発行しておけば、合計金額に相違がないか、確認のきっかけが生まれます。ここでもし計算ミスや記載漏れがあれば、支払いの前に修正することができます。

しかし明細書を書いていないと、あとになってから未払いが発覚する等トラブルが大きくなってしまいます。さかのぼってチェックするのも大変なので、そういった意味でも、明細書の発行は重要な工程と言えます。

領収書の目的と用途

では、一方で領収書についてなぜ必要とされるものなのかを整理していきましょう。

上でも触れてきたように、領収書は支払いを確かに行ったことの証明書になります。領収書がなければ、万が一何らかのきっかけで入金漏れや行き違いがあったとき、再請求等のトラブルが起こる可能性があります。

しかし、この領収書があれば支払いの事実を証明できるため、単純に「言った」「言わない」だけの話にならず、トラブル対処ができるのがポイントです。

なお、領収書はビジネスにおける経費を証明する書類でもあります。原則として経費の証明にはレシートや入出金履歴等ではなく、領収書を用意しておく必要があります。万が一領収書が欠けているようなことがあれば、税務調査等で証明ができません。

したがってビジネスシーンにおいては、経費として何らかの支払いをした際には、原則として支払先である店舗やサービス、取引先等に領収書を発行してもらいましょう。

明細書は領収書として代替できるのか?

明細書は基本的に領収書としてとらえることはできません。明細書はあくまで支払いの明細を書いたものにすぎないため、領収書としての役割は持たないのです。

ただ、ケースバイケースもあります。領収書としての効力を持つかどうかは、「その書類によって支払いの事実がわかるか」という点で判断されます。このため何らかの事情で領収書を用意するのが難しいときは、明細書が領収書として扱われるパターンもゼロではありません。

しかしながらあくまで「ゼロではない」だけであり、基本的に領収書は領収書、明細書は明細書として扱うのが通常になります。

明細書が発行されないケースとは?

実は一部を除き、明細書に発行義務はありません。したがって明細書を書かずにビジネスにおいて金銭をやり取りするケースは意外と多くあります。

例えば請求書や契約書、領収書は状況に応じて発行しなければならないルールがありますが、明細書は原則として発行しなくても良いものになっています。そのため支払いに関する業務を簡略化している企業や個人事業主等は、あえて書かないこともあります。

ただし唯一、明細書の中でも発行義務があるのは給与明細書です。所得税法の規定では、給与を支払う側は、支払った人に対して、給与明細書を発行する必要があります。

このため給与明細書のように特別必要なシーンでない限りは、場合によっては明細書送付は省略されることがあるため注意が必要です。相手企業が明細書を書いてくれないことに困ったときは、欲しいことを伝えたうえで相談する必要があります。

電子書類を保存しておくことが重要な理由

明細書や領収書をはじめとした各種ビジネス書類は、紙ベースで管理していると、やり取りをするたびにどんどん枚数が貯まっていくものです。その結果、オフィスや倉庫内を圧迫すること、管理のコストが増えることも少なくありません。

こういった手間とコストの削減を考えるなら、やはり検討したいのはペーパーレス化です。書類を電子化して保存する方法なら、書類は紙ベースではなくデータになるため、管理コストが大幅にカットできます。

ただ、電子化の際には注意すべき法令はいくつかあります。ここからは、電子化にあたって注意しておきたい法律等のルールをチェックしていきます。

e-文書法

e-文書法は、もともと紙での保存が必要だった書類に対して、電子化での保存を可能にすることと、それに伴うルールを記した法律です。電子化をするにあたっては、主にe-文書法によって以下のような要件が設けられています。

・見読性(パソコン等の端末でしっかりと読める)
・完全性(改ざんされないよう変更や削除の履歴が確認できる)
・機密性(必要な人だけが確認できるようアクセス制限をする)
・検索性(必要に応じてすぐに検索して見つけられる)

これらの要件をすべて満たすことが、電子保管する条件になります。

電子帳簿保存法

国税に関わる書類を電子保存することに対して定められている法律になります。主にここで対象となる書類は領収書や請求書、契約書等が挙げられます。なお、保存にあたって満たすべき要件は次のとおりです。

・真実性の確保(電子署名があること、解像度200dpi以上等)
・可視性の確保(取引の日付、勘定項目がわかること等)

書類を電子化して保管する際には、満たすべき要件に十分に注意しましょう。

まとめ:明細書と領収書の違いについて

明細書と領収書は同じものとして扱ってしまうことも多いですが、本来役割や目的はまったく異なるため、一緒にしないように気をつけましょう。会計や経理業務においては、これらの違いや用途をよく知ることが重要です。

なお、明細書や領収書を書く作業をスムーズに行うには、会計・財務に関するシステムの導入がおすすめです。テンプレート管理や外部システムとの連携等便利なポイントは多いため、書き方等電子メールに困った際にはシステム導入もあわせて検討していきましょう。

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oneplus編集部

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