攻めのDXとは?その定義や実践方法、守りのDXについても解説

  • 2022年10月16日
  • 2023年10月4日
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近年、よく耳にするようになったDXという言葉ですが、「攻めのDX」「守りのDX」の2つに分類されることはご存知でしょうか。デジタル技術を利用した取り組みであることは理解していても、それぞれどのような目的があるか詳しく知らない方も多いかと思います。

本記事では、攻めと守りの違いや、攻めのDXの実施状況、問題点、進めていくためのポイント等について紹介していきます。

攻めのDXとは?

攻めのDXとは、デジタル技術の応用によって製品やサービスの提供価値を向上させることや、顧客接点の変革、既存とは異なる新しいビジネスモデルの創出等を指しています。つまり、企業の一部の変革ではなく、企業構造や事業全体に大きな変革をもたらす取り組みです。

最終的な目的は、デジタル技術を利用して人々の生活をより良いものに変えていくことであるため、企業はそれを目指して製品やサービス、ビジネスモデルに変革をもたらすDXの推進を実行していきます。

例えば、日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」ではフリクションレスなサービスを展開しています。これはスマホから口座を即日開設できるというものです。本人確認もスマホのビデオ通話で完結するため店舗へ出向く必要がありません。従来の方法から大きく変更されたこのプロセスは攻めのDXと言える変革でしょう。

対して守りのDXもある

企業や社会全体に大きな変革をもたらす攻めのDXに対して、守りのDXもあります。こちらは、企業内において業務プロセスの見直しや変革による業務効率の改善、データの可視化等が目的です。つまり、自社内の体制に変革をもたらすものを指しています。

守りのDXは比較的取り組みやすい改革です。業務改善が主な目的のため、Iotを導入するようなIT化によって実現することができます。しかし、守りのDXだけではDX本来の目的を達成することが難しいでしょう。なぜなら、自社内のみで変革が完結してしまうからです。

とはいえ、業務改善することで新しい取り組みに着手しやすくなると考えられるため、守りのDXは攻めのDXを進めるための体制を整備する大切な役割があるとも言えるでしょう。

攻めのDXと守りのDXの違いは?

攻めのDXはビジネスモデル自体を大きく変革させる取り組みであるため、自社内だけではなく、製品やサービスを利用する顧客や消費者、取引先、株主、対象地域等、多くのものを巻き込んだ改革になります。

一方、守りのDXは業務改善が主な目的のため、自社内で完結することがほとんどです。このように、変革の影響範囲が両者の大きな違いと言えるでしょう。

攻めのDXの現状

DXという言葉は少しずつ浸透してきているように思われますが、実際に実行できている企業はどのくらいあるのでしょうか。ここでは、特に攻めのDXの現状について詳しく見ていきます。

攻めのDXが進んでいる企業は少ない

NTTデータ経営研究所の調査結果によると、守りのDXは最大84.0%の企業が取り組んでおり、攻めのDXは最大でも34.4%の取り組みに留まっています。このようにDX自体に取り組み始めている企業は年々増加しているようですが、攻めのDXまで行きつけていないのが現状のようです。

攻めのDXは新しいビジネスモデルの創出等、企業全体を巻き込んだ取り組みとなるため、デジタル技術に関するより深い知識やアイディアが必要となります。そして、実際に行動を起こすためには綿密な計画を必要とします。

このように大きな変革をもたらすことから、取り組むべきことではあるが取りかかりにくいという側面を持っていると言えるでしょう。

参考:https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/190820.html

守りのDXだけが先行している

一方で、守りのDXは多くの企業で実行されているようです。こちらは業務の改善を目的とした取り組みが基本であるため、課題によってはクラウドシステムの導入やIT化により容易に実行できるためと考えられます。

このように守りのDXは実行しやすく、自社内で完結できるため多くの企業で取り組みが進んでいます。しかし現状はこれだけが先行し、攻めのDXまでたどり着けないことが多いようです。

守りのDXによって業務環境が改善されれば、社員はコア業務に集中できるようになります。それにより攻めのDXに取り組みやすくなると考えられますが、より高度な知識や経験が必要となるため、実行までに時間がかかってしまうと考えられます。

攻めのDXを実践するために

なかなか取り組みが進まない攻めのDX。では、実践するためにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、そのポイントを4つ紹介します。

組織体制・人材を強化する

攻めのDXは企業構造や事業全体に大きな変革をもたらす取り組みのため、デジタル技術や戦略に詳しい責任者が必要です。そこで近年注目されているのが、CIOとCDOです。

CIOは最高情報責任者のことで、社内の業務プロセス改善やセキュリティ管理のためにIT化を進める役割があります。CDOは最高デジタル責任者のことで、経営側の立場から企業のDXを推進させる役割があります。

特にCDOは経営側の立場から部門を横断して指示を出せるため、企業全体の変革を必要とする攻めのDXでは重要と言えるでしょう。また、ビッグデータから有益な情報を収集し、分析・解析を行えるデータサイエンティストもDXには欠かせない人材です。

守りのDXを成熟させる

攻めのDXを実践できる環境を作るためにも守りのDXを進めることが重要です。業務改善することで社員をコア業務に注力させることができます。

また、攻めのDXでビジネスモデルを変革していくためには、様々なデータが必要です。それには、製品やサービスの状況等も含まれます。これらのデータを蓄積、活用するためには守りのDXによるデータ化の環境整備が重要です。

影響範囲は異なりますが、守りを成熟させることは攻めに繋がるということを覚えておきましょう。

小さな失敗を恐れない

DXにおいて、小さな失敗を恐れる必要はありません。今後、失敗を恐れ変革が進まなければ、デジタル技術を応用する他社に後れを取ってしまうことになります。

DXではデジタル技術を利用して検証を繰り返していく試行錯誤が重要です。そこからさらにデータを収集して分析、改善してまた検証するというように、トライアンドエラーの精神を持つことが大切と言えるでしょう。

目的を明確にして計画を立てていくことももちろん大切ですが、失敗を恐れずスピード感を持って取り組むことも同様に大切です。

成功事例を体験しよう

先述したように、失敗を恐れることはありません。失敗を繰り返すことでデータの蓄積や分析がより進み、成功に繋がると考えられます。こうして試行錯誤の上で成功した体験は、DX担当者や各社員のモチベーションやチームの士気を高めることに繋がるでしょう。

そして、成功したビジネスモデルは消費者や顧客、ユーザー等からも注目を集めるようになります。この成功事例のアプローチやプロセスから応用して、さらなる変革を創出することもできるでしょう。

まとめ:攻めのDXを理解して実現しよう

本記事では、攻めと守りの違いや、攻めのDXの実施状況、問題点、進めていくためのポイント等について紹介しました。目的や影響範囲が異なる2つですが、完全に独立しているというわけではありません。攻めのDXを進めるためにも、守りのDXを成熟させることが大切と言えるでしょう。

これからの時代、さらにデジタル技術を活用したビジネスは増えていくことでしょう。流れに乗り遅れないためにも攻めのDXについての理解を深めておくことをおすすめします。

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