自社の受発注業務に課題を感じ、受発注システムの導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、受発注システムを導入することで得られるメリットをお伝えするとともに、導入時の注意点や選ぶ際のポイントをご紹介します。
受発注システムを導入するメリットとは
受発注システムを導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
実は、単に受発注やり取りがWEBシステム上でのやりとりに置き換わる以上のメリットがあります。下記で、具体的なメリットを6つご紹介します。
受発注のやりとりや入力作業の負担軽減
受発注システムを導入することで、受発注業務の担当者が一つ一つ対応していた、細かなやりとりがシステムで自動化されます。
また、担当者による入力作業も自動処理へ置き換わるため、業務負荷を大きく軽減することができます。
担当者が直接対応する方法の場合は、受注の量が増えた際に対応に時間がかかったり、対応漏れ等の人的ミスも発生しやすくなります。受発注システムを用いることによりこれらの課題を抜本的に解決することができます。
受発注機会の増加
従来の電話やメールによる受発注方法の場合は、必ず人が直接対応する必要があります。そのため、早朝や夜間等の営業時間外には受発注を行うことができませんでした。
しかし、受発注システムの導入により、営業時間外には対処できなかった処理を自動で24時間いつでも行うことが可能となります。
受注処理から出荷指示、そして出荷対応までを高速で処理できるようになるため、受発注数の最大化に貢献します。加えて、顧客側の立場に立った場合でもいつでも発注ができるため、発注の機会損失が起こりません。
仕入れや受注金額・内容のリアルタイム把握
受発注システムで処理されたデータは、すべて必要な時にシステムで確認することができます。
仕入れの発注内容から受注金額の合計・受注内容まで、いつでもリアルタイムに確認することが可能です。
システム上ですべての情報を自動で処理できるため、発注書と出荷履歴を照合したり、発注書を保管して合計金額を後日計算したり等の面倒な手間がかかりません。
受発注システムによって月次決算が早期化できる
受発注金額を自動で計算してくれるため、毎月の月次決算もスムーズに行うことができます。
月末月初のタイミングは、売上の締めや請求書の発行等の業務が増えがちですが、受発注システムがそれらを自動で正確に行ってくれます。
システム上で既に合計金額等が自動で計算されているため、手作業で集計して計算するといった従来の業務から開放されます。
受注ルートの集約による業務効率化
受発注作業は、昔からの慣習により、作業方法がメールや電話、FAX等取引先によって多岐に渡る場合があります。
お客さんごとにやり方が異なると、作業効率が悪いだけでなく、確認漏れに繫がるリスクもあります。
受発注システムの導入を通じて、すべての受発注を集約・一元化することで、業務効率を大幅に向上させることができます。それにより、受注確認漏れや対応漏れといった人的ミスの発生も減らすことができます。
ペーパーレス化
紙の利用が増加すると、保管管理の手間や紛失のリスクが高まります。
しかし、受発注システムを導入することで受発注のやりとりをすべて管理でき、FAXの注文用紙や納品書・請求書等の紙媒体の削減に繋がります。
ペーパーレス化を推進することで、不必要な保管スペースの削減や環境への配慮等SDGsを意識したオペレーションを行うことができます。
受発注システムを導入するデメリットとは
多くのメリットが存在する受発注システムですが、導入する上で考慮すべきデメリットもあります。
そのため、受発注システムを実際に導入する際には、メリットの部分だけでなく下記で解説するデメリットへの対応方法を事前によく確認しておくようにしましょう。
導入コストがかかる
受発注システムを導入する上では、当然導入コストが発生します。
月額課金制のSaaS型かパッケージ型、あるいは0から自社用のシステムを構築するフルスクラッチ型、等システムの種類によって導入コストは大きく異なります。
そのため、受発注システムを導入することで得られるメリットや削減できるコストが、導入コストと見合っているかどうか慎重に検討を行いましょう。
得意先の理解が必要
受発注システムとは、自社だけで使用するものではありません。実は、得意先が利用してくれることで初めてメリットが得られます。
得意先によっては、長年メールやFAXでの発注を行っており、システムの利用に抵抗があるということも少なくありません。導入メリットを伝えるだけでなく、使い方をレクチャーする、等取引先への積極的なサポートが必要です。
社員教育が必要
利便性の高い受発注システムですが、使いこなすにはシステムへの習熟度の高さが必要です。
そのため、受発注システムを導入する際には、従業員に対して使い方のレクチャーや勉強会を行う必要があります。
システム導入にあたっては、自社社員への落とし込み期間等にも充分気を配りましょう。
受発注システムを選ぶ際の注意点とは
実際に受発注システムを選ぶ際は、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。下記で、システムを選ぶ際の注意点を5つご紹介します。
BtoB向けの機能が充実していて、導入実績が豊富か
受発注システムと一口に言っても、BtoC向けとBtoB向けでは仕様が大きく異なります。企業側の業務改善を目的としてシステムを利用するため、BtoB向けに設計された機能が備わっていることが大前提です。
企業のやり取りを想定した機能の例としては、顧客ごとに取引条件や掛け率等の価格の個別設定ができたり、顧客発注担当者向けのログイン画面等があります。
また、同業種企業への導入実績が豊富かどうかも確認しましょう。導入実績の有無は勿論のこと、同業他社の実績があるか否かは、システムの品質を精査する上で重要な情報となります。
自社の商習慣・業務内容に合わせてカスタマイズできるか
受発注システムの機能が、自社の商習慣や業務内容に合わせてカスタマイズ可能かどうかも重要な項目です。
せっかく導入したのにも関わらず、いざ使ってみたら自社のやり方にフィットしないという状況は避けなければいけません。
デフォルトの機能ではどのような課題が生まれそうか、そしてカスタマイズによってそれが解決できるかどうか事前によく確認しておきましょう。
基幹システムや業務ツールとのデータ連携が可能か
受発注システムは、データ管理を自動的に実施できることがメリットです。
しかし、自社の基幹システムやほかツールとのデータ連携ができなければ、手入力の作業が発生し、メリットがなくなってしまいます。
システム単体で性能の高い機能を備えていた場合でも、データ連携ができなければ手作業が発生する等メリットを活かし切ることができません。そのため、自社システムとのデータ連携の可否は必ず確認すべき項目です。
スマホやタブレットでの受発注が可能か
PCだけでなく、スマホやタブレット端末でも受発注が可能かどうかも確認しておきましょう。事実、受発注を実施するケースは、自分のデスクにいる時だけとは限りません。
取引先がスマホやタブレットで発注することができれば、発注機会を逃さず大きな優位性を築けます。そのため、受発注システムを導入するならマルチデバイスに対応したものを選びましょう。
運営会社に受発注システムのノウハウ・サポート体制があるか
受発注システム導入の際には、使い方のレクチャーや不明点へのサポート体制があるかどうかも確認しましょう。
様々な機能が搭載された受発注システムは、使い方に慣れるまで一定期間を要します。システムの提供会社に活用ノウハウや万全のサポート体制があれば、導入の際のハードルを下げることができますので、事前確認を忘れないようにしましょう。
まとめ:適切な受発注システム選びで自社にあった業務効率化を!
今回は、受発注システムのメリットや導入の際の注意点についてご紹介しました。受発注システムは、上手く活用することで自社に大きなメリットをもたらします。
自社の受発注業務をより正確かつ効率的に行えるとともに、利用する顧客側にも大きなメリットを提供できる点が特徴です。
顧客の満足度を上げることができれば、今後の売上拡大にも繋がります。よって、自社の受発注対応に課題を感じている方は、受発注システムの導入について検討してみましょう。