入金消込をエクセルで自動化する方法!メリット・デメリットも徹底解説

企業が債権の回収や各種支払いを行った際の業務に「入金消込」があります。入金があった項目を確認する作業のため、頻繁に行います。しかし、消込業務は煩雑でミスが起こりやすいという問題も抱えています。そのため、入金消込は自動化を行う企業が多くあります。

本記事では、経理や会計担当者の必須業務である入金消込について、その概要から具体的な方法までを網羅して解説します。効率的な作業方法を知り、スピーディーな業務遂行を目指しましょう。

入金消込とは?

ここでは入金消し込みの概要を解説します。
入金消込は、取引先の債権残高を入金情報と照らし合わせ、入金済みの項目を消し込んでいく作業を指します。

多くの企業は取引先に対して、月末にまとめて支払いを依頼する「請求書払い」を採用しています。この請求書払いは、帳簿上は「掛け払い」として扱われ、支払われるまでは「売掛金」として計上されています。

この売掛金が、請求書を発行して支払われることで、入金済みとなります。そして、入金の確認後に取り消す処理が「入金消込」です。

入金消込を行うことで「取引先から入金されたか」「債権残高は合っているのか」を把握でき、正確な資金の動きがわかります。

そもそも「消込」とは?

入金消込の意味は理解できましたが「そもそも消込って何?」と疑問を持つ方もいるでしょう。確かに「消込」は、普段聞き慣れない言葉ですよね。

「消込」は、企業における入出金情報を帳簿と照らし合わせ、売掛金等の「債権」や買掛金等の「債務」の残高を消していく作業を指します。入金と照らし合わせながら消していく今回の作業を「入金消込」と言い、一方で支払いと照らし合わせながら消していく作業を「支払消込」と言います。

入出金の照合を行い、確認が取れた項目を消す、この流れを「消込」と呼びます。

入金消込は煩雑になりがち

企業が取引先との金銭的やり取りを正確に把握するために欠かせない入金消込ですが、その作業は細々と複数回にわたって行うため、わずらわしさを感じることもあります。

特に取引先件数が多い企業の場合、日々複数社から入金がありその都度対応するため、処理の漏れがあったり、未入金の取引先にもかかわらず誤って消込処理をする可能性もあります。そのため、入金消込や支払消込は「面倒だな」と感じる担当者も多くいます。

しかし、煩雑な消込業務はエクセル等のツールを活用して自動化を行うと、担当者のストレスを削減できます。次からは入金消込を自動化する流れを確認していきましょう。

入金消込を自動化するうえで大切なこと

ここでは、ツールを活用し入金消込を自動化する際に知っておきたい考え方を紹介します。

入金のたびに手動で行う入金消込は、エクセルや会計システムの導入で自動化が可能です。しかし、入金消込の完全自動化は難しいため注意が必要です。

理由としては「取引先ごとに支払いのタイミングが異なる」ことが挙げられます。企業が取引先に請求書を出した際、入金は各取引先のタイミングにより異なります。もし「全取引先が15日支払い」と決まっていれば自動化は容易ですが、取引先によって入金日が異なることが大半のケースです。そのため消込は定型化が困難です。

さらに支払い方法も様々で、「半分は現金。半分は手形」という企業も多くあります。支払日と支払い方法の多様性から、消込作業の完全な自動化は難しいと言われています。

そのため、入金消込の自動化を目指す際は「完全自動化」よりも「企業内でできることから自動化」という認識で進めることをおすすめします。具体的には、企業規模に合わせて、まずは身近なエクセルを使った自動化からはじめると、従業員にとって無理なく進められます。

入金消込作業をエクセルで行う具体的な方法

ここでは、エクセルで入金消込を行う際の具体的な方法を見ていきましょう。
今回は3つの方法をご紹介します。

無料でダウンロードできる入金管理表を使用する

入金消込は「入金管理表」に基づいて作業します。そのため、最初は管理表のテンプレートを作成する作業が必要になります。しかし、入金管理表には「取引先名」「金額」「入金期限」等、記載する項目が多くあり、自社でのテンプレート作成は手間がかかります。

そのため、エクセルではじめて入金消込作業をする際は、無料のテンプレートを活用しましょう。最近は無料でテンプレートを提供するサイトが多くあります。そのため、いくつかのデザインをダウンロードし、自社の作業に適したテンプレートを選択しましょう。

エクセルマクロを使用する

取引先件数が多い企業の場合は、マクロの活用がおすすめです。マクロはエクセルで行ったことのある作業を自動化できるため、作業時間の大幅な短縮を目指せます。設定は少しスキルが必要ですが、運用だけであれば比較的簡単に作業ができます。

エクセル関数を使用する

取引先件数が少ない企業の場合は、エクセル関数を使用した処理が適しています。関数はそれぞれ目的に合わせた計算式をセルに入力することで、値を返してくれる機能を指します。
入金消込には以下の関数が活用できます。

・「SUMやSUMIF」等、指定範囲の合計を表す関数
・「VLOOKUP」条件が該当する箇所を、任意の範囲から探す関数

管理表をスクロールして該当する項目を探すには、時間がかかります。しかし、関数を適切に使うことで探す時間を短縮でき、効率化を図れます。

これら3つの方法を自社のボリュームや従業員のレベルに合わせて選択しましょう。

入金消込をエクセルで行うメリット・デメリット

最後に、ここではExcelで入金消込をする際に考えられるメリットとデメリットを解説します。便利なメリットだけでなく、デメリットを知ることが大切です。

入金消込をエクセルで行うメリット

エクセルは多くの企業が導入しているツールのため、使いこなせる方が多い傾向にあります。そのため、「エクセルを使える人であれば誰でも作業できる」点がメリットです。

さらに、エクセルには関数やフィルタを使った絞り込み機能があります。そのため、膨大なデータ量を効率的に管理できる利点もあります。

入金消込をエクセルで行うデメリット

エクセルで入金消込を行うデメリットは「管理内容が複雑」「最終チェックは人力」という2点です。
エクセルで効率的に入金消込を行うには、マクロの設定が必要です。マクロはプログラミングのため、エクセル使用者の中でも使いこなせる人が限定されます。そのため「普通に入金消込はできるけど、マクロを使ったものは無理」という方も出てくる可能性があります。
もちろん、マニュアル等を作成し、使い方を周知すると効果的ですが、なかなか浸透せず業務が属人化する可能性も懸念材料です。

また、入金消込をエクセルで行ったとしても、最終確認は人力です。さらに会計システムを利用する企業の場合は、システムへの入力も別途必要になります。
そのため、チェック漏れやミスが出る可能性があります。取引の件数が少ない企業ではエクセルで事足りますが、件数を多く取り扱う場合は、外部のシステムを利用する方が効率的です。

まとめ:入金消込作業はエクセルで効率的に行おう

今回はエクセルで入金消込作業を行う際に知っておきたい情報を紹介しました。
エクセルは汎用性が高く、誰もが使いこなせるツールのため企業が導入しやすいメリットがあります。
しかし、より効率化を求めると作業が属人化してしまい、かえって非効率になる可能性もあります。そのため、エクセルで入金消込をする際はマニュアルの準備や、作業内容の周知を徹底することが大切です。

また、エクセルでの作業に不安を感じる場合は、会計システムの導入も効果的です。自社の入金消込効率化のため、是非検討してみましょう。

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oneplus編集部

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