優秀な人材の確保と定着のアイデア・企業の取り組み事例も紹介

「求人を出しても応募者が来ない」「従業員がすぐに辞めてしまう」等、人材確保に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、優秀な人材を確保するための採用や定着におけるアイデアや、人材確保に成功した企業の取り組み事例について紹介します。是非参考にしてください。

企業の人材確保が困難な状況にあるのはなぜか

①労働人口の減少が進んでいるから

企業の人材確保が困難になっている理由のひとつに、少子高齢化の影響を受けて、労働人口の減少が進んでいることが挙げられます。

日本では急速に少子高齢化が進んでおり、2008年をピークに総人口が減少し続けているのです。そのため、総務省の統計によると、高齢者や女性の労働参加によって増加していた労働人口も、2020年には減少に転じています。人口減少による若年層の減少は、今後も労働人口の減少に大きな影響をもたらすでしょう。

②企業の人材確保の取り組み自体に課題があるから

人手不足の原因は、労働人口の減少だけではありません。企業の人材確保の取り組み自体に課題があることが、この状況を生み出しているのです。ここでは、3つの課題について見ていきましょう。

採用活動に対する設計力・実行力に不足がある

採用活動に対する設計力・実行力が不足している場合は、いくら求人募集しても、応募者が集まらないというケースも少なくありません。また、たとえ面接を実施しても、求めている人材とは限らないのです。

その原因として、採用活動において適切な発信ができていないことが考えられます。自社の魅力や他社との違いを明確に提示できなければ、応募者は集まりません。また、業務内容や条件がわかりづらい場合は、企業と求職者の間でミスマッチが起きる可能性が高くなります。

離職理由の把握とそれに対する改善ができていない

人材を確保するためには、今いる従業員が辞めないようにする必要があります。しかし、離職理由の把握とそれに対する改善ができていない場合は、従業員が離れていくことを止められません。

例えば、本当の離職理由が「上司のパワハラ」の場合は、それを把握して改善できなければ、ほかの従業員も連鎖的に辞めてしまう恐れがあります。また、給与に不満がある場合は、把握していても改善が難しいため結果的に放置することになり、優秀な人材を失うことになるかもしれません。

企業側が求めるスキルが高すぎる

採用にあたっての企業側が求めるスキルが高すぎる場合も、人材確保を困難にしています。

例えば、〇〇業務経験5年以上や、〇〇の資格保有者、大卒(MARCH以上)等、企業が求める人材要件が高いと、それに当てはまらない求職者は応募することさえできません。

反対に求職者にとって、高い要件に見合った給与ではない場合や、労働時間、待遇、福利厚生等の労働条件が魅力的ではない可能性もあります。

優秀な人材確保のために企業がすべきことは「採用」からの「定着」

優秀な人材確保のために企業がすべき取り組みには「採用」と「定着」という2つの要素があります。この2つの要素は、どちらかに注力するのではなく、バランスを意識してどちらもうまく機能するように取り組むことが大切です。

ここからは「採用」と「定着」を成功させるためのアイデアについて、それぞれ見ていきましょう。

【採用を成功させるためのアイデア】

①求人情報・媒体・掲載数を変えてみる

求職者にとって、わかりやすい求人情報になるように内容を変えてみましょう。特に業務内容については、詳しく記載すると求職者が入社後にどのような業務を担当するのかイメージしやすくなります。業務内容が明確になると、企業側も求める人材を集めやすくなるでしょう。

また、求人を掲載する媒体や掲載数を変えてみると効果的なケースもあります。例えば、その媒体を見ている年齢層が自社の求人内容に適しているか等、それぞれの媒体の特徴も確認すると良いでしょう。ほかにも、近年増えてきた企業側が「スカウト」を行う採用サービスの利用もひとつです。

②求める人材の範囲を広げてみる

求める人材の範囲を広げてみましょう。例えば、外国人や障がい者の採用枠を新たに設けることも、採用を成功させる方法のひとつです。様々な人が働ける環境を整えると、人材を確保しやすくなるでしょう。

また、求める人材要件の高さが採用を困難にしている場合は、要件を減らすことも検討しなければなりません。業務経験年数や資格の有無等、不要な要件を取り除いてハードルを下げることで、対象となる求職者の範囲を広げましょう。

③企業の魅力・強みを伝える

企業の魅力や強みを、採用担当者が求職者にしっかり伝えられるようにしましょう。

仕事のやりがいや、給与、福利厚生、教育制度の有無、評価の方法等、自社のアピールポイントを伝えて、求職者に「この会社に入りたい」と思ってもらうことが重要です。そのためには、採用担当者がアピールポイントをあらゆる方向から検討して、しっかりと把握する必要があります。

また、社内の人間と直接話すことで企業の魅力がより伝わることもあるので、面接を実施する際に、採用担当者以外の社員と話す機会を設けることも検討してみましょう。

④採用手順を改善する

採用手順を改善して、求職者を逃さないようにしましょう。

採用までの面接が何度もあったり、採用の進捗状況が遅かったりすると、早く内定が欲しい人や優秀な人が他社へと流れてしまうことも珍しくありません。そのため、採用手順を見直して、面接回数を減らす等、内定までの期間を短くする努力が必要です。求職者も「面接から内定まで〇日以内」等の期間設定があると、計画が立てやすく、前向きに検討しやすいでしょう。

⑤働き方(労働条件)を多様化する

働き方(労働条件)を多様化しましょう。「すべての従業員が会社に出勤してフルタイムで働く」という時代は終わりました。これからは、従業員の個人的な事情や考え方を考慮して、労働条件を多様化していくことが求められます。

リモートワークや時短勤務、フレックスタイム制、副業制度、育児や介護への支援等、多様化を理解して新しい働き方を導入できれば、採用は容易になるでしょう。

とはいえ採用活動にはリソースが必要です。

また、最適な方法が分からない、うまくいかない、という課題が顕在化することもあります。新たなリソース確保や、実績をベースにしたノウハウ教授を受けることで、採用活動を最適化する方法もあります。例えば、採用代行サービスを展開している企業へOSする等です。

採用代行サービスの比較:「採用代行(RPO)サービス比較30選!採用アウトソーシング会社の費用や特徴を解説

【定着を成功させるためのアイデア】

①新入社員の受け入れから教育への体制を改善してみる

新入社員の受け入れから教育への体制が適切かどうか見直して改善してみましょう。

新入社員の受け入れ方法を、あらかじめ全社員に研修等によって周知しておくと、配属先の上司や同世代の同僚、人事担当者といったあらゆる方面からのサポートが可能になります。

また、任せる業務内容も、新入社員がこの先やっていけるか不安にならないように調整しなければなりません。新入社員の能力に合わせた教育ができるように、メンター制度を導入することや、研修制度を充実させることも検討しましょう。

②評価制度の作成や見直しを行う

評価制度の作成や見直しを行いましょう。

人材が定着しない原因のひとつに、評価制度への不満があります。評価の基準があいまいで上司の主観によって評価が決まる等、公平さに欠ける場合は、従業員のモチベーションが著しく低下するため離職にも繋がってしまいます。

そのため、評価制度の基準を明確にして、評価の詳細を従業員にフィードバックすることが大切です。納得できる評価制度であれば、目標達成に向けて意欲的に働くことができます。

③キャリア・スキルアップの場を提供する

従業員にキャリア・スキルアップの場を提供しましょう。成長するための場所が設けられていない場合は、成長できる環境を求めて転職してしまう従業員も少なくありません。そのため、常にキャリアやスキルを向上していけるような環境を作ることが大切です。職種や階層別の研修の実施や、社外研修の費用支援等も効果的と言えます。

また、社員が望むポストや職務に就くための道筋を明確に示す「キャリアパス制度」の導入も検討してみましょう。

④管理職に対する研修にも力を入れる

新入社員だけでなく、管理職に対する研修にも力を入れましょう。人材の定着を図るためには、マネジメント力の高い管理職が必要不可欠です。

マネジメント力とは、様々な人材が活躍できる環境を作り、組織として生産性を向上させられる力のことです。従業員が能力を発揮できる環境にいると、モチベーションの向上にも繋がるので、定着率を高める要因となります。

⑤職場環境を適正に管理する

職場環境を適切に管理しましょう。残業や休日出勤等によって長時間労働になっていないか、有給休暇がきちんと取得できているか等、従業員の健康が守られる環境を作らなければなりません。

また、快適な職場環境を作ることも、従業員の満足度を高めることから、定着率のアップに繋がります。デスクを固定しないで仕事をするフリーアドレスの導入や、ドリンク提供による福利厚生の充実等、快適な職場環境を作る対策を立てましょう。

【人材確保の近道】参考にしたい取り組み事例

事例1.某不動産業

某不動産業では、早くからテレワークの導入に取り組んできました。求人の際に「テレワークを活用した柔軟な働き方が可能」と記載すると、前年と比べて中途の求人が3倍ほど増加したそうです。また、働き方の多様化に取り組んでいることを伝えていくうちに、県内の「新卒採用ランキング」の上位にランクインするようになりました。

別の企業では、社内見学や面接をじっくり行い、自分なりのビジョンがあると感じた人だけを採用するようにすると、売上や定着率が高まりました。

事例2.某情報・通信業

某情報・通信業では「昼寝時間を設ける」という取り組みを行いました。午後1時から4時までを自由時間とする制度で、昼寝や食事をしたり、映画を見たり、ジムに行ったりと、自由に過ごすことができます。

この制度は仕事の効率化を目的として導入されましたが、実際に、従業員のコンディションが良くなり、生産性が向上しました。

事例3.某建設業

某建設業では、社長が体調を崩したことをきっかけに、働き方改革に取り組みました。残業や休日出勤をなくすために、思い切って建設を請け負う地域を狭めて移動時間を減らしました。遠方から入った仕事に関しては、同業者と提携を結んで紹介しあう方法を取り入れています。

働き方改革に取り組んだ結果、残業や休日出勤をなくすことで、特に若手の応募者が急増しました。

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このように、経理の業務量を大幅に削減できるので、残業や業務負担が少なくなり、労働条件の改善に繋がります。業務に余裕が生まれるため、人材確保の必要がそもそもなくなる可能性もあるでしょう。また、採用活動に力を注げるようになります。

まとめ

今回の記事では、人材確保を困難にしている理由が、労働人口の減少だけでなく、企業の取り組み自体にも課題があることに触れました。それらの課題を踏まえて、人材確保を成功させるための「採用」と「定着」に関するアイデアを紹介しましたので、自社に適した取り組み方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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oneplus編集部

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