働き方改革補助金とは?対象となる取り組みや4つのコースを詳しく紹介!

これからの労働環境をより良いものにしていくためにも、働き方改革は重要な役割を果たしています。しかし、企業によっては導入時にかかる費用負担が大きく、なかなか取り組み始められないということもあるのではないでしょうか。そこで活用したいのが、中小企業が取り組みやすいよう国から補助金を出す制度です。

本記事では、働き方改革補助金の内容や目的を4つのコースに分けて詳しく紹介します。推進を検討している中小企業は是非参考にしてみてください。

働き方改革補助金とは

正式名称は「働き方改革推進支援助成金」です。働き方改革に取り組む中小企業を対象として、改革実行のための環境整備を補助する目的で、費用の一部を国が負担する制度です。働き方改革は、多様で柔軟な働き方を可能とする環境づくりを目的に取り決められました。

しかし、環境整備のためにはコストや労力がかかります。特に、デジタル技術を利用したシステムの導入等は環境整備には欠かせませんが、初期費用が多額になることもあるでしょう。このように、取り入れたくても費用の問題で取り組めないという企業を助けるためにもこの助成金制度は非常に重要な役割があります。

対象となる取り組み

では、具体的にどのような取り組みが助成金の対象となるか把握できていますでしょうか。厚生労働省が提示している対象となる取り組みは9つあります。

①労務管理担当者に対する研修
②労働者に対する研修、周知・啓発
③外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士等)によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取り組み
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

補助金の申込期限

補助金はいつまでも申請できるわけではありません。申込期限は2022年11月30日です。ただし、支給対象事業主数や予算額には制限があるため、上限に達した場合は、申込期限よりも早く締め切られる可能性がありますので注意しましょう。

また取り組み状況については、交付決定の日から2023年1月31日までに実施する必要があります。申し込むにあたって事前に取り組み内容の計画を立てておくと良いでしょう。

そもそも働き方改革とは?

多様で柔軟な働き方を自分で選択できる環境を整備する取り組みです。現在、社会では男性や女性、育児や介護がある人、高齢者等、様々な人が仕事をしています。それぞれが事情を抱えており、中には長時間の勤務が難しいという方もいるでしょう。

近年、そのような人々が制限されることなく働ける環境づくりが求められています。その背景には、労働人口の増加や出生率の上昇、労働生産性の上昇等の目的があります。今、日本が直面している少子高齢化問題を解消するためにも、これらの目的を達成することは欠かせません。

【働き方改革推進支援助成金】4つのコースを紹介

助成金には4つのコースがあります。取り組みの内容によってコースが変わりますので、申請を検討している方は覚えておきましょう。ここでは各コースの目的や対象者、申請条件等について紹介します。

①勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバルとは、過労働防止を目的に勤務終了後から次回の勤務まで一定の間隔を設ける制度です。長時間労働や過労働等による労働者の健康を損なわないために作られました。この制度の導入を支援するのが勤務間インターバル導入コースです。

対象となる事業主の条件は、以下に該当する中小企業事業主です。
・労災保険を適用している
・勤務間インターバルを導入していない事業主である(対象となる労働者が所属する労働者の半数以下、9時間未満での導入も含む)
・交付申請時点および支給申請時点で、36協定の締結・届出がされている
・原則、過去2年間に月45時間以上の時間外労働の実態がある
・交付申請時点で、年5日の年次有給休暇を取得できるよう就業規則等の改定を検討している

対象となる取り組みは、休息時間数が「9時間以上11時間未満」または、「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図ることです。

②労働時間短縮・年休促進支援コース

こちらのコースは、生産性の向上や時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む企業を支援するための制度です。労働時間の短縮や休暇の整備は多様な働き方を実現するために欠かせない取り組みと言えるでしょう。

対象となる事業主の条件は以下に該当する中小企業事業主です。
・労災保険を適用している
・交付申請時点で、成果目標の設定に向けた条件を満たしている
・交付申請時点で、年5日の年次有給休暇を取得できるよう就業規則等の改定を検討している

先述した成果目標とは以下の通りです。
・36協定に則り、時間外・休日労働時間数を削減し、上限を月60時間以下または月60時間以上80時間以下に設定して所轄労働基準監督署長に届け出を行う
・年次有給休暇を計画的に付与するための規定や、時間単位の年次有給休暇の規定を導入する
・特別休暇の規定を1つ以上導入する(病気休暇、不妊治療のための休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇)

③労働時間適正管理推進コース

こちらのコースは、生産性の向上や労務・労働時間の適正管理の推進に向けた環境整備に取り組む企業を支援するための制度です。また、2020年4月1日から、賃金台帳等の労務管理書類の保存期間が5年(当面の間は3年)に延長されています。

適正管理に必要なシステムの導入を補助してもらえるため、初期費用のねん出が難しい企業でもこのコースを利用すれば、費用を抑えてシステム導入が可能です。

対象となる事業主の条件は以下に該当する中小企業事業主です。
・労災保険を適用している
・交付決定日前に、勤怠管理と賃金計算等を一括管理する統合管理ITシステムを取り入れていない
・交付決定日前に、労務管理書類の保存期間を5年とする就業規則等が規定されていない
・交付申請時点で、36協定の締結・届出がされており、年5日の年次有給休暇を取得できるよう就業規則等の改定を検討している

達成すべき成果目標は以下の通りです。
・統合管理ITシステムを利用した労働時間管理方法を適用する
・労務管理書類の保存期間を5年とする就業規則等を制定する
・「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に関わる研修を労働者や労務管理担当者に対して行う

④団体推進コース

上記3つのコースとは異なり、企業個人ではなく団体が対象となります。傘下企業の労働条件改善のために実施される、時間外労働の削減や賃金引上げを目的とした取り組みを支援するコースです。

対象となる事業主の条件は以下に該当する中小事業主の団体です。
・原則3事業主以上で構成され、1年以上の活動実績がある
・労働者災害補償保険の適用事業主である
・中小企業主の割合が、構成事業主全体の半分以上である

申請条件は成果目標の達成ではなく、達成に向けての取り組みが必要となり、内容は以下の通りです。
・時間外労働の削減や賃金引上げを目的とした改善事業に取り組む
・構成事業主全体の半分以上がその取り組みや結果を活用する

まとめ:中小企業は働き方改革推進支援助成金の利用をおすすめします

本記事では、働き方改革補助金の内容や目的を4つのコースに分けて詳しく紹介しました。働き方改革を推進して労働環境の改善を行いたくても、実施には多額の費用がかかってしまうこともあるでしょう。そのため、中小企業ではなかなか取り組めずにいることも多いのではないでしょうか。

今回紹介した補助金制度を利用すれば、初期費用を抑えて取り組みを実施することが可能なため、働き方改革の実施を検討中の企業は是非利用してみてください。

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