働き方改革による評価方法の変化に対応しよう!具体策を解説

2018年度からはじまった働き方改革により、企業の業務形態や労働時間に大きな変化が訪れています。業務内容の見直しや労働時間については改善が進みますが「評価方法が対応しきれていない」とお悩みの企業が増加しています。

本記事では、働き方改革によって変化を強いられる人事評価について解説します。

働き方改革は3つのポイントが重要

一口に働き方改革と言っても、中には様々な項目や意図が含まれています。ここでは、働き方改革を正しく理解するために、主に話題となる3つのポイントを解説します。

①時間外労働の上限規制

働き方改革により法改正では、時間外労働に関しての上限が設けられました。具体的には、「原則として月45時間・年360時間」が上限となります。

また、月に45時間を超えることができるのは年に6か月までと細かい設定がありますので、企業は時間外労働に関してシビアに監視していくことが求められます。

②有給休暇取得の義務

2019年5月からは、有給の取得も義務付けられました。企業は従業員に年5日の有給休暇取得を義務付けられており、違反した場合は一人あたり30万円の罰金が科せられます。

③雇用形態による不合理な待遇差別の撤廃

雇用形態は様々ですが、雇用形態によって待遇に差をつけることはできません。例えば、正社員と同じ業務量にもかかわらず、契約社員の方が明らかに待遇が悪い場合はその差を解消することが求められます。

「同一労働同一賃金」という言葉で表現されているため、メディアで耳にする機会があるでしょう。

働き方改革が人事評価に影響する3つの視点

従業員に対して効果的と思われている働き方改革ですが、昇給や昇格等に関わる人事評価にも影響を及ぼします。ここでは、働き方改革が人事評価に与える影響を紹介します。

①フレックスやテレワークの発生で評価が難しくなる

働き方改革は、様々な境遇の人が快適に働けることを目指しているため、フレックスタイム制度やテレワークの選択肢もあります。しかし、勤務時間がずれたり在宅で仕事をしている従業員の評価は難しく、どうしても差が生じます。

②成果が可視化しにくくなる

働き方改革によって、個々人の成果を可視化しにくくなる問題も見過ごせません。特にテレワークの場合は、勤務態度を確認できず結果だけを確認することになります。

しかし、結果だけでなくプロセスで成果を出す従業員や、業務の場合は正しい勤務態度の評価が不可能です。

③判断基準にばらつきが生じる

テレワークやフレックスタイム制度の導入で、評価対象者と顔を合わせる機会が減少すると、評価の判断にも差が出てきます。

例えば、普段から公私ともに付き合いがある上司からすると、プライベートでも仕事の進捗を聞けるため「結果は出ていないが、あの人は頑張って取り組んでいる」と勤務態度を高評価と判断できます。しかし、深い付き合いがない判断者の場合は「人柄を知らない。しかし、結果として出ていないから評価は低い」という判断を下される可能性があります。

その結果、評価を行う担当者によってばらつきが生じ「あの人はなんでこんなに評価が高いんだ、おかしい」と、社内不調和の原因になることも考えられます。

新型コロナウイルスの流行が働き方に関する価値観の変化を加速

テレワーク等の働き方は、新型コロナウイルスによって急速に導入が進みました。そのため、これまでは考えもしなかったであろう企業で「在宅での人事評価」という難しい問題に直面しています。

「テレワークをせざるを得ない状態」により、急速に浸透した働き方によって、制度だけが置いてけぼりの状態になっています。しかし、ウイルスの流行を逆手に取って「急速に働き方改革を進めるチャンスにする」というポジティブな考え方も広がりはじめています。

働き方改革の中でも正確な評価をする方法は?

ここからは、働き方改革によって変化が求められる人事評価の中で正確に評価を行う方法を紹介します。属人化を防ぎながらより正確な評価を行うためには「評価項目の細分化」「上下からの評価」「システムの活用」が大切です。

①評価項目を細分化して明確にする

働き方改革によって、労働時間が減ったりテレワークの導入が進むことで、人と人とが顔を合わせる機会が減少します。この問題を解決するためには、評価項目の細分化が必要です。

具体的には、これまでは「勤務態度」「結果」にフォーカスしていた場合は「プロセス」にも着目します。そうすると、対象者が仕事を達成するまでの業務への向き合い方も把握できます。
また、テレワークの場合はチャットやメールが主なコミュニケーション手段ですが、これらのレスポンス能力やスピード感を項目に加えることも正確な判断に繋がるでしょう。

②上からの評価だけでなく下からの評価も検討

人事評価は上司からの評価がメインですが、横や下からの評価を加味することもおすすめです。部下や同期の従業員から評価をしてもらうことで、対象者を多面的に捉えることができます。
その結果、上司だけでは気付かなかったポジティブな面はもちろん、新たな課題も発見できます。

③人事評価システムを活用する

上記の方法のほかに人事評価にシステムを導入する方法も有効です。「人事にシステム?」と疑問を持ちますが、近年は人事評価もクラウド上で一括管理する企業が増加傾向にあります。

人事評価システムとは?

前項で紹介した「人事評価システム」について掘り下げていきましょう。
人事評価システムは、これまで人力で行なっていた作業をシステム上に反映させて管理することを指します。

特徴

人事評価システムでは「目標設定」「本人による振り返りの記載」「上長からの評価」「評価会議での結果」等、人事評価をする一連の流れをシステム上で管理・共有できる仕組みです。

ペーパーレスで行える上に、細かな目標の設定や個人のスキル管理も同時に行えるため、人事評価はもちろん、人事配置の判断材料としても効果を発揮します。

メリット

人事評価システムの導入は「業務の効率化」「適材適所の発見」というメリットをもたらします。人事評価システムは、人事評価に関する情報を一元管理するため情報の整理整頓が可能です。また、システム上で評価項目を確認できるため誰が見ても判断基準がわかりやすく公平性を保てます。

さらに、システム内には各従業員のスキルや細かな情報が記載されています。そのため、スキルや経験をもとに本人にとって適した部署への配属が可能になります。企業にとっても人材の適材適所配置はメリットです。

デメリット

人事評価システムのデメリットは「コストがかかる」という点です。システムを導入するには数万円〜数十万円のコストがかかります。そのため、小規模の企業では「費用がネックで導入に踏み切れない」というケースも目立ちます。

しかし、システムは機能によって費用が大きく異なります。導入をするしないを決める前に、まずは情報収集程度に、料金と機能を確認しておくだけでも良いでしょう。

まとめ:働き方改革で悩む人事評価はシステム導入がおすすめ

今回は働き方改革に伴って変化する人事評価方法について解説しました。
働き方改革によってテレワークやフレックスタイム制度等、様々な勤務の選択肢が発生しました。

しかし、働き方が変わると人事評価のあり方も変化が求められるため、担当者にとっては悩みの種となります。しかし、評価項目を見直したりシステムを導入することで時代の流れに対応することができます。

これまでは意識していなかったシステム導入も一度、検討してみてはいかがでしょうか。

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