バックオフィス業務は、一般的に経理や財務、労務・人事と呼ばれる仕事を指します。企業が安定して経営を行うためにはバックオフィス業務が必要不可欠です。
本記事では、会社運営に欠かせない、バックオフィスの重要性や効率化のメリットについて紹介していきます。
バックオフィスの基礎知識
バックオフィスとは、経理や財務といった直接の利益を生み出すことはないものの、企業にとって欠かすことのできない仕事を指します。
企業に属すると、自身がバックオフィスの業種についていなくても、多かれ少なかれ関わりを持つことになります。
まずはバックオフィスの基本的な知識から押さえていきましょう。
バックオフィスと呼ばれる職種と業務内容
一般的にバックオフィスと呼ばれているのは以下の業種です。
・経理
・財務
・人事・労務
・総務
・一般事務
経理や財務は、主に企業のお金を扱うことになります。
人事・労務は社員の採用や、従業員が働きやすい環境作りを進める仕事です。
採用のほかには、配置換えや転勤の手続き等も人事・労務の業務となります。
総務は社内全体で扱う物品の管理を行ったり、社内規則を整えるのが主な業務になっています。
バックオフィスが重要視される理由
企業活動において、バックオフィスが重要視されている理由は、扱っている業務が事務・会計機能を果たしているからです。
企業活動を進めていく上で、①生産機能・②販売機能・③事務・会計機能の3つの業務はいずれも欠くことはできません。
請求書の作成や必要な費用の支払いを滞りなく行わなければ、企業として対外的な信用を失ってしまいます。
また、社員の雇体系管理や必要な税金の支払いがないと、事業者としての責任を果たしていないとみなされる可能性もあります。
そのため円滑な企業活動には、バックオフィス機能の充実が必要不可欠です。
バックオフィス業務を効率化するメリットとは
企業にとって欠かすことのできないバックオフィスですが、業務を効率化することで、企業にとって多くのメリットが生まれます。
今回はバックオフィス業務を効率化することで生まれるメリットを5つご紹介していきます。
1.コスト削減
ひとつめのメリットはコスト削減に繋がる点です。
これまで人手をかけることで解決していた業務を整理し、業務内容の簡易化や電子媒体への移行を進めることで、人件費の削減に繋がります。
とくに、これまで紙媒体で行ってきた業務を電子媒体に移行することで、人件費だけでなく、印刷諸費用や印刷機器の維持管理費削減も期待できます。
コスト削減の見通しがたてば、新たに投資できる事業も明確になりますし、場合によっては、人手不足の現場に人員を当てることも可能になります。
2.ヒューマンエラーの防止
2つめのメリットはヒューマンエラーを防止できる点です。
バックオフィス業務は、必然的に数字を扱う業務が多くなります。
数字の入力ミスや入力漏れ、計算ミス等はあってはならないミスですが、人の手による作業にはミスがつきまとうものです。
業務の効率化を図り、会計ソフトの導入や計算ソフトを使っての業務に切り替えていくことで、初歩的なミスを防ぐことができます。
また、業務にかかる時間を短縮することができれば、1度に処理できる件数も増えるため、結果として生産性も向上します。
3.業務属人化からの脱却
3つめのメリットは、業務属人化から脱却できる点です。
経理や財務といった業務はある程度の専門知識が必要になるため、業務にあたる人が限られてしまうのは、致し方ない事実です。
しかし、あまりにも特定の人だけに依存してしまうと、その人がいなくなった時に大きな混乱を招いてしまいます。
そのため、誰でも簡単に扱えるツールで、複雑な手順を必要せずに業務を行える体制を整えておくことで、何が起きても最低限対応可能な組織を作ることができます。
4.残業時間の削減
4つめのメリットは残業時間を削減できる点です。
バックオフィス業務の効率化を進めていくことで、いままでかかっていた時間よりも短い時間で同じ量の業務をこなすことが可能になります。
結果として従業員の残業時間は減り、企業としての価値も上がっていきます。
残業せざるを得なかった業務も、就業時間内に終えることができれば、従業員の働くモチベーションも上昇します。
5.BCP対策・強化
5つめのメリットは、BCP対策・強化に繋がる点です。
BCPとは、Business Cotinuity Planningの頭文字をとったもので、日本語に訳すと「事業継続計画」となります。
紙媒体で経理や財務業務を行っていた場合は、予期せぬ自然災害で資料を紛失してしまうと、その後業務の継続が困難になります。
また、新型コロナウイルスのように、出勤が難しくなった場合は、紙媒体の業務は停止してしまいます。
バックオフィス業務の効率化は、緊急事態が発生しても柔軟に対応できる体制作りにも繋がっていきます。
バックオフィス業務効率化のためのツールとは
バックオフィス業務の効率化を進めていくためのツールは、数多くの企業・団体からサービスが展開されています。
今回は5つの用途をご紹介していきます。
1.情報系システム
ひとつめのツールは情報系システムです。
これまで紙媒体で行ってきた業務を、電子媒体へ移行していくうえで必要になるのが電子フデータの保管場所です。
社内にいなくても業務に影響がでないよう、クラウドサービスの導入を検討しましょう。
また、誰がどこにいてもリアルタイムでコミュニケーションが取れるよう、ビジネスシーン用のチャットツールやタスク管理ツールの導入もおすすめです。
2.基幹システム
2つめのツールは基幹システムです。
生産管理や在庫管理、販売・購買管理を行う基幹システムは、企業活動に必須となるツールです。
どの機能が最も重要になるのかは業種によって異なりますが、ツールの導入によって大幅に業務の効率化を図ることができます。
単純な計算は可能な限りツールで自動的に行い、人の手がかからないよう効率化を進めていきましょう。
3.ERP
3つめのツールはERPと呼ばれるものです。
ERPとは、基幹システムのひとつです。
ERPは、扱っているもので分類されている基幹システムを統合したシステムで、統合したものを一部の情報系システムとリンクさせることができます。
ERPを導入することで、情報系システムで得たデータと基幹システムで得たデータを時間差なく一括で管理することが可能です。
4.社内向けチャットポット
4つめのツールは社内向けチャットポットです。
社内向けチャットポットとは、外からの問い合わせに対して決められた範囲内で自動的に対応することが可能となる自動応答機能のことです。
問い合わせの最初の窓口をチャットポットにすることで、対応を最適な部署に確実に繋げることが可能になります。
また、窓口対応に当たる人員も削減できるため、人員の削減、人材の適材適所への配置ができるようになります。
5.アウトソーシング
5つめのツールはアウトソーシングです。
バックオフィス業務でも専門知識を必要とする業務は、アウトソーシングしてしまうのもひとつの手段です。
アウトソーシングすることで、決められた予算内でバックオフィス業務を行うことができるようになります。
また、アウトソーシングすることで、安定した質のサービスを受けることができるのもメリットのひとつになります。
まとめ:企業成長のためにバックオフィスを効率化しよう
バックオフィス業務は営業や販売とは異なり、業務内容が直接企業の利益に繋がる訳ではありません。
しかし、安定した企業活動を続けていくためにはなくてはならない業務です。
支払いや請求、税金の管理を円滑かつ確実に行うことで、企業は安定した経営ができます。
企業がこれからも成長していくためにも各種ツールをうまく導入し、バックオフィス業務の効率化を図っていきましょう。