請求書は取引企業との間でなくてはならない、重要な書類の一つです。
必ず記載しなければならない項目等、請求書にはある程度の決まりがあります。
自社で請求書の雛形を作成している会社も多いのではないでしょうか?
しかし、取引先から請求書の書き方を変えてほしいと言われた場合や受け取った請求書にトラブルがあった場合は、どうしたらよいのでしょうか?
そこで今回は、請求書の書き方の基本と注意点を解説し、請求書を受け取る側が注意するべきポイントをお伝えしていきます。
最後に、請求書にまつわるミスを格段に減らせる方法もご提案しますので、日々の経理業務にお悩みの方は是非最後まで読んでみてくださいね。
請求書の雛形って?
早速ですが、請求書には決められた雛形はあるのでしょうか?
請求書は取引を行う上で非常に大切な書類ですが、決められたフォーマットはありません。
しかし、請求書には記載しなければならない内容がいくつかあります。
それでは、請求書の書き方から見ていきましょう。
記載が必要な項目は?
請求書には「記載が必要な項目」と「記載した方がよい項目」があります。
まず、記載が必要な項目には、以下が挙げられます。
- 請求先の名称
- 請求日
- 請求金額
- 取引内容
- 請求書作成者の名称
もう少し詳しく、それぞれ見ていきましょう。
請求先の名称
請求先となる取引先の会社名や担当者の氏名を記載します。
取引先が会社の場合は「御中」、個人の場合は「様」をつけましょう。
住所は記載しなくても大丈夫なので、省略OKです。
送付ミスを未然に防げるよう、しっかり確認することを心がけてください。
請求日
続いて、請求書を作成した日付を記入します。
年についても後から探したときにわかるよう、必ず表記しましょう。
表記は西暦でも和暦でもどちらでも大丈夫です。
取引内容
発行する請求書が示す取引の内容を記載します。
商品やサービスが複数ある場合は「単価」「数量」「金額」等をできるだけ具体的に記載しましょう。
さらに細かい内容の記載が必要であれば「摘要欄」や「備考欄」を設けて、詳細の記載をします。
請求内容が多く記載しきれないような場合は、別紙で明細書を作成し、請求書に「別紙参照」と記載するとよいです。
請求金額
発行する請求書の合計の請求金額を記載します。
商品・サービスの小計、消費税、合計の金額を明記しましょう。
そうすることで、請求書を受け取った相手先が経理処理しやすくなり、親切です。
請求書作成者の名称
請求書を作成した人の会社名や部署、氏名を記載します。
請求先と同様に電話番号や住所は必ずしも記載しなければならないものではありません。
しかし、ミスやトラブルを回避する意味合いを含めて、記載するのが一般的です。
記載した方が良い項目は?
絶対に記載が必要!というわけではないですが、記載した方がよい項目もあります。
記載しておくことで、取引先とのやり取りがスムーズになるためです。
具体的に記載した方が良い項目には以下があります。
- 請求番号
- 支払期限
- 振込先・振込手数料について
- 消費税
請求番号
請求番号とは請求書を作成する側が管理するための、任意の番号やアルファベットを組み合わせたものです。
請求書番号を振っておくことで、自社の経理作業がミスなく進められます。
さらに、請求番号の役割はそれだけにとどまらず、間違いや問題が起こったときにも取引先の番号が確認できれば速やかに解決に近づけることができます。
支払期限
請求の締め日や支払の期日は、あらかじめ契約の時点で決められていることは多いですが、改めてきちんと記載しておくことも大切です。
経理担当者はたくさんの数の請求書の確認、支払を行うため、ついうっかり忘れてしまうことも想定できます。
請求書に記載しておくことで支払の遅延等のミスを防ぐことができるでしょう。
振込先・振込手数料について
支払方法が振込の場合は、振込先も記載しましょう。
銀行名、支店名、口座種別、口座番号までしっかり記載しておくと、こちらも支払時のミスを軽減できます。
また、振込手数料についても記載しておくことも大切。
振込手数料をどちらが負担するかは、契約時に決められていることが多いので、事前に確認し、記載しましょう。
消費税
消費税を記載しておくことで、受け取り側の経理処理がしやすくなります。
合計金額等とは分けて記載しましょう。
請求書の書き方
前述の通り、請求書には決められたフォーマットはありません。
書き方やレイアウトについても、法律上の決まりはないため、基本的には自由です。
先ほど紹介した記載事項がしっかり記載されていれば問題ありません。
無料でダウンロードできるテンプレートもたくさんあるので、そちらを参考にしてもよいでしょう。
請求書はどうやって送る?
できあがった請求書は、取引先に送付します。
送付は郵送やPDFデータをメールに添付する方法が一般的です。
続いて、それぞれの送付方法についてお伝えします。
郵送
郵送する場合は、請求書に捺印して、送付状を同封して送ります。
捺印は必ずしも必要ではないのですが、やはり重要な請求書等の書類には捺印されていることが相手方としても望ましいでしょう。
また、請求書と一緒に、送付状を添付するのはビジネスマナーとして一般的です。
先方にお金を払っていただくのに、請求書だけ1枚送るのはちょっと失礼ですよね。
加えて、送付状には請求書に記載できなかった補足事項を記載し、補う枠割もあります。
郵送の際に注意することは、メール便での送付がNGという点。
なぜなら、メール便で請求書を送付するのは違法行為になるためです。
請求書は特定の受取人に意思や事実を通知する文書である「信書」として扱われます。
信書をメール便で送付することは「郵便法」に違反するものとされます。
書面での送付の際には、注意しましょう。
PDFで送付
取引先がPDFでの請求書の受け取りが大丈夫であることが確認できていれば、メールに添付して送付することもできます。
請求書を作成したら、PDFに変換して貼付すればOK。
2005年に施行されたe-文書法により、電子印鑑も法的有効性が認められます。
郵送の部分でお伝えしたとおり、請求書には捺印そのものが必要ではありませんが、「自社で作成した請求書です」と伝えるためにも電子印鑑があれば捺印しておくとよいでしょう。
メールでの送付であれば、郵送のように届くまでの時間もかからないので、スムーズに業務が行えますね。
FAXでの送付はOK?
PDFでの送付ができないけど、相手方に「すぐに送って!」と言われる場合もあるでしょう。
そのような場合に、FAXで送信するのは良いのでしょうか?
双方で同意が取れていれば、FAXでの送付でも問題ありません。
ただし、FAXで送信する場合に気を付けるのは、送信エラー発生の可能性。
タイミングが悪いと、相手先がFAXを受信できず、いつまで待っても請求書が届かないという事態が起こります。
FAX送信後は少し時間をおいてから、先方に確認の電話をするとよいでしょう。
また、請求書は原則として、紙で保存する場合は、原本で保管する必要があります。
FAX送付して、先方が受け取ったことが確認できたら、手元に残った原本は通常通り郵送しましょう。
請求書を受け取ったら?
では、請求書を受け取る側はどのように対処すればよいのでしょうか?
それぞれ、見ていきましょう。
届いた請求書に漏れがないか、各ツールをチェック
まず、最初にしてかなり重要な作業が届いた請求書に漏れがないかチェックすること。
自社で請求書の受け取り方を指定している場合を除いて、請求書の多くは郵送やメール等様々なツールで送られてきます。
慣れている経理事務員なら「A社なら郵送で届いて、B社はメールに添付されて…」という判断もつくかもしれません。
しかし、そうではない人にとっては、請求書の見落としをしないようチェックするのは一苦労です。
チェックに漏れがあれば、支払にミスが生じます。
しっかりチェックする必要がありますね。
請求書で確認するべきポイント
届いた請求書をチェックする際、記載内容で確認するべきポイントがあります。
確認するポイントは以下の通り。
- 請求先
- 請求金額
- 請求内容
- 支払条件
それぞれ、解説していきます。
請求先
まず、請求先が自社で間違っていないかちゃんと確認しましょう。
請求金額や内容は自然と確認するものですが、請求先というのは意外と確認を怠ってしまうもの。
金額や内容がどうもおかしいぞ?となって確認すると、自社ではない請求書が送られてきていたということも稀にあります。
請求金額
請求金額を確認しましょう。これは支払に直結するものなので、桁数や消費税等に間違いがないか、チェックするようにしましょう。
請求内容
請求内容も確認が必要です。
頻繁にやり取りしている取引先であれば、前回の取引と大幅な変更がないか比較するとよいでしょう。
前回の取引から大幅に異なっている場合は、自社の担当者や先方に確認する必要があります。
また、請求された内容の製品やサービスがきちんと納められているかチェックすることも大切。
納められていない商品やサービスの請求書が来ている場合は、自社の担当者や先方に確認しましょう。
支払条件・期日
支払条件や支払期日にも問題がないか確認します。
銀行振込の場合の手数料はどちらが負担するか、いつまでに支払う必要があるのかを事前に確認しておきましょう。
ミスやトラブルを回避することに繋がります。
支払
請求書の内容をしっかり確認し、問題がなければ支払に移ります。
支払は、請求書に記載されている方法等、事前に取り決めた方法で行います。
支払った事実がしっかり確認できるような書類は確実に残しておきましょう。
受け取った請求書は保管する?
請求書は保存義務があるため、受け取ったものも必ず保管しておく必要があります!
保存期間は法人や個人事業主等形態によって様々ですが、最長10年間保管しなければなりません。
保存は紙ベースとPDFによるスキャナ保存、どちらでもOKです。
ただし、紙ベースで10年分となるとかなりの量になります。
そこでおすすめなのが、PDFのスキャナ保存する方法です。
以前は、スキャナ保存をするために管轄する税務署長の承認が必要でした。
しかし、2022(令和4)年1月以降は、税務署長の事前の承認がなくても、スキャナ保存が認められるようになりました。
データであればすぐに探すことができるため、書類の山に囲まれる心配がなく効率的です。
請求書に係る面倒な業務を電子化することで解決
請求書のスキャナ保存が可能になり、書面の電子保存はますます加速しています。
事務処理を行う際、ほとんどの企業でパソコンでシステムを利用しているので、今後も電子化はさらに進んでいくでしょう。
とはいえ、パソコンで作成した書類を紙ベースでやり取りをしているだけでは、お互いにミスやトラブルは避けられないもの。
ヒューマンエラーやトラブルが起こる原因の多くは、認知ミスや連絡不足、ちょっとした不注意がほとんどです。
このようなトラブルを避けるには、ヒトが行う業務を少なく、軽減することが一番の解決策と言えるでしょう。
業務を効率化させる最善の方法が、「電子化」による取引です。
取引を電子化することで、仕入先も支払先もお互いに、請求書にまつわるすべての業務から解放され、ミスやムダのない業務を行うことができます。
oneplatなら請求書・納品書を完全電子化
請求書や納品書の雛形は、どのように作成するか送付するか自由です。
そのため、取引会社同士でも異なったフォーマットで、様々な方法で送られてくるのが一般的。
oneplatなら請求書や納品書を最初から決まったデータで受け取ることができるため、業務のムダが格段に少なくなります。
請求書は、納品データを変換して発行するため、納品書と請求書にズレが生じません。
さらに、受け取った請求書のデータは、会計システムと連携することで自動で入力されるため、手入力による作業は一切不要。
格段に納品書や請求書処理にかかるスピードが早くなります。
毎月末の納品書・請求書の業務に悩まされている方は、是非oneplatの導入をご検討ください!