検収が完了したことを報告するための書類『検収書』。
「検品するたびに入力や押印、発送・開封・確認が手間!」
「なくなったらラクなのにな…」
と感じていませんか?
検収書は納品~請求に繋がる書類で売上の計上日とされることもあり、取引において重要視されています。検収書があることで取引をスムーズに、滞りなく進めることができると言えるでしょう。
しかし、注意するポイントをしっかりと抑えておけば検収書は省略することも可能です。
では、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか?
検収書を省略することで起こるメリットとは?
今回は検収書を省略するメリットとデメリット、より効率的な経理作業の方法を提案していきます!
検収書の作成が煩わしい
検収書の作成・発行は主に以下の3つの作業があります。
- 納品された商品・サービスの検収・検品
- 検収書の作成・押印
- 検収書の送付
多くの取引先から商品やサービスが納品される会社にとっては検収・検品だけでもかなり大変。
さらに検収を終えた後、検収書を作成し押印、送付とひとつひとつの作業は小さいものの、取引先が増えるほどその作業は膨大になります。
反対に、商品やサービスを提供する受注側にとっても大量の検収書が届くことで、確認や処理は煩雑になるでしょう。
検収書とは
検収書とは「発注者が商品やサービス等を検収したこと」を証明する書類です。
検収書が果たす役割は大きく分けて以下の三つがあります。
- トラブル・クレームの防止
- 売上計上の基準
- 請求書発行の省略
一つ目はトラブル・クレームの防止。
発注者は商品やサービスが納品されると、内容や数量に問題がないかを確認する検収・検品を行います。
検収・検品して問題がなかったら、検収書を作成し、受注者に送付します。
つまり、検収書は発注者から受注者に対して「発注した内容と相違ないです」という意思表示になります。
発注者が検収書を発行した後に商品の不備やクレームを伝えるのはマナー違反です。
このことから、検収書にはトラブル・クレームを防止する役割があるとされています。
検収書を受け取った受注者は請求書を作成・発行し、代金の受け取りの手続きへと進む、という流れになります。
次に、売上計上の基準。
売上計上のタイミングは業種や取引内容によりますが「検収基準」を採用している企業において検収書の日付が売上日となるため、非常に重要になります。
検収基準を採用するのは、機械の製造・販売業者やITシステムの開発等です。
品質や内容を確認するために一定期間の試運転を要するため検収基準が採用されています。
三つめは、請求書の発行が省略可能になること。
「検収の完了をもって、発注側から受注側へ対価を支払う」という取り決めをすることにより、請求書を発行せずに検収書の発行後に支払手続きを進めることが可能です。
検収書は発注者と受注者の取引を円滑に行うために重要な書類といえるでしょう。
検収書は義務?
発注者・受注者の両方において、検収書が大切な書類であることがわかりました。
では、検収書の発行は義務なのでしょうか?
答えは「義務ではない」です。
取引上、重要視されている検収書ですが、法律上の発行義務はありません。
つまり、発注者・受注者の両者において、不要だと判断できれば省略可能な書類なのです。
検収書を省略するメリット
検収書を省略するメリットは発注者・受注者の両者にあります。
それぞれにおけるメリットを見ていきましょう。
検収書を省略する発注者側のメリット
発注者側のメリットとして挙げられるのが以下の点です。
- 検収書作成の手間がなくなる
- 検収書作成におけるミスを防ぐ
- 送付の手間がなくなる
- コスト削減
一つ目は「検収書作成の手間がなくなる」こと。
検収書の作成をやめた場合は、当然ながら作成や送付の手間がなくなります。
検収書はフォーマットが決まっているわけではないので、比較的自由に作成することができますが、それでも押印や送付には手間がかかるものです。
検収書の作成を省略することで、入力や印刷・押印の手間が大きく省けます。
二つ目が「検収書作成におけるミスを防ぐ」。
業務において書類や工数が増えるほど間違いは多くなります。
検収書だけに限らず、書類の作成・確認には多くの工数を要します。
一つの取引ごとに作成する書類が多ければ多いほど、ミスが起きるリスクが高くなります。
検収書は一度の納品で発生する書類のため、作成する回数が多いです。
検収書の省略により工数も減り、必然的にミスが発生しにくくなるでしょう。
三つめは「送付の手間がなくなる」こと。
書類を紙ベースで作成している会社にとって、書類の送付も悩みの種の一つです。
作成した検収書を印刷し押印、さらに封筒に入れて送付、となると取引先が多くなるほど手間がかかります。
一見カンタンな単純作業ですが、だからこそミスも起きやすいもの。
送付して、相手方に到着してからミスがわかるということもあります。
検収書の省略で、書類を送付する手間が一つ減るため効率化が期待できるでしょう。
最後は「コスト削減」になること。
書類を一つ減らすということはそれにかかる人件費だけでなく紙や封筒、印刷に使うインクや切手代等のコストも削減できるということです。
ひとつひとつでは小さなコストですが、積もればかなりの金額になります。
検収書を省略することでこれらのコストを大幅に見直すことができるでしょう。
検収書を省略する受注者側のメリット
検収書を受け取る側の受注者にも少なからずメリットがあります。
受注者側のメリットとしては以下の点があります。
- 検収書の開封・確認が不要
- 検収書の保管が不要
- 納品書→請求書までの流れがスムーズに
一つ目は「検収書の開封や確認の手間がなくなる」こと。
検収書が封筒で郵送されてきた場合は、毎回開封することはとても手間です。
たくさん届いた書類をきちんと整理し、内容を確認することも実はかなり大変な作業。
検収書がなくなることで、これらの開封や確認の作業が大きく省けます。
二つ目は「検収書の保管が不要」であること。
検収書は発行の義務がないため、当然ながら保管の義務もありません。
しかし、多くの受注者は受け取った検収書を破棄せず、取引の資料のひとつとして保管しているでしょう。
紙ベースでの保管は紛失や劣化のリスクがあるだけでなく、物理的に場所をとります。
検収書がなくなることで空いたスペースを有効利用できるでしょう。
三つめは「納品書→請求書までの流れがスムーズになる」こと。
受注者は納品書と請求書を作成するため、検収書があると納品書・請求書と比較・確認する必要があります。
検収書がなくなり、納品書から請求書をすぐに作成できれば確認にかかる手間も大きく減らすことができるでしょう。
検収書をなくすデメリット
検収書を省略することで発注者・受注者のどちらにもメリットがあることがわかりました。
一方で、習慣としてあった検収書をなくすことにはデメリットも起こりえます。
検収書の省略により懸念されるデメリットは主に以下の二点です。
- クレーム・トラブルが発生する可能性
- 検収基準では検収日が明らかになる書類が必要
受注者は検収書をもって「商品・サービスが問題なく発注側に納めた」ことが証明できます。
検収書をなくすことにより、書面上で発注者に正しく納品したという証明ができなくなってしまいます。
また、検収基準を採用している場合は、税務調査時に検収日が明らかになる書類の提示が求められます。
そのため、いつの時点で売上が立ったのかが明らかになる検収書以外の書類が必要です。
検収書を省略する場合は、上記の二点をお互いの不利益なくカバーできるよう、しっかりと話し合う必要があるでしょう。
検収書を省略する際注意すべき点
検収書を省略するメリットとデメリットがあることがわかりました。
省略には多くのメリットがありますが、検収書が取引において重要な役割を持つこともまた事実です。
検収書の作成を取り止めるにはいくつか注意すべき点があります。
検収書を省略する際に注意すべき点
- 発注者・受注者の両者の同意が必要
- 検収日が明確にわかるようにする
- トラブル・クレームの防止策を考える
まず、前提として検収書を省略するには発注者と受注者の両者の同意が必要です。
デメリットでお伝えした通り、検収書には発注者からのクレーム等のトラブルを防止する役目があるため、省略により不利益をこうむりやすいのは受注者です。
受注者がしっかり納得したうえで検収書の発行を取りやめるようにしましょう。
受注者が検収基準を採用している場合は、税務調査の際に税務署から「検収日が明確にわかる書類」の提示が求められます。
検収書がなくなるため、検収日がいつになるか明確にわかる書類を準備しましょう。
また、納品書や請求書のやりとりをすべて電子化することで上記の問題がすべて解決できます。
納品・請求の処理を電子化することで取引や承認の日付が明確になり、検収書の省略で生じる可能性があるクレームやトラブルも防げます。
oneplatなら受注者が入力した納品データを発注者に送付、発注者は送られてきた商品やサービスと納品データを確認して検収・検品します。
検収・検品に問題がなければ納品データを「承認」したことを、受注者側に伝えます。
納品データを「承認」することで、今まで検収書が担ってきた役割をまかなうことができます。
検収書を省略する場合は、受注者と発注者でどの時点で検収・検品に問題がなかったかを確認しあうルール作り等を明確にしておく必要があります。
電子化すれば、すべてのやり取りがクラウド上に残るため、クレーム等のトラブルや税務調査にも柔軟に対応することが可能でしょう。
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取引をスムーズに行うために重要である「検収書」。
しかし、受注者と発注者の間にトラブルが起きない工夫をすることでその作業を省略し、より効率的に業務ができます。
納品書・請求書を電子化することで、検収書を省略するだけでなく入力や確認にかかる手間を大幅に削減することが可能です。
手間を省くだけでなく、紙ベースで発生するコストを大きくカットできます。
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