初めて経理に触れる人から資格取得を目指す人まで、経理を学びたいと考える人は多くいますが、その知識や経験の量は人それぞれです。本記事では、個々の知識や経験に合わせた経理の本を選ぶポイントや、おすすめの本をレベル別に紹介していきます。
【レベル別】経理の本を選ぶポイント
経理の本と一口にいっても、これから始める方のための入門書から、専門知識をより深めるための経理の専門書まで内容のレベルは様々です。その記載方法も、イラストにより視覚的に理解できる本から、専門性が高い活字のみの本まであります。まずは自分の知識がどのくらいなのかを理解して、レベルに合った本を選べるようにしましょう。
【初心者】経理全体の流れをつかめる本
経理の仕事をこれから始める、初めて経理に関わるという方は、経理業務の全体像がわかる本を選びましょう。まずは業務の流れを理解することで、実際の業務に取りかかりやすくなります。経理や簿記、会計の入門書として出版されている基礎的な本がおすすめです。
【中級者】経理業務の内容がわかる本
経理にかかわり始めたばかりの方や、経理業務を担っているが知識や業務に不安がある方は、具体的な業務内容がまとめられた本を選びましょう。業務の流れは既に理解していると思いますので、経理を行う上で気を付けることや、実践的な内容が書かれている本がおすすめです。
【上級者】経理の資格を目指せる本
経理の実務を経験して慣れてきた方で、より専門性の高い知識を学びたい、資格取得を目指したいという場合は、各分野に焦点を置いた専門的な本を選びましょう。経理に生かせる資格としては簿記検定がおすすめです。
初心者におすすめの経理本4選(これから経理の仕事をする人)
初めて経理に触れる方、経理の知識がまだ何もない方向けの本を4冊紹介していきます。初心者が業務の流れや基礎知識を学ぶのにおすすめの本です。
いちばんやさしい会計の教本 人気講師が教える財務3表の読み解き方が全部わかる本
財務会計の基礎知識の説明がメインのため、未経験で経理業務をはじめる方におすすめの一冊です。本の内容は、大きく二つの項目に分けて解説がされています。一つ目は、財務諸表の説明が中心で、賃借対照表や損益計算書の見方や目的等が記載されています。実際の企業の数字を取り入れて解説されているので、初めて触れる方でも理解がしやすいでしょう。
二つ目は、財務諸表の数字を見て実際どのように企業の経営分析を行うか解説がされており、一つ目の応用的な内容がメインです。経営分析の考え方やそれに関わる用語の解説等が記載されています。
経理になった君たちへ~ストーリー形式で楽しくわかる! 仕事の全体像/必須スキル/キャリアパス-
各章が漫画のストーリー形式になっているため、活字を読むのが苦手な方におすすめの一冊です。経理業務の流れが分からない方でも、イラストや図解が多いので視覚的に理解することができるでしょう。さらに、解説にはORコードが記載してあり、読み込むと動画での解説を視聴することができます。
一番わかる! 経理の教科書
経理未経験者の方でも、業務の流れから実務内容まで知ることができるため、初心者の初めの一冊としておすすめです。オールカラーで図解も多く、仕訳例や勘定項目、帳票の記載例もあるので、実践的な内容も抵抗なく理解することができるでしょう。
小さな会社の経理・人事・総務がぜんぶ自分でできる本
中小企業では、経理と人事の業務を同じ部署で担っている場合があります。こちらはそんな中小企業の経理・人事・総務の全体的な基礎知識について解説されている一冊です。具体的な事務手続きの解説や図解もあり、事務業務全般が初心者の方でも分かりやすい内容となっています。
中級者におすすめの経理本4選(実務経験はあるけど経理の知識に不安がある人)
経理業務にかかわっているが経験が浅く、まだ実務に不安がある方向けの本を4冊紹介していきます。知識に不安があるけどいまさら聞けないと思っている方にもおすすめの本です。
財務3表一体理解法
コンパクトサイズなので、持ち運びがしやすい一冊です。こちらは第1章から5章までで構成されており、1章は財務に関する基礎知識をおさらいすることができ、2章では書き込み用のシートが添付されており、実践しながら知識を身に付けることができます。3章以降は応用的な内容ですが、かみ砕いて説明されているので比較的理解しやすいでしょう。
会計のことが面白いほどわかる本
カラー版で図解もあって分かりやすく、改めて基礎からじっくりおさらいできる一冊です。会計制度の基礎になっている考え方から会計を用いた分析方法まで解説されており、会計の仕組みから学ぶことができます。また、よくある疑問点についてキャラクターが問答形式で回答する等、理解を深めるための工夫もみられます。
3年で「経理のプロ」になる実践PDCA
経理業務のスキルアップを目指したい、基礎的な内容からもう少し知識を深めたい方におすすめの一冊です。本書では、効率仕事力、計数管理力、財務提案力、経営貢献力を身に付けるためのPDCAサイクルを解説しています。そのため、事務的な経理業務の一歩先のスキルを身に付けることができるでしょう。
新改訂版 いまさら人に聞けない「月次決算」の実務
経理業務に対する疑問や悩みに対してQ&A形式で解説を行っている一冊です。そのときどきの状況によって出てくる疑問は様々ですが、Q&A形式となっているため必要な情報だけ調べることもできます。また、改訂版ではAI導入が進む近年の状況に合わせて、AIの進展と月次決算の関係について追加されています。
上級者におすすめの経理本4選(より専門知識を身につけたい人)
より専門的な知識を身につけたい方や、資格取得を目指したい方向けの本を4冊紹介していきます。応用的な業務やより深い知識を身につけていきたい方におすすめの本です。
スーパー経理部長が実践する50の習慣
経理業務を通じて企業に貢献するための行動という点に注目して書かれた一冊です。スーパー経理部長と呼ばれた著者が、実体験をもとにまとめており、経理業務を担うものの心得等が記載されています。経理に関する知識的な内容というよりは、どのような姿勢で経理に向き合うべきかということが学べる本です。
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会計のことが面白いほどわかる本
中級者におすすめの本で紹介した、会計のことが面白いほどわかる本と同じシリーズの本です。会計基準の理解編では、キャッシュフロー計算書、連結財務諸表、税効果会計、時価会計、退職給付会計の制度等、少しレベルアップした内容について解説しています。
財務会計講義
多くの大学でテキストとして採用され、税理士や会計士の資格取得を目指す受験生の間でも利用されている一冊です。法令や会計基準等の改正が頻繁に行われる中、毎年改定を重ねて最新の内容が学べるようになっています。また、自説を控え試験に必要な知識を学べることも特徴の一つです。
新・現代会計入門
会計基準や制度の説明だけではなく、実際に企業でどのような影響を与えているかといった企業の現実にも焦点を当てた一冊です。また、日本ではまだ導入が少ないIFRSの財務諸表を用いて日本基準との違いについても解説しています。
まとめ:経理を学ぶなら自分のレベルに合わせた本を選びましょう
本記事では経理の本の選び方や、おすすめの本を紹介しました。効率よく経理の知識を身に付けるためには、自分のレベルに合った本を選ぶことが大切です。今回レベル別に紹介した本を利用するとともに、選び方のポイントを抑え自分に合った経理の本を見つけられるようにしましょう。
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