「ニューノーマル」を徹底解説|企業事例や求められるスキルも紹介

  • 2022年10月16日
  • 2024年2月22日
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2020年に新型コロナウイルスが拡大したことで、私たちの生活は以前と比べて大きく変化しています。
マスクを装着しての外出や、「密室」・「密閉」・「密集」等のいわゆる3密を避けて行動する等、新しい生活様式が続々と取り入れられてきました。

そのような波はビジネスに対しても影響が及んでおり、「ニューノーマル」というこれからの時代に合った新しい働き方やスキルが求められています。
今回はそんなニューノーマルについて意味や企業事例等を紹介します。

ニューノーマルとは「新しい常識」が一般化することを意味する

「ニューノーマル」という言葉は2000年代初頭から使われていた

新型コロナウイルスが流行してから、このニューノーマルという言葉が話題になっていますが、ニューノーマルという言葉自体は2000年代初頭から使われていました。

第1のニューノーマルはネットが世界中に普及しだし、テックカンパニー(IT系やテクノロジーを用いたりする企業)が台頭しはじめた時期です。
当時は、ネットが普及することによってこれまで行っていたビジネスモデルや経済論理が適用できなくなるという考えがありました。

第2のニューノーマルは2009年のリーマンショック後に、エコノミストであるモハメド・エラリアン氏が提唱しました。リーマンショックが起こったことで人々の意識が変化し、これまでの資本主義から持続可能な社会へと変革が進行しています。

コロナによって訪れた「第3のニューノーマル」

そして2020年にコロナウイルスの世界的な拡大が起こったことにより第3のニューノーマルが訪れています。
コロナウイルスの流行によって、これまでの生活様式には馴染みがなかった、ソーシャルディスタンスを保つことや他人との接触を減らす等、感染のリスクを防ぐための生活様式への変化が求められています。

当然ながら、変化の波は働き方にまで波及しました。
従来の会社に出社して業務を行うという形式は、電車通勤時の不特定多数との密室での接触によりコロナウイルスの感染リスクを高めます。また、職場での集団感染が起こる可能性もあるでしょう。

以上のような理由で、これからの働き方としてテレワークが推奨されています。

ニューノーマル時代の働き方|どんな変化が起きている?

多くの人が受け入れている「テレワーク」が普及した

先ほどもご紹介しましたが、新しい働き方の様式としてテレワークを導入している企業が増加しました。
総務省が行った調査によるとコロナウイルスが流行する前はテレワークを導入している企業の割合は全体の20%程度だったのに対し、流行後は2倍以上の47.5%になっています。

またテレワークを導入した企業の内、約7割の企業が導入したことに対して「非常に効果があった」、「ある程度効果があった」と回答しており今後も増加していくであろうことが予測できます。

移動時間や交通費が削減できる「オンライン商談」が増えた

テレワークの導入が増えるにつれ、商談やセミナーもオンライン上で行われるように変化しています。
手軽に使えるWEBミーティングソフトが普及したことにより、社内社外ともに直接会わずにパソコン上でコミュニケーションをとるハードルが低くなりました。

場所を問わずにコミュニケーションをとることが可能になったため、移動時間や交通費等のコストが減り従来の方法よりも効率的に業務を行えます。また、対面営業だけの時よりも商圏が広がるというメリットがあります。

「DX」を取り入れる企業が増えている

新しい働き方の様式で、テレワーク以外にDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れる企業が増えています。

増加の背景には、経済産業省が「DX投資促進税制」というデジタル環境を構築するための投資に対し税額控除か特別償却を行う税制を創設したことがあります。

帝国データバンクが行った2022年の調査で、設備投資を行う予定があると回答した企業の内、情報化(IT化)関連と、DXのいずれかに対して設備投資を行うと回答した企業が全体の34.3%ありました。従業員1,000人以上の大企業を中心にデジタルに対しての投資が予定されています。

ニューノーマル時代で活躍するために必要な4つのスキル

1.オンライン上でのコミュニケーション能力&デジタルスキル

ニューノーマル時代ではこれまでのスキルに加えて、新たにオンライン上でのコミュニケーション能力や、様々なビジネスツールを使いこなすデジタルスキルも求められます。

例えば相手に情報を伝える際にチャットでコミュニケーションをとる場合は、伝えたい内容が簡潔でありわかりやすい文章にまとめる必要があります。

また、相手からのメッセージに対して既読を伝えることも重要です。
返信ができない状況でもリアクションボタンを押して既読したことを伝えるだけで相手の負担を減らすことに繋がります。

2.客観的判断で仕事を進行できるセルフマネジメント能力

テレワーク・在宅勤務等の勤務形態は場所に縛られずに柔軟に働くことができるようになりました。しかし、人によっては集中力の欠如による生産性の低下や、逆に長時間労働をしてしまっていたという問題が起こる可能性も考えられます。

こういった事態を未然に防ぐために、ニューノーマル時代では自分に割り振られている業務量に対しスケジュール通りに進行させる能力や自分自身を客観的に判断する能力が求められます。

また、自分自身でストレスのマネジメントや体調管理を行う生産性を維持できるような仕組みを作るセルフマネジメント能力も重要です。

3.トラブルの本質を見極める問題解決能力

テレワークの状況下では、使用しているパソコンや周辺機器、ソフトウェアにトラブルが生じた際、他者のサポートなしに問題解決しなければならないこともあります。
そういった状況においても、トラブルの原因は何なのかを論理的に考えて解決していくロジカルシンキングや問題解決能力を身につけることが必要です。

このような度々発生するトラブルや、それに対する解決策は情報共有ツールを導入することで効率や生産性の向上に繋がります。
テレワーク下では情報共有を頻繁に行う方が、問題解決能力の向上にもなります。

4.1人でも生産性を維持するモチベーション管理能力

テレワークのような1人で業務を行う状況下では、同僚や上司とのコミュニケーションをとる機会がなく、孤独感を感じやすいです。業務に対するモチベーションが欠如してしまうという方も中にはいるかもしれません。

欧米ではモチベーションを保つためにマインドフルネスやヨガ等のアクティビティを行っている人が一定数存在しています。
このような自分自身でモチベーションを保ち続けるための仕組みづくりや管理を行う能力も求められます。

ニューノーマル時代の働き方にはどんな問題点がある?

コミュニケーション不足によるすれ違い

問題点としてまず注意すべきなのが、すれ違いです。
従来の働き方では直接相手に聞いて疑問を解消していたのが、テレワーク等を行うことで電話やチャットでやり取りを行わなければなりません。
そのような作業を面倒に感じて相手に確認せずに自己解決することが増える可能性があります。

このようなことが原因ですれ違いが起こり、チーム全体の生産性の低下にも繋がりかねません。
テレワークを行う際には従業員全員が円滑にコミュニケーションをとることができる環境の整備が重要です。

仕事とプライベートの切り替えの難しさ

テレワーク下では自宅で仕事を行う従業員も多いですが、中には仕事とプライベートのオンオフの切替が上手くできずに仕事に対するモチベーションが低下してしまう人もいます。
従業員1人1人が仕事に対するモチベーションを高めるためにも、身近なところでは部屋のレイアウトを変えたり、仕事の目標を設定することはモチベーション維持を図るために効果的です。

このようなことに加え、上長が従業員のモチベーション管理を実践することが求められます。

セキュリティリスクの増大

テレワークでは会社が貸与したパソコンを使用して業務を行うので企業の情報漏洩等のセキュリティリスクが高まります。
実際に企業の情報漏洩の原因として、5割以上は従業員がパソコンや記録媒体を紛失したり置き忘れたことによって発生していると日本ネットワークセキュリティ協会(JSNA)の調査でわかりました。

そのようなリスクに対して企業のセキュリティ担当がテレワークに適したセキュリティ対策をし、従業員に対し研修を行う等、1人1人のリテラシーを高めることが必要になります。

また、異常事態が起こった場合の対応についても事前に従業員に対して周知させておくことも必要です。

ニューノーマル時代の働き方を取り入れている企業事例2つ

某フリマアプリ業

某フリマアプリでは、これからのニューノーマル時代に対応した「OKR」、「バリュー評価」という人事制度を取り入れました。

OKRとは「Objectives and Key Results」の略で、シリコンバレーにあるGoogle等の企業で導入が進んでいる目標設定・管理方法です。
具体的には四半期毎にグループから個人で目標を設定し達成度を確認します。
その際のポイントとして、達成度ではなくその達成度に対し個人でどれだけ貢献できたか確認します。

某電子機器製造業

こちらでは「Work Life Shift」という新たな働き方のコンセプトを取り入れました。
最適な働き方を実現する「Smart Working」、働く場所を自由に選択できる「Borderless Office」、新たな企業文化を創る「Culture Change」の3つの柱で構成されています。

このコンセプトを取り入れるにあたって従業員の声を真摯に受け止め、人事、総務、ICT部門が三位一体で推進していくことを重視しています。

ニューノーマル時代における非対面コミュニケーションの解決策

テレワークが普及しだしている状況ですが、課題がまだまだが多いことも事実です。

内閣府が発表した調査では、テレワークを行いコミュニケーションで不便になったこととして「気軽な相談・報告が困難」「取引先とのやり取りが困難」等がありました。従来の方式とのギャップに悩む方が多いことが伺えます。
またほかには、「テレビ通話においての質の限界(タイムラグ、⾳声や映像の乱れ等)」、「⼤勢で会うことができない」等の回答も挙げられていました。

こうした課題が積み重なっている中では「通信インフラ環境」「ツールの選択」「運用」の面からの対策が必要になります。

例えば、気軽に相談・報告できないという課題に対しては、運用に工夫を凝らすことでコミュニケーションを改善することが期待できます。
いつでも声をかけられるようにチーム内ではWeb会議に終日接続しておく、雑談するためだけの部屋を用意しておき、誰でも利用できるようにすることによってコミュニケーション不足を防ぐ。といった取り組みを行っている企業もあります。

まとめ:これからはニューノーマル時代

今回はニューノーマル時代の新しい働き方や、求められるスキル等について説明しました。

コロナウイルスが流行する前と比べるとテレワーク等の場所を選ばない働き方は、格段に増加しておりこれからも変化の波は収まらずに大きくなっていくでしょう。
私たち1人1人もその変化に適応し、新しい価値観を取り入れていく必要があります。

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oneplus編集部

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